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オフィスのコスト削減は"夏"に差が出る! 電力消費の主役、エアコン対策とは

オフィスのコスト削減は"夏"に差が出る! 電力消費の主役、エアコン対策とは

2017年07月20日掲載(2023年11月08日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

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今年の夏も暑くなりそうな気配です。オフィスでのエアコンの使用の増加が見込まれる分、かさむ電力コストに悩んでいる企業も少なくないのではないでしょうか。

今回は、この季節だからこそ知りたい、"夏に差が出る"省エネ対策について全5回の連載コラムをお送りします。

今回は、夏の省エネ対策のカギを握る『空調』について、データをひもといてみましょう。

目次

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電力需要は『夏』は『春・秋』と比べ約1.5倍もの格差が発生

先日、気象庁は7月から9月までの3カ月予報を発表しました。7月は東日本と西日本で『ほぼ平年並み』、北日本は『平年並みか高く』、沖縄・奄美では『平年より高い』と予報。8月と9月は全国的に『平年より高い』との予報で、今年も厳しい暑さの夏になりそうです。

暑ければ暑いほど、需要が伸びるのがエアコンです。では、夏期のエアコンは、どれくらい電力を消費しているのでしょうか。電気事業連合会が発行する電気事業のデータベース『INFOBASE 2016』によると、月別の最大電力の推移は以下のようになっています。

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昭和42年度は、一年を通じてほぼフラットでした。グラフは年を重ねるにつれて夏場に大きな山が生じ、今では夏と春・秋を比べると電力需要に約1.5倍もの格差がある現状となっています。

2014年の夏は、気温が 1℃上昇するごとに最大電力が約395万kW増加したとのこと。石炭による火力発電所(モデルプラント)の出力規模が平均80~90万kWであることと比べると、その規模がわかると思います。

こうした変化は、エアコン需要の増加と比例しています。昭和40年代に登場したエアコンは、50年代に入って急速に普及。『1家・1オフィスに1台』が当たり前になってからも需要は伸び、現在は部屋ごとにエアコンがある"パーソナル・エアコン"の時代といえます。いまや夏の電力需要の主役は、フル稼働するエアコンにほかなりません。

ちなみに冬もエアコンを活用しますが、ガスを使う暖房器具などもあるため、グラフでも、夏ほど大きな山を描いていません。電力コストに大きな差がつくのは、やはり夏ということになります。

夏、オフィスビルの空調用電力は電力消費のほぼ半分に!

実際、夏期のピーク日には、どのように1日の電気が使われているのでしょう。まずはオフィスビルから、経済産業省公表の『夏季の節電メニュー(事業者の皆様)』を見てみましょう。

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日中に高い電力消費が続くことは予測できましたが、その内訳をみると、空調用電力が実に約48%とほぼ半分の割合を占めています。次いで照明が24%、パソコン、コピー機などのOA機器が16%。これらを合わせると電力消費の約88%となり、これらの分野における節電対策の重要性が改めてわかるデータとなっています。

また、空調の節電に関する基本アクションとして『オフィスの室内温度を28℃とする(または風通しなど室内環境に配慮しつつ、28℃より若干引き上げる)』ことが掲げられており、建物全体に対する節電効果は4%(+2℃の場合)としています。

ちなみに、業種ごとの夏期ピーク日の電力消費内訳は以下のようになっています。

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食品スーパーは冷凍・冷蔵設備にかかる電力が膨らむことで空調の割合はさほど大きくないものの、夏場は軒並み『空調』が最も大きな比率を占めていることがわかります。

その一方で、気になるのは電気料金です。『震災以降、電気料金が上がったな...』と感じている方も多いのではないでしょうか。実際にどれくらい上がったのかを示しているのが以下のグラフです。

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燃料価格の下落等に伴い、2015年度は緩やかに低下したものの、家庭向けの電気料金(電灯料金)の平均単価は約2割、工場・オフィスなどの産業向け電気料金(電力料金)の平均単価は約3割も上昇しています。

これほどまでに上昇している電気料金だからこそ、電力のコスト削減は企業にとって、もはや必須の課題といえます。さらに本格的な夏を迎える前の現在だからこそ、『空調』から手を打っていくことが有効であるといえるでしょう。

次回予告

経済産業省をはじめとした各行政団体も、先に挙げた空調の28℃設定やクールビズの奨励、さらには空調のフィルター清掃や、一定の時間をおいて稼働させる『間欠運転』(注1)を促すなど、さまざまなアクションの提案をしています。

しかし、実際にどれくらい効果があり、実践している企業はどれくらいあるのか、気になるところです。次回は、中小企業における省エネ対策の現状を探ってみたいと思います。

注1)間欠運転:機械を連続して稼働するのではなく、一定の時間をおいて稼働と停止を繰り返すこと。

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