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電子帳簿保存法に活用できる補助金|適用対象や申請方法なども解説

電子帳簿保存法に活用できる補助金|適用対象や申請方法なども解説

2023年02月02日掲載(2023年11月06日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

電子 帳簿 保存 法 補助 金

2022年1月に電子帳簿保存法が大幅に改正されました。この改正により企業は、IT技術の導入が避けられない状況となっています。経済産業省は、企業がIT技術を導入することに対して、IT導入補助金を整備しました。今回は、電子帳簿保存法に適用するIT導入補助金について、概要や種類、対象などを解説します。自社での電子帳簿保存法対応に役立ててください。

★KDDI まとめてオフィスはIT導入補助金の登録ベンダーではありません。補助金申請のご依頼についてはお受け付けいたしかねます。ご注意ください。
 参考:導入支援事業者はこちら ー IT導入補助金2022(2022年11月22日時点)

目次

DX実現に向けたデジタル化の実現なら、KDDI まとめてオフィスにご相談ください

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、電磁的記録等による保存を容認するものです。2024年1月には、電子的に取引した情報はすべて、電磁的記録等のデータのままで保存することが定められています。

これまでは、各税法で保存が義務付けられている帳簿や書類については、原則として紙で保存が義務付けられていました。一定の条件を満たした場合には、電磁的記録による保存が可能となっています。現実的には、IT化やデジタル化が急速に普及しているため、2024年1月以降は紙ベースでの保存が難しい状況です。

IT導入補助金とは

IT導入補助金は、企業や団体に対して、業務の効率化や生産性の向上などを目的としたITツールの導入を促すための制度です。企業や団体がITツールを導入する際に、要した費用の一部を補助します。経済産業省が所管しており、2022年分をあわせて、6回実施されました。現在では、過去にIT導入補助金が交付された企業であっても、再申請が可能となっています。

対象は、サービス等生産性向上IT導入支援事業の事務局に登録されているIT導入支援事業者が、事前に事務局から認定を受けたITツールです。IT導入補助金の交付を受けるためには、 あらかじめ定められた流れにしたがって申請を行い、審査に合格した場合となります。

2022年度の変更点

2022年度のIT導入補助金と、これまでのIT導入補助金とは違いがあります。2022年度のIT導入補助金は、2022年度の電子帳簿保存法の改正、2023年10月に実施されるインボイス制度施行を見据えた内容です。2022年度のIT導入補助金には、「デジタル化基盤導入類型※1」と「複数社連携IT導入類型※2」「セキュリティ対策推進枠」の3つが新設されています。

IT導入補助金の予算も、中小企業生産性革命推進事業の中に組み込まれて成立しました。2022年(令和4年)第2次補正予算では、通常枠A型の補助額下限を引き下げる、補助対象ソフトウェア利用料等の補助期間を長期化する、デジタル化基盤導入類型のうち、会計・受発注ソフト等の補助額下限を撤廃するといった変更点もありました。補助率はそれぞれの枠のなかで細分化されており、補助額の上限設定がなされています。詳しくは、参考にあるリンクからご確認ください。

※1 2023年2月16日(木)17:00 19次締切(最終締切)
※2 公募終了(2022年11月30日時点)
参考:IT導入補助金-中小企業庁(令和4年12月時点版)

IT導入補助金の適用対象事業者・対象外事業者

IT導入補助金には、適用対象事業者と適用対象外事業者があります。ここでは、その詳細を紹介します。

補助対象となる事業者(A・B類型)

IT導入補助金の対象事業者は、原則として中小企業・小規模事業者等です。対象者を次の表にまとめていますので、自社が対象であるかの参考にしてください。

【補助対象となる事業者:通常枠(A・B類型)】

業種や組織形態

資本金

従業員数

資本金や従業員規模が右記以の場合が対象

造業・建設業・運輸業

3億円

300人

卸売業

1億円

100人

サービス業(情報処理やソフトウェア業・旅館業を除く)

