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内線電話とは?内線番号の調べ方・かける際のマナーも解説

内線電話とは?内線番号の調べ方・かける際のマナーも解説

2023年12月19日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

内線電話とは?内線番号の調べ方・かける際のマナーも解説

専用線を介し、従業員同士で通話できる内線電話は、一般企業やホテル、さらに医療機関や介護施設など幅広い場面で活用されています。しかし、内線電話を使ったことがないという方は、内線電話の仕組みやかけ方が分からず、迷ってしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、内線電話の概要・メリット・主な機能といった基礎知識から、内線電話のかけ方・かける際のマナーまで徹底解説します。自社に内線電話を取り入れたいと考えている企業経営者の方や、内線電話を使いこなせるようになりたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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1. 内線電話とは?

内線電話 専用線やPBXを用いて音声通話できる電話

内線電話とは、専用線やPBX(構内交換機)を用いて音声通話できる電話のことです。略称して「内線」と呼ばれ、一般企業やホテル・工場、さらに病院、福祉施設など幅広い業界で活用されています。

かつての内線電話は主に組織内のみでしか使用できない製品も数多くありました。しかし、デジタル機器が進化し製品の機能性が高まったことによって、現在では内線電話機でも外線電話を受け取れるようになっています。

例えば、企業で導入されるビジネスフォンは主装置によって内線と外線をつないでおり、内線電話と外線電話を両方利用できます。ビジネスフォンや主装置の仕組みについては、下記記事でさらに詳しく解説しています。

また、規模の大きな会社は、数千台まで電話機を接続できるPBXを導入するとよいでしょう。複数の拠点や、スマホでも内線を利用できるなど、大規模な環境下での導入により適しています。

1-1. 内線電話の特徴

内線電話の主な特徴は、下記のとおりです。

●通話料金が発生しない

内線電話は、外線電話で用いられる公衆電話網を使用しません。そのため、社内であれば別部門・別フロアにいる社員とどれだけ長く内線通話をしても料金は発生しないことが特徴です。

●台数ごとに内線番号(電話番号)が振り分けられる

内線電話は、内線番号と呼ばれる電話番号が台数ごとに振り分けられます。ただし、内線番号が異なっても電話機同士は内線でつながっていることから、ある電話機で受信した内線・外線を同じ回線の他の電話機に転送することもできます。

1-2. 通常の電話と内線電話の違い

通常の外線電話と内線電話は、離れた場所にいる人と通話ができる点が共通していますが、その他の部分にはいくつかの違いがあります。

外線電話 内線電話
公衆電話網 使用する 使用しない
電話番号 1回線につき1つの固定電話番号 電話機につき1つの内線番号
対応できる通話数 1回線につき1通話 通話中でも別の内線機で外線を受けることが可能

内線電話は外線電話で用いられる公衆電話網を使用しない点や、1回線に1つの固定電話番号が振り分けられる外線電話と違って、電話機ごとに内線番号が振り分けられる点も大きな違いと言えるでしょう。

加えて、通常の外線電話は1つの通信回線につき1通話が大原則となっています。電話機自体は複数台設置できるものの、かかってきた電話に対応できるのは1台のみであるほか、通話中は他の着信を受けられません。

一方で、内線電話はたとえ1台の電話機が通話中であっても、外から電話がかかってきた際に着信を受けられ、別の電話機で対応することが可能です。また、内線電話機は内線用ボタンが多く取り付けられているため、通常の外線電話機と比べて見た目が大きく変わる点も主な相違点となります。

1-3. 内線電話の仕組み

内線電話は、PBXという通話の受発信を制御する装置を設置し、各電話機に接続された内線用の電話回線をつなぐことで、内線・外線通話が行えるという仕組みになっています。

PBXは内線電話網の構築に不可欠なものであり、内線・外線の切り替えをする役割も果たしています。

かつてはオンプレミス型PBXが主流でしたが、近年ではクラウドPBXが主流となりつつあります。オンプレミス型PBXは自社内に物理的な設備・装置を設置するのに対し、クラウドPBXはクラウドサーバーを介した通信を行うため、物理的な内線網が必要ありません。

