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シックスシグマの簡単解説と実践方法

シックスシグマの方法論

シックスシグマの簡単解説と実践方法

2020年02月27日掲載(2023年11月02日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

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多くの世界企業に活用され、経営効率を高めてきたメソッド「シックスシグマ」。マスターブラックベルトの小倉 実さんが解説します...

着実に成果をあげられるメソッド

シックスシグマは、1980年代に日本製品の品質の高さに対抗し、それを超えるためにアメリカの有名機器メーカーが開発しました。シグマ(σ)とは統計学でいう標準偏差のことで、製品の何かしらの測定値のバラツキ度合いを示します。実際、商品を1000個製造した時にバラツキが生じたとすると、「±1σ」の中に全体の68.3%、「±2σ」の中には95.4%、「±3σ」の中には99.7%の商品が入ります。これを外れた商品をエラー(不良品)とすると、6σを基準とした場合、(実際の統計数値とは変えてありますが)100万個つくって3、4個しか出ない品質管理水準になります。

これを達成するメソッドがシックスシグマで、この考え方をアメリカの巨大電子機器メーカーが一般業務に適用し大きな成果をあげ、世界的に有名になりました。特徴は課題を「見える化」できる指標を見つけ関係者全員がそれを共有し、着実に改善していくことにあります。
具体的には下記のDMAICというステップを踏みます。

D:Define(定義):
顧客の声を集め、そこからシックスシグマで解決すべき優先順位の高い課題とその数値目標を決めます。
M:Measure(測定):
課題に関連しそうなデータを広く集めます。定性的なものも測定可能に変換すると扱いやすくなります。
A:Analyze:(分析):
上記のデータを分析し、課題と因果関係があり、扱いやすい(複数)の具体的な指標(データ)を見つけます。
I:Improve:(改善):
上記の指標を具体的に改善していきます。結果的にDで定義した課題も改善していきます。
C:Control:(管理):
課題が解決したことの確認と、そのあとに後戻りしないように教育や仕組みなどをつくります。

いかがでしょう?顧客の待ち時間、配送遅れ、などの課題があればきっと効果が得られると思います。

(注)マスターブラックベルト:文字通り、黒帯の上級者、指導者を育成する立場の人間のこと。


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小倉 実
プロフィール
早稲田大学大学院理工学研究科(修士)卒。総合電気メーカーでシステム開発や業務プロセスの効率化、シックスシグマ手法によるプロジェクト指導などを経て、米国シックスシグマアカデミーより、マスターブラックベルトの資格を授与されている。

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