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オフィスコンセプトはどのように決める?手順や決定のコツを解説

オフィスコンセプトはどのように決める?手順や決定のコツを解説

2024年03月26日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。
オフィスコンセプトはどのように決める?手順や決定のコツを解説

働き方改革の推進による出社人数の変化や従業員の増減などによって、オフィスの移転・改装を検討する企業も少なくありません。オフィス移転・改装時には、面積や間取りに応じたオフィスづくりが不可欠です。

そして、オフィスづくりに役立つのが「オフィスコンセプトの設定」です。

当記事では、オフィスコンセプトの必要性やメリットから、オフィスコンセプトを決める手順、さらに決定のコツまで詳しく紹介します。オフィスコンセプトの決め方を知りたい企業経営者・担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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1. オフィスのコンセプトはなぜ必要?

「オフィスコンセプト」とは、オフィスで実現したいことや企業理念をどのようにしてオフィスに反映させるのかを定めた、基本的な指標・方向性を指します。

オフィスを新たに開設するときはもちろん、移転・改装をするときにはオフィスデザインを事前に検討することが基本です。

しかし、「社員や取引先・顧客などの来訪者に企業の考え方や想いを共有・浸透させる」という面において、単純にデザインに沿ったきれいなオフィスにするだけでは意味がありません。オフィスコンセプトを設定した上でデザインを決定すれば、そのオフィスが生み出す効果をさらに引き出せるようになります。

そこでまずは、オフィスコンセプトを決めるメリットやコンセプト例を紹介します。オフィスコンセプトの重要性を知るためにも、ぜひ参考にしてください。

1-1. オフィスコンセプトを決めるメリット

・作業効率の向上 ・企業ブランディング ・社会的責任の誇示 ・社員満足度の向上

オフィスコンセプトを決めることには、下記のようなメリットがあります。

●作業効率を向上できる

オフィスデザインにおいてコンセプトを定めておくと、自社の働き方に合った労働環境が整備でき、社員が快適に働けるようになります。快適性の高いオフィスは社員のモチベーションアップに寄与するため、結果として作業効率・生産性の向上が期待できるでしょう。

●企業ブランディングにつながる

企業のコンセプトがしっかり反映されたオフィスは、企業理念をアピールできる空間となり、アウターブランディング・インナーブランディングにも有効です。取引先から共感を得られることで商談がスムーズに進みやすくなる可能性があるほか、社員に自社の理念やブランド価値などの理解を深めてもらうことにもつながります。

●企業の社会的責任を示せる

「サステナビリティ」や「環境配慮」をオフィスコンセプトに盛り込めば、持続可能な社会に向けた企業の環境活動・取り組みをアピールできます。環境問題が注目されている近年、社会的責任を示せる企業は評価されやすいほか、注目度も高まるでしょう。

●社員満足度が上がる

社員の意見を取り入れつつオフィスコンセプトを決めると、オフィスの課題解決を目指したデザインの実現も可能となります。一人ひとりの社員が働きやすい環境を整えることで社員満足度や帰属意識が高まり、結果として離職率の低下にもつながるでしょう。

1-2. オフィスコンセプトの例

カフェ 自然 ミニマリスト テクノロジー、未来 地域/文化

オフィスコンセプトの内容は多種多様です。イメージのしやすいオフィスコンセプト事例としては、下記のようなものが挙げられます。

●カフェ風

リラックス効果を促進するオフィスコンセプトです。木目調のテーブルやソファ席を設置し、シーリングライトなどで落ち着いた雰囲気を演出します。

●自然との調和

グリーンアイテムや自然光を活用しつつ、リラックス効果と創造性を促進する開放的なオフィスコンセプトです。

●ミニマリスト

「シンプルで無駄のないデザイン」を重視したオフィスコンセプトです。社員の集中力を高めることが主な目的となります。

●テクノロジーと未来志向

IoTデバイスやスマート家具などの最新テクノロジーを活用しつつ、効率的な作業をサポートするオフィスコンセプトです。

●地域や文化に根差したもの

地域ならではの文化や特色を反映させたオフィスコンセプトです。伝統的な要素を取り入れつつ、アイデンティティを強調しています。

希望するコンセプトやテーマによって、必要なオフィス家具や設備は異なります。おしゃれさや居心地のよさを意識することはもちろん、社員や社外に向けてよい影響を与えるオフィスづくりを実現したいのであれば、あらかじめコンセプトとマッチするオフィスデザインのビジョンを描いておきましょう。

2. オフィスコンセプトを決める手順

1.課題の洗い出し 2.企業イメージの決定 3.メインカラーの決定 4.アイデアの出し合い 5.トレンドの取り入れ

次に、オフィスコンセプトを策定する基本的な流れを紹介します。

手順1. 課題を洗い出す

最適なオフィスコンセプトを決めるには、まず現状どのような課題を抱えているかを洗い出すことから始めます。

このとき、経営者が抱える課題はもちろん、社員が抱える課題も明確にしておく必要があります。社員が感じている課題を経営者が把握するために、ヒアリング(定性)・アンケート(定量)を通して意見を求めましょう。