1-4. 内線番号の桁数

内線番号の桁数は、2~5桁で構成されることが基本です。企業やオフィスの規模で変動するものの、外線電話のように長くはありません。

社員同士のコミュニケーションが頻繁に行われる職場は、1日に何度も内線電話を使用します。桁数が短ければそれだけ番号を押す手間を省けるため、業務の無駄を少なからず省くことが可能です。

また、内線電話番号がフロアごとに統一されていなかったり乱雑だったりすると、見栄えが悪くなるほか、覚えにくいことによって作業効率が低下するおそれもあります。桁数を設定するときはなるべくフロアごとに統一したり、後々の追加・変更を想定して、対応しやすいよう設定したりすることがポイントです。

2. 内線電話のメリット

内線電話を導入することで、下記のようなメリットを受けられます。

内線電話の主なメリット
  • 内線同士なら無料で通話できる
  • 離れた場所にいる担当者に電話を取り次げる
  • さまざまな便利な機能を使える

ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

2-1. 内線同士なら無料で通話できる

前述のとおり、内線電話は内線電話網を使用するため、たとえ「1階フロアと5階フロア」などと離れた位置にいる社員間の通話であっても、内線電話同士であればどれほど通話をしても料金はかかりません。

また、これまで社用携帯や通常の外線電話機を用いて社員同士の通話をしていた企業の場合、電話料金を大幅に削減できます。部署やフロアが離れている大規模オフィスや、社員同士のコミュニケーションが頻繁に行われる職場にとっては、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

2-2. 離れた場所にいる担当者に電話を取り次げる

外部からかかってきた電話を、離れた場所にいる担当者に取り次げる点は、内線電話の最大のメリットと言っても過言ではありません。

外部からの着信がある職場であれば、担当者が近くにいないタイミングでその担当者宛ての着信を受けることもあるでしょう。1つの回線に複数の番号をもつ内線電話であれば、こうした電話でも離れた場所にいる担当者の電話機に転送し、簡単に取り次ぐことが可能です。特に、会社代表番号への着信はどのデスクで受けるかが分からないため、社内どこでも電話を取り次げる内線電話は非常に重要となります。

担当者に電話を取り次ぐ際は、外線を一旦保留にして2~5桁の内線番号を押すだけという簡単な操作で済みます。異なるフロア・部署間での迅速な連携を実現でき、業務の大幅な効率化にもつながるでしょう。

2-3. さまざまな便利な機能を使える

内線同士であれば無料で通話できる点・離れた場所にいる担当者に電話を取り次げる点は、小規模オフィスにとってさほど大きな利便性に感じられないでしょう。

しかし、内線電話は内線環境があるからこその便利な機能が豊富に備わっています。受付に内線電話を置き受付電話として使ったり、保留転送機能を活用したりすれば、たとえ小規模オフィスであっても、その恩恵は大きく得られるでしょう。

3. 内線電話の主な機能

内線電話ならではの代表的な機能には、下記のようなものが挙げられます。

内線電話の代表的な機能
  • 内線ワンタッチ発信
  • ページング
  • 保留転送
  • ドアホン
  • 内線グループ呼出

ここからは、それぞれの内線機能について詳しく説明します。

3-1. 内線ワンタッチ発信

内線ワンタッチ発信とは、ボタン1つで電話機能を使える機能です。「ワンタッチダイヤル」とも呼ばれます。

あらかじめファンクションボタンによくかける電話番号や特番を登録・設定しておくことによって、ワンタッチで発信できます。特定の社員・担当者への連絡をよくするという場合は、ダイヤルの手間を大幅に省けるでしょう。

また、内線ワンタッチ発信機能では、電話番号だけでなくフッキング信号やポーズといった機能を登録することも可能です。

3-2. ページング

ページングとは、構内放送を行える機能です。この機能を活用すれば、広いフロア内や店舗内で「〇〇さん、□番にお電話です。」といった音声放送を電話から流して、離れた場所にいる担当者を呼び出せます。

主装置から出した音をスピーカーで流すため、ページング機能を利用するためには放送用のアンプ・スピーカーといった設備が必要となることも覚えておきましょう。

3-3. 保留転送

保留転送とは、通話を保留したあとに別の社員の電話機に電話を転送できる機能です。離れた場所にいる担当者に電話を取り次ぐ際に使用します。

保留ボタンを押してから別の担当者に電話を取り次ぐ間、電話の相手には保留音のみが流れることとなります。なお、保留転送後の電話の取り次ぎ方法は外線ボタンがある場合とない場合とでやや異なることに注意が必要です。

