電話もクラウドの時代に。資産を持たず必要な分だけ使う
近年、固定電話の利用時間は大幅に減少しています。総務省の調査[1]によれば、2013年には881百万時間だった通話時間が、2022年には235百万時間へと約75%減少しました。一方で、IP電話や携帯電話の利用は横ばいが続いています。このことから、チャットツールやオンライン会議ツールが普及しても、電話によるコミュニケーションの需要は依然として一定数存在すると考えられます。
[1] 総務省(令和4年度 通信量からみた我が国の音声通信利用状況 / 平成 29 年度 通信量からみた我が国の音声通信利用状況)
PBXの更新時にクラウドPBXを選択する動きが加速
オフィスに設置されているオンプレミスPBX(構内交換機)は、保守期間の終了や耐用年数の超過により、更新が必要となります。その際に、クラウドPBXを検討し、メリットを鑑み導入を進める企業が増えています。
SaaS(Software as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)など、これまで自社で保有していたシステムやインフラをクラウドに移行し、必要な分だけ利用する形態が一般化しています。この流れは、ビジネスフォンやPBXにも広がっており、現在は多くの企業がクラウドPBXへの移行を検討しています。
クラウドPBXとは?メリットは?
クラウドPBXとは、クラウド上のサーバーを通じてPBXの機能を提供するサービスのことです。従来のオンプレミスPBXとは異なり、オフィス内に専用機器を設置したり、専用回線を敷設したりする必要がなく、インターネット回線を利用してWeb上で電話システムを完結できます。インターネット回線を活用する点ではIP-PBXと共通していますが、PBXを社内に設置するか、クラウド上のサービスとして利用するかが大きな違いです。
「柔軟な運用」「多様なデバイスで通話可能」「最新機能の活用」がクラウドPBXの主なメリット
柔軟な運用とコスト削減:
クラウドPBXでは、専用機器や専用回線が不要になるため、導入の初期コストを大幅に削減できます。また、PBX機器の購入・保守・資産管理が不要となるため、管理負担も軽減されます。さらに、オフィスの移転やレイアウト変更の際も、社内で簡単に設定変更ができるため、ベンダーに依頼する手間がなくなります。
さまざまなデバイスで通話が可能:
パソコン、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスで通話ができます。また、電話する場所も問わないため、外出先やリモートワーク環境でも「03」などの市外局番を利用した信頼性の高い通話ができる点は、企業にとって大きなメリットです。
最新機能の活用が可能:
クラウドPBXは、SaaSと同様に常に最新の機能が追加・更新されます。オンプレミスPBXのようにハードウェアの老朽化によって機能が陳腐化することがなく、必要に応じて柔軟に機能を拡張できます。
普及するクラウドPBX。金融業界や自治体、官公庁での導入も
以下のような企業には、クラウドPBXの導入が特に適しています。
- 初期コストや運用の負担を抑えたい企業
- 従業員数の変動や組織変更、レイアウト変更が頻繁にある企業
- 社内・社外を問わず、市外局番の番号で通話を行いたい企業
- テレワークやハイブリッドワークを導入し、電話対応のための出社をなくしたい企業
従来、クラウドPBXはスタートアップやIT企業を中心に導入が進んでいましたが、近年では物流、建築、医療・介護といった幅広い業界でも普及しています。さらに、通信品質の向上に伴い、金融業界や自治体、官公庁など、セキュリティ要件が厳しい組織でも導入が加速しています。
PBXの更新時には、クラウドPBXがより有力な選択肢となるでしょう。
KDDI まとめてオフィスのクラウドPBX導入支援
KDDI まとめてオフィスでは、クラウドPBXの導入に関する相談から運用まで、一貫したサポートを提供しています。Webex Calling、Cloud Calling for Microsoft Teams、Zoom Phoneの3つのクラウドPBXソリューションを提供しており、それぞれの特性を活かした最適な選択肢をご提案できます。
また、KDDIグループの強みを活かし、BCP(事業継続計画)対策として携帯回線と組み合わせた運用も可能です。万が一、災害やネットワーク障害が発生した場合でも、4G・LTE・5G回線や衛星通信を活用することで、継続的に通話環境を確保できます。
クラウドPBXの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
関連資料 | : | クラウドPBXの最新動向と導入メリット |
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