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レジリエンスとは|ビジネスにおける意味や組織レジリエンスを高める方法について解説

レジリエンスとは|ビジネスにおける意味や組織レジリエンスを高める方法について解説

2021年03月26日掲載(2023年11月06日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

ビジネスマンのイメージ写真

経済面や社会などさまざまな面で激しい変化の起こる時代に突入していますが、それにより個人・企業問わずにレジリエンスの重要性が増しています。この記事では、ビジネスにおけるレジリエンスの意味や重要性について解説します。あわせてレジリエンスを高める方法も解説するので、これからのビジネスで生き残り続けるための参考にしてください。

目次

レジリエンスとは?

レジリエンス(resilience)とは、一般的に「回復力」や「復元力」、「弾力」などと訳される言葉です。簡単にいえば、難しい状況に直面した場合にうまく適応できる力やストレスがかかっても諦めない強さなどを表します。

レジリエンスの意味

レジリエンスは組織だけでなく個人にも当てはまる言葉です。もともとは心理学の用語として使われてきましたが、現在では組織論にも通用する言葉として浸透しています。

レジリエンスは、ナチス・ドイツが行った「ホロコースト」によって生まれた孤児を調査したことで誕生した概念だといわれています。ホロコーストの恐怖心・トラウマなどを乗り越えて幸せに暮らしている人を調査した結果、状況や環境に適応して生活する回復力や再起力を持つことがわかり、レジリエンスという言葉が生まれました。

回復する力であるレジリエンスの有無によって、同じようなストレスや困難に直面した場合の結果が変わります。

レジリエンスが注目される背景

レジリエンスが大きな注目を集める背景としては、「時代の変化の速さ」「労働環境の変化」などが挙げられます。厚生労働省の調査(平成28年度)によると、仕事で強いストレスを感じているという割合は59.5%にも上っており、前年よりも上昇しています。

仕事の量や質、対人関係の悩みだけでなく、目まぐるしく変わっていく時代や状況に対応しなければならないなど、ビジネスパーソンは大きなストレスにさらされている状況です。変化していく環境にうまく対応していくための力=レジリエンスが個人だけでなく企業にも求められています。

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組織レジリエンスとは

組織レジリエンスとは、企業の評価指標の1つとなるものです。簡単にいえば、組織としての適応力を表すもので、企業の存在価値に直結するともいわれている非常に重要なポイントです。

組織を存続させ繫栄させるには、突然の状況・社会的な変化、リスクなどに対して対応できなければいけません。組織レジリエンスはこれらのリスクに対する対応能力を表します。さまざまなリスクが存在する現代では、柔軟に対応できる力が重要です。

レジリエンスが必要な人材や企業

レジリエンスが必要となる企業としては、変革が求められる業界や顧客のニーズ変化などが激しい業界が挙げられます。社会情勢などに対応するために、大きな組織改革や人事異動が必要になる企業も少なくありません。また、顧客の需要が変化し続けるような業界もあるでしょう。このような急激な変化に対して、企業として柔軟に対応できる力が求められます。

また、レジリエンスは特に、リーダーや役職付きの従業員などにとっては重要な要素だといわれています。リーダーなどは外部からの変化やストレス、責任や重圧などが重くのしかかるポジションです。そのため、外部からのストレスや変化などに負けずに対応できる力が重要です。

レジリエンスを高めるメリット

レジリエンスを高めることで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。レジリエンス向上によって得られるメリットは大きく分けて2つあります。以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

社会の変化に適応しやすくする

企業や組織内での変化はもちろんですが、ビジネス環境や市場全体をみた場合でも大きな変化が起こりやすい時代に突入しています。このような変化の激しい時代の中で、企業として存続し長期的に発展するためには、「リスク対策」と「労働環境改善」が重要です。

今後起こりうる問題やリスクに対して事前に対策をしておくことや、従業員の健康や働き方に配慮した労働環境の構築が求められますが、これらの実行には大きな変化が伴います。従業員個人がレジリエンスを高めておくことで、このような変化にも柔軟に対応できます。

従業員のストレス耐性向上につながる

日本人は、諸外国に比べると「自己肯定感」の低い人が多いといわれています。自己肯定感とは自分自身に満足していることや自分の意志や決定を尊重できることなどです。自己肯定感が低いと、自分の強みなどに目がいかない、失敗などを引きずりやすいなど、ストレスをためやすくなります。

業務の量や質、人間関係などのストレスで精神的な疲労がたまり、うつ病などが発症してしまうケースも少なくありません。レジリエンスを高めれば、ストレスと感じても回復でき、長期的に働き続けられるようになります。

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従業員がレジリエンスを高める効果

従業員がレジリエンスを高める効果としては、以下のような点が挙げられます。

・集中力やパフォーマンスの向上が期待できる

・ストレスを糧にして成長できる

・ネガティブな状況に対しても、柔軟に対応ができる

レジリエンスが高まればさまざまな事柄に適切な対応ができるため、パフォーマンスの向上も期待できるでしょう。また、ストレスに立ち向かうことで成長につながる可能性もあります。