外線ボタンがある場合は、最初に電話を受けた社員が保留ボタンを押したのち、取り次ぎの担当者が自身の電話機外線ボタンを押して電話に出れば転送完了です。外線ボタンがない場合は最初に電話を受けた社員が保留ボタンを押したのち、取り次ぎの社員に内線で要件を伝えて受話器を置いたあとに、取り次ぎの担当者に外線が自動的に転送されます。

3-4. ドアホン

内線電話におけるドアホン機能とは、主装置とドアホン(インターホン)を接続することによって、電話機でドアホンを押した来客者の対応ができるという機能です。

ドアホン機能を活用して電話機とドアホンを連携させれば、電話機のボタン1つで電子錠を解錠できるため、来客のたびに玄関まで足を運ぶ必要がありません。

また、転送機能を使えば携帯電話にも転送できるため、会社・事務所の不在時に来客があっても受付電話で即座に対応できるようになります。

3-5. 内線グループ呼出

内線グループ呼出とは、内線グループとして登録したすべての内線を同時に呼び出せる機能です。

内線グループ呼出によって着信のある内線電話のうち、どれか1台が受話器を上げて応答すれば内線着信が終了します。「内線グループに所属する社員の誰かと連絡をとりたい」というときには非常に便利な機能と言えます。

また、内線グループ呼出は何台でも登録できるわけではありません。PBXやビジネスフォンによって、8台・16台・32台などと登録数の上限が定められています。そのため、部署やフロア、階ごとにグループを分けることがおすすめです。

4. 内線電話をかける際の内線番号の調べ方

個人内線番号が分からない時は 電子電話帳に登録された内線番号一覧を確認する

「特定の社員に内線電話をかけたいものの、個人内線番号が分からない」という場合の最も手っ取り早い調べ方は、電子電話帳に登録された内線番号一覧を確認するという方法です。しかし、電話機に登録された内線番号一覧が必ずしも正確とは限りません。場合によっては、内線番号の登録・管理漏れが生じている可能性もあるためです。

電話機に登録された内線番号一覧を見ても正しい内線番号が分からなかった場合は、社内ネットワークで内線番号の記載されたリストを確認したり、近くにいる上司や他の社員に聞いたりするとよいでしょう。また、忘れないように自分用の番号メモをとったり、番号が判明次第すぐに電話帳へ新規登録したりするなど、何らかの対策も必要です。

5. 内線電話のかけ方

内線電話は家庭でも使用される通常の外線電話機と見た目や機能性が大きく異なるため、「どうやって電話をかけたらいいのか分からない」と悩む方も多くいるでしょう。

また、社内の内線電話と社外の内線電話とで電話のかけ方が異なる点も、頭を悩ませるポイントです。ここからは、内線電話のかけ方を、社内・社外とに分けて詳しく紹介します。

5-1. 社内の内線電話にかける方法

社内の固定電話機から内線番号に電話をかけるときは、内線回線に切り替えるためにも必ず内線ボタンを先に押さなければなりません。内線電話機であっても、基本的に固定電話はデフォルトで外線につながる仕様となっているためです。内線ボタンを押し忘れた場合は、正しい番号を押していたとしても内線発信されません。

また、電話機によっては受話器をとった瞬間から外線につながるものもあります。こうしたシステムをもつ電話機の場合は、受話器を上げる前に内線ボタンを押すようにしましょう。

このように、電話機によっても設定は細かに異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

5-2. 社外の内線電話にかける方法

社内の固定電話機から社外の内線番号に電話をかけるときは、直通電話になっているかどうかで方法が異なります。

直通電話の場合は、受話器をとった状態でそのまま内線番号を押して発信します。先に内線ボタンを押すなどといった特別な行為は必要ありません。

対して、直通電話になっていない場合は「会社の代表電話番号+内線番号」を押して発信します。場合によっては、代表電話番号と内線番号の間に何らかのポーズコマンドが必要となるケースもあります。

