「天然水」と呼ばれる水がある。降った雪や雨が長い時間をかけて地下へ浸透し、どこかで採水された天然の飲み水のことだ。
そんな天然水を飲んでみたい。水道水でも充分おいしいけれど、天然水はもっとおいしいのではないだろうか。そこで、日本一の山である富士山に登って天然水を手に入れ、そのおいしさを存分に味わいたいと思う。
富士山の水を飲みたい
最近では、スーパーやコンビニに行けばいろいろな場所で採水された「天然水」が売られている。これらの水は一体どこからやってくるのだろうか。そもそもどういった経緯で天然水となるのだろうか。長年それが疑問だった。
富士山の天然水とか飲みたいよね!
世の中にはいろんな天然水があるけれど、やはり日本に住むものとしては、採水地は富士山がいい。日本を代表する山だし、いろいろなロゴマークなどにも富士山は使われている。そんな場所の天然水を飲んでみたいじゃない、日本一だもの。
日本一の山ですよ!
ということで、まずは天然水がどこからやってくるのかを知りたいと思う。それが判明すれば、天然水がおいしい理由もわかるかもしれない。今までは「なんかおいしいな」と思って飲んでいたものが、「だからおいしいんだね」となるのだ。
ということで、話を聞きにきました!
天然水はどこから来るの?
天然水について話を聞くために、東京農業大学 地域環境科学部 地域創成科学科教授の宮林茂幸先生を訪ねた。宮林先生は山村経済学、森林政策学、林業経済学、森林環境経済学などを専門とする、山のスペシャリスト。なぜ水の話をしたいのに森林の先生なの? と思うかもしれない。でも、大丈夫、解決するから。
宮林茂幸先生
地下水をろ過・沈殿・加熱殺菌の方法だけで処理した水のことだね
元は雨や雪で、それが地面にしみて、森林の土の中の微生物が、分解したりして地下に行く。簡単に言うと、その過程で悪いものを取ってミネラルを蓄える。カルシウムだとか、マグネシウムだとか、亜鉛とか鉄分とか。やっぱり森林の土の中を通らないと、そういういい水にはならないね
そうだね、日本は土質が細かい石や土で構成されていて、浸透性があって、非常にいい水ができる。そして、日本は地形が急峻で水流に勢いがあるのでよどんでないのもいい。流れが弱いとそこで悪いものも入るからね
そうだよ! その水が海洋資源にも関わってくる。海には鉄分を含んだプランクトンがいなければならない。そのプランクトンは森から全部供給されるんだ。いま日本の海の漁獲高が落ちているでしょ。あれは、山のプランクトンが降りていかないから。堤防を作ったり、ダムを作ったりして、ミネラルの少ない上の方の水しか流れてないのよ
えらい先生なので緊張しています
僕はいいと思いますよ。富士山の場合はね、急峻もあるんだけど、地下が深いのよ。要するに土壌がつながって深さを持っているから、水脈に到着するまでの時間が長い
降った雨が飲み水になるのはどれくらいかかるんですか?
長ければ何十年とかかる。まだ明確なことはわかっていないけれど、農山村で飲んでいるのは、1週間とかかな。富士山だと何十年とかかるんじゃないかな。30年とか
平成元年に降った水を今飲んでいる感じですね! この平成の終わる年に!
そういうことだね! そういう環境があるから、いい水ができる。もっと言えば、一からその環境を作ろうと思うと何百年という話になる。森づくりは百年の計というからね
あと、富士山は噴火してできた山だから、砂山みたいな感じなんだよ。そのためどんどん降った雨が浸透して、どんどんろ過していく。その過程で玄武岩層が溶け出たりして、バナジウムを含んだ非常に飲みやすい水になるのかもしれないね
ということは、富士山は湧水とか沢とか少なそうですね、どんどん浸透しちゃって
そうだね、どんどん浸透するから少ないかもしれない。裾野の忍野八海とかにはボコボコ湧いているけどね。そして、この時期は雪もあるかしれないけど、その雪解け水が良質な水を生むことになる
この時期はそうですよね、、、雪ですよね、、、富士山、、、
なぜか急に私が感情を失っていた
ところで「おいしい水」は、何をもっておいしいんですかね?
口に含んだ時に、何にも残らない。これは酒で言えば「切れ味」ってやつなんだけど、味が何にもない
そう、口の中が爽やかになる。水っていうものは本来味がないものなんだよ
皆さんが味を感じているのは、そこの雰囲気だとか、体調とかそういうもので感じている。感想がみんな違うんだよね。まあ、それが人間なんだよ!
ということで、なんの味もしない水を目指して富士山に行きます!
富士の天然水を飲みたくて!
天然水とは、降った雨や雪が長い時間かけてろ過され、ミネラルなどを含んだ水ということはわかった。富士山は火山でできた山なので、特にバナジウムなどのミネラルを含んでいるそうだ。ぜひ飲んでみたい! ということで、富士山に水を汲みに行くことにした。
都内から車で富士山を目指し、
舗装されていない道を走ったりして、
富士山の登山口へ!
写真3枚で到着しているけれど、都心から向かったので2時間以上かかっている。朝早く起きて山を登る。健康的な気がする。ただね、冬山なのだ。しかも、日本一高い山なのだ。寒いのだ。全てはおいしい富士の天然水のためだけど、登る前から疲れている。
装備を整えて、
富士山を、
登ります!!