レジリエンスを高める6つの要素

レジリエンスを高めるためには6つの要素を意識することが重要です。重要な要素としては「自己認識」「自制心」「自己効力感」「楽観性」「精神的柔軟性」「人とのつながり」が挙げられます。ここでは、それぞれの要素について解説します。

自己認識

自己認識とは、自分自身の強みや弱み、感情や思考のパターンなどを認識することです。また、人生における目標や価値観などをしっかりと認識することも重要です。強いストレスや困難な状況に陥った場合、自分を見失っていては適切な対応が取れません。自分自身を正しく認識して行動することが、状況に立ち向かって立ち直るための重要な一歩です。

自制心

自制心とは、状況や環境に応じて、自分自身の感情や思考などを制御することを指します。自己を正しく認識できても、感情のままに行動したのでは意味がありません。自分の思考パターンなどを認識した後は、自らの感情や行動を律してその場にあった適切な行動を起こすことが重要です。セルフコントロール力と呼ばれるケースもあります。

自己効力感

自己効力感とは、簡単にいえば「自分ならできる」という自信を持つことです。自己効力感がない場合、「うまくいかないかもしれない」「失敗するかも」とひるんでしまって、行動に移せないケースも少なくありません。しかし、自己効力感があれば逆境や困難な状況に直面しても、ひるまずに勇気を持って行動を起こせるようになります。

楽観性

楽観性というと、「何とかなる」といった楽観的思考を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、楽観性とは単なる楽観的な思考のことではありません。「自分には未来をよりよくすることができる」という確信を持つことが、楽観性です。楽観性があればストレスを受けた際に、自分が成長するために必要な試練だと捉えられるようになり、立ち向かう力が生まれます。

精神的柔軟性

精神的柔軟性とは、何らかの問題や課題に直面したときに、物事を広い視点で捉えて冷静に対処できる力のことです。困難な状況に陥った場合、感情的になったり慌ててしまったりすると、適切な対応ができません。精神的柔軟性があれば、客観的に物事を把握して対応策を講じたり行動を起こせたりできるため、ビジネスにおいては特に重要な要素です。

人とのつながり

レジリエンスを高めるためには、内面的な要素だけでなく外部的な要素である人とのつながりを構築しておくことも重要です。いざという場面でサポートしてくれる仲間を作っておくことや、良好な人間関係を構築することが求められます。人とのつながりを大事にすれば、問題が起こったときに協力してもらえます。よい人間関係を構築する力は、レジリエンスの高い人が持っている重要な要素です。

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レジリエンスの強い企業を作るには

レジリエンスの強い企業を作るためには、「企業の独自性やブランド力を高める」「シナリオプランニングをする」「変化への適応力を高める」という3つのポイントを意識しましょう。ここでは、各ポイントについて詳しく解説します。

企業の独自性やブランド力を高める

レジリエンスを発揮して企業として長く存続していくためには、「独自性」や「ブランド力」の向上が必要だといわれています。他社と差別化されたオリジナリティやブランド力があれば、環境や市場の変化に対応しやすくなります。ブランド力などを高めていくことだけでなく、時代やニーズの変化に柔軟に対応することを意識すれば、自然とレジリエンスも高まります。

シナリオプランニングをする

シナリオプランニングとは、経営戦略手法の1種です。シナリオプランニングでは、「長期的かつ広い視野で物事を捉える」、「将来的に起こるかもしれない出来事を想定して対策をとっておく」という2つのポイントからなる手法です。視野を広く持ち、さまざまなリスクに対応できる対策を講じておくことで、レジリエンスの強化につながります。

変化への適応力を高める

目まぐるしく状況が変わり、社会環境や経済環境が激しく変化している時代です。そのような中で、企業が今と同じ状態で生き残り続けることは不可能だと考えられています。シェル社による「企業生命力」という本のなかでも「変化に柔軟に対応し周囲の環境に適応していける組織が生き残れる」と述べられているように、適応力を高めることが重要です。

企業のレジリエンスではセキュリティ対策も重要

企業におけるレジリエンスは、事業継続性を表すBCPやリスクマネジメントといった言葉でも表現されます。企業が想定外のリスクや災害などにあった場合には、その状況から再起してさらに飛躍できるかどうかがその先の命運を分けます。

企業に起こり得るリスクとしては、「セキュリティ問題」が挙げられるでしょう。IT分野は日々進化・発展を続けセキュリティリスクも高まっているため、自社のシステムやビジネスを守るためにはセキュリティ対策をしておくことが重要です。

KDDI まとめてオフィスではセキュリティ強化に役立つさまざまなサービスを展開しています。

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まとめ

レジリエンスとは、回復力や復元力などを表す言葉で、ビジネスにおいては個人・企業問わずに重要な要素だといわれています。企業におけるレジリエンスでは、セキュリティ対策をしっかりと行うことが重要です。

KDDI まとめてオフィスでは、通信・端末・ITソリューションをメインとして、KDDIの高品質で安全性の高いサービスをそのままに提供しています。また、オフィスに必要な備品・オフィス移転・リニューアル・災害用品まで、業務に必要なあらゆるソリューションの提供も可能です。レジリエンスの強化を目指すのなら、ぜひ一度ご相談ください。

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