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【後編】「まなびのミライ」セミナーイベント開催リポート~現場の視点からICT教育の目指すべき姿と教育改革を考える~

【後編】「まなびのミライ」セミナーイベント開催リポート
~現場の視点からICT教育の目指すべき姿と教育改革を考える~

2022年11月22日掲載(2023年10月31日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

KDDI まとめてオフィスが教育分野に取り組み始めて5年目になり、「地域を超えた学校同士で会話をする機会がほしい」「他校の事例を教えてほしい」といった声を多数いただいた。KDDI まとめてオフィスで何かできることはないか、と考え、2022年9月22日に「まなびのミライ~学校交流会~」を開催した。
学校行事の多い忙しい時期にもかかわらず、北は青森から、南は鹿児島まで全国各地より52校にご参加いただいた。

前編では「未来の教室プロジェクト」を推進された経済産業省 浅野大介様の特別講演の様子をお届けした。後編ではICT教育先進校である、福岡雙葉中学校・高等学校、東奥義塾中学校・高等学校の取り組みを中心に紹介していく。

前編はこちら→

目次

ICT教育のお悩みは、KDDI まとめてオフィスにご相談ください

ICT教育先進校の取り組み授業実践

実践1:ICTで変わる授業づくりの考え方 主体性と創造性を育む授業実践

福岡雙葉中学校・高等学校 ICT推進委員長 甲斐 恭平 教諭

<講演者プロフィール>
福岡雙葉中学校・高等学校 ICT推進委員長
甲斐 恭平 教諭

同校では観点別評価の導入にあたり、福岡市立西陵高等学校の吉本 悟 教諭を講師として招き、教員研修を行った。吉本教諭は、「主体的に学習に取り組む態度」など、定期試験の紙面だけでは測定できない観点について、意図的に評価機会を設ける授業づくりが重要であると強調されたという。そこで同校では、ICTを活用して生徒の評価観点を増やすことを目指した。甲斐教諭の受け持つ理科の授業では、各単元のまとめとして、「理科が苦手な人が得意になるようなわかりやすい動画」を生徒自身が作成し提出することで、紙面では見えなかった生徒の「創造性」の評価にチャレンジした。

「評価は生徒が頑張るための指針のため、評価基準は事前に提示することが重要です」と甲斐教諭は強調すると、溶解度と再結晶について実験を通してまとめた生徒の手による動画を紹介した。

教員の本質的な仕事は評価である、と考えた甲斐教諭は、「ICTの活用により、評価観点を多様化することができます。また、ICTにより評価のサイクルを速くすることで、生徒へのフィードバックの頻度を増やすことができます。『何を使ったか』ではなく『何のために使ったか』が重要です。」と語った。同校では、今年で3回目となる公開授業が、10月15日に開催された。企画から当日の運営まで、すべて生徒が主体で作り上げられた本イベントにぜひ注目したい。

実践2:「学校を巻き込むICT教育」

東奥義塾中学校・高等学校 教務部長 ICT教育推進委員会 委員長 福原 聖司 教諭

<講演者プロフィール>
東奥義塾中学校・高等学校
教務部長
ICT教育推進委員会 委員長
福原 聖司 教諭

同校では、生徒よりまず先に教員が慣れることが大事だ、という趣旨のもと2015年よりICT教育に取り組んでおり、デジタル化による先生方の負担軽減に取り組んできた。教員分、56台のタブレット端末をレンタルで導入したことにより、2016年からの1年間で一気に校務のデジタル化が進んだ。

授業支援のためにタブレットも導入しており、その詳しい経緯はKDDI まとめてオフィスのサイトでも紹介されている。

導入事例はこちら→

ここで福原教諭は、地元・弘前の魅力を再発見しようという企画を紹介した。それは、地域とグローバルの2つを意識した内容で、明確な答えを出すというよりは、実際のデータを紹介しながら長いスパンのスケジュールで実施している取り組みになる。

その実際の活動の様子を収めた写真スライドなども会場に紹介した福原教諭は、「ICTは使わないと意味がありませんが、使い方は人それぞれです。そこでまずは学校を巻き込んで、ICTを使っていく場面を作ることが大事ではないでしょうか」と問いかけてセッションを締めくくった。

交流会の様子

活発な意見交換が行われた講演後の交流会は、先生同士のコミュニケーションがより進むように、14のテーブルに分かれて行われた。

事務局が割り振った席で活発に意見交換をする先生方の様子

各テーブルでは、お互いの自己紹介の後、それぞれの学校でのICT活用の現状について、具体的なサービスやソリューションといったツールを交えて話すとともに、同じ境遇にある先生同士で苦労話などにも花が咲いていた。
交流の時間は何度も延長され、交流会は大盛況のうちに終了した。

浅野氏へ質問する様子

他校の話のメモを取る先生

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