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BCPとは?防災対策やBCMとの違い、策定するメリットや手順、注意点も解説

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BCPとは?防災対策やBCMとの違い、策定するメリットや手順、注意点も解説

2022年11月25日

bcp とは

BCPとは、緊急事態が発生したときに取るべき行動をまとめた事業計画のことです。BCPを策定していない企業も存在しますが、緊急時に事業を守るためには、BCPを策定して万が一に備えておくことが重要です。ここでは、BCPの概要や策定する手順・BCPを策定するメリット・注意点などを解説します。緊急時だけではなく平常時から使えるツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

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BCPとは(事業継続計画)

東日本大震災やコロナウイルス感染症の蔓延などをきっかけに、BCPを策定する企業が増加しています。BCPとは、自然災害や事件などの緊急事態を想定した事業継続計画です。BCPには緊急時の行動指針が明確に記されています。企業は事業への影響を最小限にするため、あらゆる事態を想定してBCPを策定します。

BCPの目的

BCPの目的は、災害などの緊急事態にいち早く事業を復旧させることと、事業への被害を最小限に食い止めることです。緊急事態の一例を以下にします

・地震や水害などの自然災害
・テロ攻撃
・火災
・サイバー攻撃
・ウイルスや細菌による感染症の蔓延
・ストライキ
・取引先の倒産
・知的財産権の侵害による訴訟問題

自然災害だけではなく、企業はさまざまなリスクを想定してBCPを策定せねばなりません。

BCPと防災対策の違い

BCPと防災対策は混同されがちですが、正しくは違います。防災対策は被害を未然に防ぎ、万が一地震や津波、火災、パンデミックといった災害が発生した際に、被害の拡大を防止し、被災から復旧をするための取り組みを指し、内閣府が公表する災害対策基本法では「国土並びに国民の生命、身体及び財産を保護する」と定められています。一方BCPの目的は、災害にとどまらず、システムダウンやサイバー攻撃など、企業を取り巻くあらゆる脅威から、事業を守ることと、脅威が発生した際の早期復旧になります。そのため、万が一の際の代替手段や、復旧手順を整理し記すことが必要です。

参考:災害対策基本法

BCPとBCM(事業継続マネジメント)の違い

BCMとは、BCPを運用するための総合的なマネジメントです。BCMには、BCPの策定を始めとして、BCPを成立させるための訓練・研修や、BCPの定期的な見直しなども含まれます。

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【2022年度調査】BCPを策定している企業の割合・策定しない理由

2022年に帝国データバンクが実施した調査によると、BCPを策定していると回答した企業は、全体の17.7%でした。BCPに注目は集まっているとはいえ、策定に至っていない企業も多い状況です。また、大企業でBCPを策定している企業は33.7%でしたが、中小企業でBCPを策定している企業は14.7%でした。企業規模により、BCPの策定率は変わります。

なお、企業がBCPを策定しない理由には、策定に必要なスキル・ノウハウがない、策定する人材を確保できない、などが挙げられます。

参考:特別企画 :事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2022年)

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BCPの策定が推奨される理由

BCPを策定していない企業まだまだ多いですが、企業存続させるためにはBCPの策定が必要不可欠です。以下では、BCPを策定すべき理由を解説します。

日本には自然災害が多いため

日本は自然災害が多い土地です。国連開発計画(UNDP)の「災害リスクの軽減に向けて~開発に課せられた課題~」によれば、1980年から2000年の間に「マグニチュード5.5以上の地震が発生する年平均」ランキングで4位にランクインしており、アメリカ地質調査所(USGS)の調査による、1900年以降発生した地震規模ランキングでも4位に入っています。日本の近辺には太平洋プレートなど複数のプレートが集中しており、プレートのズレなどが原因で地震が発生します。日本は四方を海に囲まれているため、津波などの水害も心配です。他にも、火山の噴火・台風・大雪などの災害も懸念されます。