5-3. スマートフォンから内線電話にかける方法

外出先・出張先でスマートフォンから内線番号に電話をかけたい場合は、「会社の代表電話番号+*(アスタリスク)+内線番号」を順に入力する必要があります。

「*」は多くの方にとって使い慣れないボタンではあるものの、入力しなければ正しく内線呼び出しができないため、忘れないよう注意してください。

また、細かなやり方は機種によっても異なります。例えばiPhoneの場合、会社の代表番号を入力してから「*」を長押しします。画面内の番号末尾に「,(コンマ)」が表示されたのを確認してから、内線番号を入力し通話ボタンを押すと発信できます。

6. 内線電話をかける際のマナー

業務時間外を避ける メモを用意する 部署と名前を名乗る 簡潔に用件を伝える

内線電話は、一般企業をはじめとしたあらゆる職場に導入されています。社員との電話によるコミュニケーションの簡略化を図れる便利なツールではあるものの、ほとんどの企業で内線電話をかける際のルールや常識とされているマナーがあるため、あらかじめ理解しておきましょう。

最後に、内線電話をかける際の基本マナーを4つ紹介します。

6-1. 業務時間外を避ける

社内の人間に内線電話をかける際は、できる限り業務時間外を避けましょう。基本的に、内線電話に限らず業務時間外に業務連絡をするのは好まれません。

特に、着信時に番号のみが表示される内線電話は、「緊急連絡かもしれない」「何らかのトラブルが発生したかもしれない」と考えてすぐに電話をとるケースも多いでしょう。万が一内線電話をかけた相手がすでに退勤していた場合、知らず知らずのうちにサービス残業をさせてしまうことになりかねません。

業務時間が終了したあとに用件を思い出しても、翌日以降での連絡でも問題ないのであれば内線電話を控えて翌日に伝えるか、相手に通知のいかない形でチャットを送信しておくことをおすすめします。

6-2. メモを用意する

内線電話をかけたり、外部からの電話に対応したりするときには、必ずメモを用意しておきましょう。

何らかの用件があって社員に内線電話をかけるときは、用件をまとめたメモを準備することがおすすめです。伝えたい内容を見える化することによって、漏れなく端的に伝えられるほか、何を伝えたかの記録にもなります。

また、外部から別の担当者宛てに電話がかかってきた場合は、内線でスムーズに担当者に取り次ぐためにも、相手の会社名や名前をメモにとっておきましょう。

このようにメモは、あらゆる電話シーンで活躍します。毎回の電話対応できちんとメモを準備・活用する姿は、会社からの高い評価にもつながるでしょう。

逆に何度も相手の会社名や名前を聞き直すなどの行為は、心象を悪くする可能性もあるため、注意が必要です。

6-3. 自分の部署と名前を名乗る

社内の内線番号に電話をかける際、まず自分の部署と名前を名乗ることは基本中の基本と言えるマナーです。また、部署と名前を伝える際には「おはようございます」や「お疲れ様です」など、ひとこと挨拶を添えましょう。

たとえ社内の電話であっても部署名と氏名を真っ先に伝える習慣をつけておくことで、社内での印象が良くなるだけでなく、外線電話をかけるときにも役立ちます。

6-4. 簡潔に用件を伝える

社内でのコミュニケーションは、内線電話のほかチャットやメールなどさまざまな手段があります。チャットやメールによる連絡はその他の業務と同時に行える一方で、メモ書きが必要となるケースの多い電話業務は、その他業務の手が止まることも多々あるでしょう。

用件を長々と伝えると、それだけ相手の業務を邪魔することとなります。そのため、内線電話をかける際は用件を簡潔に伝えることが重要です。

用件を簡潔に伝えるためには、「結論→理由→根拠・詳細」の順に話すことがコツとなります。結論から伝えることで相手も困惑しづらく、スマートに用件をまとめられるでしょう。

まとめ

内線電話とは、専用線や「PBX」と呼ばれる構内交換機を用いて通信・通話できる電話のことです。通常の外線電話と違って内線電話網を使用しており、1回線につき複数の番号をもてることが特徴となっています。内線同士の通話料金は無料であり、業務効率化に大きく寄与することから、あらゆる規模・業界で活用されています。

また、内線電話にはページングやドアホン、内線グループ呼出といった便利な機能が豊富に備わっており、小規模オフィスであっても業務効率化・コスト削減が期待できるでしょう。

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