手順2. 企業のイメージを決める

オフィスの課題を洗い出したら、次に「オフィスを通して表現したい企業のブランディングイメージ」を明らかにします。

企業イメージを明確にすることでコンセプトの方向性が定まり、オフィスデザインの具体的な目的や課題も自ずと見えてきます。

手順3. メインカラーを考える

決定したコンセプトをしっかりとオフィスデザインに反映するためには、企業イメージを象徴するメインカラーを決めることが大切です。

メインカラーは、オフィスデザインにおいてアクセントカラーとして活用します。企業イメージと色から連想されるイメージがマッチしているかどうかを踏まえ、適切なメインカラーを考えましょう。

手順4. 社員でアイデアを出し合う

デザイン会社との打ち合わせは、経営陣や選任されたメンバーが対応することが基本ですが、実際にそのオフィスを長く利用するのは一般の社員たちも同じです。

ある程度のコンセプトやメインカラーを決めた後は、社員全員または複数の社員が参加するミーティングを実施し、社員同士でアイデア出しを行いましょう。アイデアを出し合うことで、オフィスデザインに必要な要素が効率よく具体化されるだけでなく、社内コミュニケーションの活性化にもつながります。

手順5. トレンドを取り入れる

オフィスコンセプトを決める上では、トレンドデザインを意識するのも大切です。トレンドを取り入れたアイデアをコンセプトに盛り込むことで、社員のモチベーションのさらなる向上が期待できます。

3. オフィスコンセプトをうまく設定するには?

最後に、オフィスコンセプトを決めるにあたって重視しておくべきポイントを3つ紹介します。「コンセプトをうまく設定し、社員の生産性やモチベーションの向上につながる理想的なオフィスデザインを実現したい」という企業経営者・担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

3-1. コンセプトを決定する担当者を選任する

オフィスコンセプトを決定する際は、事前に担当者を選任しておきましょう。コンセプトを決定する担当者の選択肢としては、社内だけでなく社外の人の協力を仰ぐ方法もあります。主な選択肢には、「社内の担当者」「社内のプロジェクトメンバー」「社外の設計パートナー」の3つが挙げられます。

●社内の担当者

オフィスの修理・移転・改装といった分野の窓口を担当する方が担当者となるパターンです。普段からオフィス環境に関する業務を行っているため、比較的スムーズにコンセプトを策定できる点がメリットと言えます。

●社内のプロジェクトメンバー

オフィスづくりを一任するプロジェクトチームを立ち上げ、特定のメンバーをコンセプト決定の担当者として任命するパターンです。基本的に複数人でアイデアを出しながら進めるため、目的に沿ったコンセプト設計がしやすい点がメリットとなります。しかし、意思決定者が複数いるが故に、考えをまとめる時間がかかってしまう点には注意が必要です。

●社外の設計パートナー

複数の設計パートナーからコンペ形式で1社を選んだり、普段からオフィス周りに関わる付き合いを持つパートナーにコンセプト策定を依頼したりするパターンです。社内のリソースを割く程度が少なく済む点は大きなメリットですが、費用がかかる・要件のすり合わせや修正に長い期間を要するおそれがある点に注意しなければなりません。また、パートナーに対して会社としての意思を伝えたり、調整を行ったりする社内の担当者は指名する必要があります。

3-2. オフィスの課題を洗い出す

働き方改革や働き方の多様化が進む近年、オフィスにはさまざまな課題が生じやすくなっています。

特に、「働き方の実態に沿わないオフィスレイアウト」は多くの企業が抱える課題です。中でも、コロナ禍をきっかけに普及したテレワークによって出社人数が減少したにもかかわらず、デスク配置はそのままで座席が余っていたり、出社する社員同士の距離が遠くてコミュニケーションが希薄化したりするケースが多々あるようです。

人と人とのつながりをコンセプトとする場合、オフィスレイアウトが原因でコミュニケーションが希薄化することは極めて大きな課題です。こうした課題を事前に洗い出しながら、課題解決につながる適切な内装・デザインを検討しましょう。

3-3. 会社らしさを取り入れる

オフィスデザインにおいては、会社「らしさ」を取り入れることが最も重要です。会社らしさを的確に表現する方法としては、企業を象徴するコーポレートカラーが挙げられます。

コーポレートカラーをオフィスデザインのメインカラーとして取り入れるのは、よく用いられる手法です。しかし、一色だけでオフィス空間を構成すると色の主張が強すぎて、かえって集中できない環境となってしまいます。そのため、統一性のあるその他のカラーをうまく取り入れたり、スペースの利用目的によって柔軟に色を使い分けたりすることが大切です。

また、コーポレートカラーが決まっていない場合は、企業理念や事業内容を明確にし、「ステークホルダーにどのようなイメージをもってもらいたいか」を考えた上で、適切なカラーを決めるとよいでしょう。

まとめ

オフィスコンセプトは、オフィスで実現したいことや企業理念をどのようにしてオフィスに反映させるのかを定めた基本的な指標です。オフィスコンセプトの決定には、社員の作業効率や満足度が向上する・企業ブランディングにつながる・社会的責任を示せるといったメリットがあります。

オフィスデザインを決める際は、コンセプトに応じたレイアウトやカラーを選びます。単純にデザインだけを重視するのではなく、コンセプトを策定するにあたって発見した課題の解決につながる「動線」や「オフィス家具の配置」「照明」なども総合的に考慮しましょう。

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