また、近年は気候変動の影響で、大規模な災害が発生しやすい傾向です。いつ起きるかわからない災害に対し、BCPの策定は急務といえます。

参考:災害リスクの軽減に向けて~開発に課せられた課題~

新型コロナウイルス感染症などへの対策のため

新型コロナウイルス感染症を始めとして、さまざまな感染症対策にもBCPが有効です。社内でコロナウイルス感染症が蔓延すると、従業員の出社が制限されます。加えて、新しいウイルスであれば被害の予測が難しく、BCPのない企業はダメージを受けやすいと考えられます。

IT技術の普及による脅威の拡大に備えるため

ビジネスにおけるIT技術の活用がすすみ、企業の生産性向上や、業務効率化に役立てられていますが、ネットワークを介したデータのやり取りなどが当たり前になることで、悪意ある第三者からのサイバー攻撃を受けるリスクも高まっています。サイバー攻撃を受けた場合の特徴として、特にデータや資金といったリソース面への影響が著しいことがあげられます。攻撃を受けないための対策、攻撃を受けてしまった場合の対処なども、BCP対策の一環(IT-BCP)としてあらかじめ策定する必要があります。

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BCPを策定する5つのメリット

BCPを策定すると、平常時にもメリットが見込めます。以下では、BCPを策定するメリットを解説します。

1.緊急時の顧客離れを防げる

事業が停止する期間が長いと、顧客離れが懸念されます。顧客にも守るべき事業があるため、稼働している企業を探して取引を始めてもおかしくありません。BCPがあれば緊急時でも一早く事業を立て直せるため、顧客離れの防止が見込めます。

2.企業イメージが向上する

BCPを策定している企業は、ステークホルダーから社会的な信用を得やすくなります。例えば、取引相手にBCPの策定を求める企業が増えています。取引相手が緊急事態で停止してしまうと、関係会社もダメージを受けてしまうためです。

3.事業の棚卸しができる

BCPを策定するときには、事業の洗い出しが必要です。自社にとって重要な事業を改めて確認できると、経営戦略の立案に役立ちます。また、これまで意識していなかった企業の強みに気づける上に、無駄な業務を見つけられると業務効率化にもつながります。

4.倒産・事業撤退のリスクを抑えられる

事業停止によって資金不足の状態が続くと、倒産に追い込まれる企業も少なくありません。また、直接は緊急事態に巻き込まれなくても、取引先や仕入れ先の問題が自社に影響する場合もあります。BCPにより代替案などあらかじめ用意しておくことでができれば、問題発生時に早急な対応が可能となり、倒産のリスクを低減させられます。

5.従業員に安心してもらえる

仮に事業が停止すると、従業員の給与収入に影響が出る恐れがあります。状況が厳しくなると、解雇されたり、企業が倒産したりするかもしれません。緊急事態でも企業が事業を続けられると分かれば、従業員は安心して勤められます。

BCPにより安心して働ける環境を整えることで、企業は従業員の信頼を獲得し、愛社精神の醸成や、離職率の低下にも寄与することが期待されます。

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BCPを策定する7つの手順

BCP策定にあたっては、いきなり具体的な施策を考えずに、BCPを策定する体制づくりや、現時点での事業の状況を棚卸し、分析するところから始めましょう。以下では、BCPを策定する手順を解説します。

1.BCPの方針を決める

まずはBCPで守る対象を確認します。守る対象には、従業員の安全や取引先からの信用などが挙げられます。

BCPの策定にあたり、優先順位は重要です。優先順位を決めておけば、緊急事態が起きたときに従業員1人ひとりが考えて行動しやすくなります。

2.体制を構築する

災害などの緊急事態に詳しい専門家を含め、BCP策定チームをつくります。緊急事態が起きると、取引先などのステークホルダーにも影響がおよびます。BCPの内容を共有するために、ステークホルダーとの連携体制も整えましょう。