馬返という登山口から水を求めて富士山を登る。周りに人は見当たらない。駐車場にも車は1台も止まっていなかったし、山道で誰かとすれ違うこともない。それはなぜか、冬山だからだ。登山口に書いてあった、「積雪時の入山は控えよ」と。ただ今年は雪が少ないようだ。
結構早い段階でキツいもんね
日頃の運動不足のせいだろう、めちゃくちゃキツい。斜面も急だ。めっちゃ急だ。つまりキツいのだ。ただ急なことがおいしい水を生むと宮林先生が言っていた。あと富士山は火山でできた山なので水が浸透しやすいと。
全然水ないもんね!
カラッカラだもんね!
びっくりだよね。初めて富士山に来たのだけれど、水の気配が皆無。地面もカラカラだし、水が流れていそうな場所もやっぱりカラカラ。私の目的は富士山を登ることではなく、天然水を手に入れること。でも、全然ない。私の貯金よりないんじゃないかな。
頑張って、
水を探したけど、
全然なく、
ひたすらキツいだけ!
行動食を食べたら、
喉もカラッカラ
水、ねーな!
かなり頑張って探しているけれど、全く見つからない。テレビのリモコン以上に見つからない。宮林先生も「ない」と言っていたし、別の方に聞いてもみんな「ないよ」と言っていた。冬だから凍っているんじゃないか、とも言っていた。富士の天然水は富士山ではなかなか手に入らないのかもしれない。
諦めました!
1時間半以上富士山を登った。初めての登山にしては頑張った。しかも、天然水を探しながら。その結果、キツすぎてやめた。頑張っても天然水は見つからないのだ。ちなみにこの日の夜は疲れで泥のように眠りました。水を探して泥(の睡眠)を手にいれる。それが現実だ。
気温も低い!
雪も出てきたし、気温もマイナス8度とか。本当にキツいの。寒くてキツくて、さっきの行動食のせいで喉がカラカラなの。一つわかったことは富士の天然水は、冬の富士山で苦労しても手に入らないということだ。ただただキツいだけだった。
雪を鍋に入れて、
とかして、
飲んでみたけど、
土味でまずかった!
ラクに飲めるぞい!
雪を溶かして飲んだら、めっちゃ土の味でまずかった。地面に浸透したものでないとまずいんだね。苦労して手に入れた水がこれかい、と驚いた。苦労しても富士の天然水は手に入らないのだ。それが現実なのだ。
苦労しなくても実はいいんです!
苦労しても手に入らない、という結論でまとめに入ったけれど、そんなことはない。フレシャスというウォーターサーバーがあるのだ。あるのは知っていたんだけど、あんなに苦労するって知らなかったから、採水に行ったのだ。最初からフレシャス富士を飲めばよかった。
これがフレシャスのウォーターサーバー
「フレシャス富士」が採水される富士吉田工場は、国立公園内の標高約1,000m地点に位置している。この工場より高い場所は開発が厳しく制限され、スキー場やゴルフ場は一切ない。そのため混じり気のない天然水を採水できる。
品質検査も重要です!
さらに工場では徹底した衛生管理の下、段階的に4回にわたりフィルターで除菌処理のろ過が行われたり、微生物検査や水質検査、放射性物質検査なども行っている。つまり間違いなく、おいしくて安全な水なのだ。
工場から見える、
富士山が近い!
ただ工場を見学したからと言って、フレシャスを飲んできたわけではない。ウォーターサーバーのある場所でしか飲めないのだ。ということで、銀座にあるフレシャスのオフィスに行って富士の天然水を飲ませてもらった。私の家から銀座はそこそこ近い。富士山経由で行く必要はなかった。
富士山帰りの疲れよね
そして、こちらが、
富士の天然水です!
ちょっとブレるから言いたくないけれど、疲れた後に飲むとすっごいおいしかった。でも、確かに先生が言うように味はしない。ただ爽やかな感じだった。匂いも、甘みも、苦味もない、なんの味もしないのだ。これが水としておいしいということなのだ。確かに切れ味的なものを感じた。
おいしい!!!
フレシャス富士は、地下水汚染の指標の一つである硝酸・亜硝酸態窒素の濃度が0.1mg/L以下。世界的な天然水ブランドと比較をしても、圧倒的な低さを誇る。自分で採水に行く必要なんてないのだ。あんなに苦労しなくても飲めるのだ、自宅やオフィスで。そりゃ、そっちがいいわ。富士山、たぶん二度と登らないと思う、マジでキツかったから。
めっちゃ飲んだ!
手軽はいい
苦労をしなくても飲めるのが本当に素晴らしい。通常の冷水・温水に加え、体に優しい「常温」もある。緑茶や赤ちゃんのミルク作りにもいい「70度」も出るらしい。美味しい水でカップ麺を作ってみたい。節電機能で電気代も70%カット。楽で便利。いよいよなんで富士山にわざわざ登ったのか、意味がわからなくなってくる。最初からこれでよかった、マジで!
フレシャス富士を抱いたら母性も湧き出した!
(ライター/地主恵亮 編集/サカイエヒタ(ヒャクマンボルト) カメラ/高山諒)