一発勝負を仕掛けるとき、勝敗を左右するものはいったい何なのか?伝説の勝負師の勝つための秘訣とは...
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敵を知るより先に、己を知ること
「プロより強いアマチュアゴルファー」と呼ばれた男がいました。日本アマチュア選手権6勝。1967年の西日本オープンではプロをしりぞけ優勝。多くのトッププロが教えを乞いに来たそうです。名前は中部銀次郎。ゴルフに詳しい方ならご存知だと思います。実績だけを見れば中部さんより強いアマチュアゴルファーもいたと思います。それなのになぜ中部さんだけが語り継がれる存在になったのでしょうか?
それはきっと彼の勝負哲学が、ゴルフに限らずあらゆるプロスポーツやビジネスの世界においても通用するものだったからに違いありません。つねに中部さんが言っていたことを一つお話ししましょう。月一のアベレージゴルファーには関係ないと思わないで聞いてください。
「自分の真の力を知る」
そんなことは百も承知だ。こんなつぶやきが聞こえてくるようです。ではゴルフをされる読者諸兄にうかがいます。あなたの7番アイアンの飛距離はどれくらいですか? 皆さんはこう答えるはずです。
「ナイスショットしたときは150ヤードくらい」
では、10球打って何球ナイスショットしますか? 半分位? もっと少ない? 仮に3球しかナイスショットが出なかったとしても、その3球を自分の実力だと思ってしまうのです。ゴルファー100人のうち99人は自分の力を過信していると中部さんは言います。うまく打てなかった7球の方が自分の実力であり、必然の結果なのです。この事実を受け入れ、真の自分の力を知ることです。ここから飛躍的に上達するのは間違いありません。
...とは言っても、100球打って一回しかできないミラクルショットができちゃうのもゴルフ。そこに楽しさを見出すことも、実はアリなんですけどね。
※参考文献 「もっと深くもっと楽しく」(中部銀次郎著 日本文化出版刊 1997年7月出版)
中部銀次郎
プロフィール
1942年山口県生まれ。伝説的アマチュアゴルファー。幼少期にゴルフを始め、日本アマチュア選手権優勝6回。1967年当時プロトーナメントだった西日本オープンで優勝。生涯アマチュアを通し「日本のボビー・ジョーンズ」と称された。2001年没。
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