5,000万円

100人

小売業

5,000万円

50人

ゴム製品製造業

3億円

900人

ソフトウェア業や情報処理サービス業

3億円

300人

旅館業

5,000万円

200人

その他の業種

3億円

300人

【IT導入補助金の要件】
・上記の表で記されている中小企業や小規模事業者などである
・交付申請時点において日本国内で事業を行っている
・交付申請直近の月において最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上である
・gBizIDプライムを取得している
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行う

参考:補助対象について | 中小企業・小規模事業者のみなさま | IT導入補助金

対象外となる事業者

IT導入補助金の対象者は中小企業・小規模事業者であり、大企業などは対象外の事業者です。しかし、中小企業・小規模事業者であっても、次のいずれかに該当すればIT導入補助金の対象外となります。

【中小企業・小規模事業者であるが対象外となる事業者】
・発行済株式の総数か出資総額の1/2以上を同じ大企業が所有
・発行済株式の総数か出資総額の2/3以上を大企業が所有
・役員の1/2以上が大企業の役員または職員を兼任している

対象外となる事業者の条件のうち代表的なものを3点あげましたが、他にも対象外となるケースがあるため詳細は以下のサイトを参考にしてください。

参考:補助対象について | 中小企業・小規模事業者のみなさま | IT導入補助金

電子帳簿保存法に有効なIT導入補助金の種類

前述しましたが、2002年度のIT導入補助金は、改正電子帳簿保存法やインボイス制度に対応できるようにするため、3つのIT導入補助金を新設しました。1つ目にデジタル化基盤導入類型、2つ目に複数社連携IT導入類型、3つ目にセキュリティ対策推進枠です。電子帳簿保存法への対応は、この3つの補助金が適しています。2つ目に記載した「複数社連携IT導入類型」については20221130日時点で受け付けを締め切っていることから、ここでは「デジタル化基盤導入類型」「セキュリティ対策推進枠」についてのみ解説します。

デジタル化基盤導入類型

デジタル化基盤導入類型は、企業間のデジタル化を一気に推進することが目的です。主に、改正電子帳簿保存法やインボイス制度施行への対応に向けた補助金であるため、改正電子帳簿保存法の対応に適しています。
通常枠との併用も可能ため、こちらを利用することでバックオフィスのDX化をまとめて実現できるかもしれません。対象となるのは、ECソフトや会計ソフトなどソフトウェア購入費やハードウェア購入費などです。

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠は、IT導入と直接的な関係があるものではありませんが、IT導入に際して重要となるセキュリティ対策で活用できる補助になります。

2022年89日から、セキュリティ対策推進枠が新設されました。これは、独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)が公表しているサイバーセキュリティお助け隊のサービス利用料が支援されるというもので、支援期間は最長で2年間となります。補助額は5万円~10万円の範囲で補助率は1/2以内と定められています。

企業のIT化を推進するうえで、社内への不正アクセスや、ランサムウェアなどといったサイバー攻撃の脅威は、避けて通ることができません。対策を講じなかった場合、企業の信用失墜や多額の賠償金支払い、最悪のケース、企業存続自体が危ぶまれます。補助が受けられるタイミングで、セキュリティの対策を講じることをおすすめします。

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IT導入補助金の申請方法

IT導入補助金の申請には手順がありす。間違えてしまうと、IT技術を導入しても補助金が交付されない場合があるため、ここで解説します。

1. IT導入補助金への理解を深める

IT導入補助金を申請するためには、公募要領を熟読し、IT導入補助金の目的や概要などを理解することが大切です。公募要領の中から、自社や自分が属する団体のIT化に適したものを選んで申請しましょう。電子帳簿保存法に適した公募要領について、以下のリンクからご確認いただけます。

参考:IT導入補助2022 通常枠A・B類型
参考:
IT導入補助2022 デジタル化基盤導入枠

2.課題解決ソリューションの選定

企業を取り巻く環境は年々変化しています。社内システムも変化に対応できるように、更新しなければなりません。既存システムで対応できない場合は、新たなシステムを導入したり、ハードウェアを購入したりする必要があります。自社のリソースを把握し、課題を明確にすることは、課題解決のためのソリューションを選定するために必要です。