3.事業が受ける損失の分析とリスクの洗い出し

事業が受ける被害状況の分析には、BIA(事業影響度分析)が役立ちます。BIAの目的は、事業が停止した際に受ける損失の把握と、目標復旧時間の決定です。

リスクの洗い出しには、リスクマッピングを使いましょう。リスクマッピングとは、企業に起こりうるリスクを、頻度と経営への影響の2軸でマッピングしたものです。

4.事業に優先順位をつける

BCPの方針・BIAによる事業が受ける損失の分析・リスクマッピングによるリスクの洗い出しの結果をあわせ、優先して復旧させる事業を決めます。緊急時には人的リソースも限られるため、対応する順番を決めておく必要があります。

5.具体的な施策を練る

BCPで検討する施策は、緊急事態が起きる前の準備としての「事前策」と、事態が起きてから行動する「事後策」に分けられます。事前策とは、製造プロセスが停止した際の代替案の検討や、緊急時の連絡や業務をサポートするツールの導入などです。事前に備えておくべきツールについては、後ほど詳しく解説します。

6.BCPの発動条件と役割を決める

BCPを発動する条件と発動する担当者を決めます。発動後の各従業員の役割も決めてください。次に、決定したBCPの内容を、計画書にまとめましょう。事業やフロー別に計画書を分けてまとめておくと、従業員が緊急時の行動を把握しやすくなります。

7.BCPの周知・研修や訓練を実施する

計画書を現場の従業員に確認してもらい、現実的な内容であるかをチェックしてもらいます。問題がなければ、計画書の内容を研修や訓練を通じて従業員に伝えます。

BCPの内容に不具合が見つかったときは、見直しが必要です。他にも、取引先が変更になったときや、企業内のシステムが変更になったときなども、BCPを見直すタイミングです。

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BCPで導入を検討したいツール

平常時からツールを利用しておくと、BCP発動時にもスムーズに適切な行動を取れると考えられます。BCPの策定にあたり、導入を検討したいツールを紹介します。

コミュニケーションツール

地震など自然災害時には、電話が通じにくくなる恐れがあります。コミュニケーションツールとして導入を検討したいツールは、以下のとおりです。

・チャットツール
・Web会議システム
・スマートフォン(スマホ)
・安否確認システム

これらのツールは、平常時のテレワークにも役立ちます。従業員が円滑に操作できるように、早めの導入をおすすめします。通勤が困難なときに自宅で働けると、事業への影響を抑えられます。

クラウドサービス

クラウドサービスとは、業務に必要なソフトウェアやアプリケーションを、オンラインで使えるサービスのことです。インターネット接続ができる環境であれば、クラウドサービスを介して、場所を問わずにデータの保管や作業が可能です。また、クラウド上にデータを保管しておけば、自然災害や火事などで社屋が被害を受けてもデータは守られます。

BCPの策定で参考になる情報

経験や専門知識がなければ、なかなかBCPの策定が進まないかもしれません。BCPを策定する際は、中小企業庁の資料やフォーマット、内閣府が発行しているガイドラインが参考になります。

フォーマットを使うとわかりやすい資料を作成でき、従業員などに内容を効率よく伝えることが可能です。また、内閣府のガイドラインには、BCPの策定から訓練や見直しに至るまで、幅広い内容が網羅されています。

参考:中小企業BCP策定運用指針

参考:知る・計画する : 防災情報のページ - 内閣府

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BCPを策定する際の注意点

想定よりも損害のレベルが大きいと、BCPが機能しない場合があります。自社が被害を受けなかった場合でも、予想を超える緊急事態が起きたタイミングを自社のBCP見直しのきっかけとましょう。

また、企業や従業員にとって現実的でないプランは実行できません。必ず訓練を実施して、策定したBCPプランが適切かをチェックしましょう。

まとめ

BCPを策定することで、緊急時・災害時でも、事業の早期復旧・継続ができます。どんなときでも事業を継続させることは、企業イメージを向上させ、お客さまや取引先、従業員にも安心感を与えます。まだ策定ができていない企業さまがいれば、すぐにでもBCP策定の検討を開始しましょう。なお、BCPの事前対策には、コミュニケーションツールやクラウドサービスの導入がおすすめです。

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