3. IT導入支援事業者を選定しITツールを選ぶ

IT導入補助金の交付申請を行うためには事前準備が必要です。まずは、自社の課題克服に適したIT導入支援事業者を選ばなければなりません。その後、IT導入支援事業者とともに、課題改善のためにITツールを選びます。

4. 「gBizIDプライム」アカウントを取得し「SECURITY ACTION」を実施

IT導入補助金申請の準備の1つとして、「gBizIDプライム」のアカウントが必要です。gBizIDプライムのアカウントがない場合は、以下に記載している「gBizIDプライム」リンク先にてアカウントを取得しましょう。次に、「SECURITY ACTION」の宣言を行います。情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度であり、「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」を宣言する事も要件の1つとなっています。

参考gBizIDプライム
参考:SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言

5. 交付申請を行う

事前準備が整ったら、IT導入補助金の交付申請の事業計画を策定ましょう。その後は、次の流れで交付申請を行います。

【交付申請の流れ】
・IT導入支援事業者から申請マイページの招待を受ける
・代表者氏名など申請基本情報を入力
・交付申請に必要な情報を入力し書類を添付する
・IT導入支援事業者が導入するITツールの情報や事業計画値を入力
・申請マイページで入力内容の確認
・申請に対する宣誓を行い事務局へ提出

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IT導入補助金申請後の流れ

IT導入補助金の申請が完了したら交付に向けてITツールを発注したり、報告したりする必要があります。ここでは、申請完了後の流れについて解説します。

1. ITツールの発注・契約・支払いを行う

IT導入補助金の交付申請が完了、事務局から「交付決定」の連絡届くまで待たなければなりません。必ず、交付決定の連絡を受けてから、ITツールを発注契約し費用を支払います。交付決定の連絡が届く前に、ITツールを発注したり契約したりした場合は、IT導入補助金交付を受けられなくなるため注意が必要です。

2. 事業実績報告を行う

ITツールの発注や支払いなどが終ったら、実際にITツールを購入したことが分かる証憑を提出する必要があります。申請マイページから事業実績報告を作成するために、必要な情報および証憑の添付を行いましょう。事業実績報告作成後は、IT導入支援事業者が内容を確認し、必要情報を入力します。最終確認し、事務局に事業実績報告を提出してください。

3. 補助金交付手続き進める

次に補助金交付の手続きを進めていきます。事業実績報告が完了すれば、補助金額が確定しますので、申請マイページで確認しましょう。内容を確認し間違いがなければ、補助金が交付されます。

4. 事業実施効果報告を行う

IT導入補助金交付後は、定められた期限内に申請マイページにより、必要な情報を入力し報告を行います。IT導入支援事業者の確認を経て、提出しましょう。

IT導入補助金の交付申請に必要な書類

IT導入補助金の申請には必要な書類があり法人の場合と個人事業主の場合で必要となる書類が異なります。それぞれに必要な書類以下に記載しますので、参考にしてください

【法人が必要な書類】
・履歴事項全部証明書
・法人税の納税証明書(その1またはその2)
※注意事項:直近分のものに限る、税務署の窓口にて発行されたものに限る

【個人事業主が必要な書類】
・運転免許証または運転経歴証明書または住民票
・所得税の納税証明書(その1またはその2)
・所得税確定申告書B

まとめ

電子帳簿保存法が2022年1月に改正されました。インボイス制度も2023年10月に施行される予定です。企業のIT化は、まったなしの状況となりつつあります。IT技術やデジタル化によるDXの実現は、企業が存続するための重要な要素です。行政も企業のIT化の推進を後押しするために、IT導入補助金などの施策を講じました。

2022年度のIT導入補助金制度は、中小企業・小規模事業者が、改正電子帳簿保存法に対応できるようなサポート内容となっています。制度をうまく活用しながら、自社のIT化を推進していきましょう。

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