企業が、安定した企業活動を行うためには、社内外で用いる通信インフラの整備が現代では必要不可欠といえます。その中のひとつの電話も、従来の電話回線を用いるもの以外に、IP電話や光電話といった異なる技術を用いたものが普及してきています。ただ、それらの違いや特徴などがわからないという経営者や担当者もいるでしょう。今回は、IP電話と光電話の違いや共通点、導入するメリットやデメリットなどを解説します。
目次
- IP電話とは
- 光電話とは
- IP電話と光電話の違い
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IP電話とは
IP電話は、電話回線ではなくインターネットを利用して通信と通話を行う電話のことを指します。VoIP(Voice over Internet Protocol)と呼ばれる通信技術を用いて、音声をデジタルデータに変換し、相手先に伝達するという仕組みです。
インターネットを介しているため、音声だけでなく画像、映像も届けることができます。利用するには、インターネット回線を提供しているプロバイダーに回線を開通してもらう必要があります。固定電話のみならず、携帯電話でも利用できるのもIP電話の特徴です。
光電話とは
光電話は、光ファイバーケーブルを用いて通信、通話を行う電話のことを指します。インターネットを用いる点において、光電話はIP電話の一種と捉えることもできます。光電話は、電話回線業者が提供しているサービスのため、利用するにはその業者に開通してもらわなければいけません。光電話では、0ABJ番号が取得可能です。
IP電話と光電話の違い
IP電話と光電話は、インターネットを用いる点では共通していますが、異なる点もいくつかあります。ここでは、それらについて解説します。
電話番号
IP電話では、一般的に「050」から始まる11桁の電話番号が付与されることになっています。一方、光電話は従来の電話回線を用いる電話と同じような「03」や「06」などから始まる電話番号が付与されます。
電話番号は、とくに法人で用いるものは「03」や「06」などの市外局番で始まるものの方が、信用度が高いとされています。自社の事業形態や年数などを考慮して、どちらのサービスを利用するかよく検討しましょう。
緊急電話番号やフリーダイヤルなどの発信制限
光電話では、「110」や「119」などの緊急電話番号にも発信可能ですが、IP電話ではできません。また、フリーダイヤルも同様です。なお、フリーダイヤルの着信は可能です。
回線と伝達方法
IP電話と光電話では、回線と伝達方法が異なります。IP電話は、ADSL回線を利用して、IPパケット信号でデータ送信を行い、ONUを経由して電話を利用できる仕組みです。
光電話では、光回線を利用して、光信号でデータ送信を行い、ONUと呼ばれる変換装置を経由して電話が利用できる仕組みとなっています。
IP電話と光電話では、回線を提供する業者が異なるため、このような違いが生まれるのです。
IP電話と光電話の共通点
IP電話と光電話には、いくつか共通点もあります。ここでは、それらについて解説します。
通話料金
IP電話と光電話は、国内での通話料金が全く同じです。全国一律で、時間帯を問わず3分8.8円なので、従来の電話回線を用いた電話よりも割安で利用できます。電話料金では全く差がつかないので、この点についてはどちらを選んでも支障はないでしょう。
仕組み
伝達手段が異なるIP電話と光電話ですが、「インターネットを用いる」という点ではまったく同じです。電話とインターネット両方を利用するのであれば、IP電話と光電話に違いはありません。
IP電話のメリット
IP電話を導入することで、さまざまなメリットを得ることができます。ここでは、IP電話を導入することのメリットについて解説します。
通話料が安く無料のケースもある
IP電話はインターネットを用いることで、通話料を低く抑えることができています。さらに、同じプロバイダーや提携しているプロバイダー同士の通話であれば無料です。企業の拠点間の電話を同一もしくは提携同士のプロバイダーで統一すれば、拠点間の電話料金のコストカットが実現できます。
また、他の固定電話や携帯電話などへの通話も格安で、通話したい相手の距離が遠くても料金は変わりません。国際電話についても、従来の電話回線を用いる電話よりも安価で利用できます。
既存の電話機をそのまま使える
これまで使っていた電話機を、交換や新規に購入することなくそのまま引き継いで使えるのもIP電話のメリットです。050から始まる番号であっても問題はありません。
電話番号は無料で取得できる
固定電話では、新規に電話番号を取得するには電話加入権の購入が必要です。しかし、IP電話では電話加入権を購入する必要がないため、無料で電話番号を取得できます。余計な経費がかからないのもIP電話の魅力です。
IP電話のデメリット
IP電話にも、少なからずデメリットがあります。導入の前にデメリットを把握しておくことが望ましいです。ここでは、IP電話のデメリットについて解説します。
通話品質が不安定
IP電話は、インターネットを用いるがゆえに、通信状況によって通話品質が変動します。なんらかの理由で回線が混雑していたり、山奥や僻地などのインターネットが使いづらい環境で通話しようとすると、音声が伝わりづらい状況に陥ることがあります。
とくに、050から始まる電話番号をスマートフォンで利用する場合に、電波状況の影響を受けやすいので注意が必要です。ビジネスシーンで、常に高品質の通話が求められる業態の企業にはIP電話は不向きと言えます。
緊急通報やフリーダイヤルが使えない
「110」や「119」に代表される緊急通報やフリーダイヤルに発信できないことも、IP電話のデメリットです。一部のIP電話はフリーダイヤルに対応していますが、緊急通報についてはすべて未対応なのが現状です。
すべてをIP電話に変更すると、万が一の際に発信できない事態も想定されるため、これに対する対処方法を検討した上で、導入するか否かを決めましょう。
光電話のメリット
光電話も、導入することでさまざまなメリットが得られます。ここでは、光電話のメリットを紹介します。
料金が安い
IP電話と同様に光電話も通話料金は3分8.8円と、従来の電話回線を用いる電話に比べ安価に利用できます。この通話料金は、距離に関係なく一定であるため、遠距離でも気にせず通話できます。
さらに、月額の基本使用料も500円程度と、固定費としても安価なので、経費の圧迫にもさほど影響はないでしょう。
音声品質が高い
光回線を利用する光電話は、IP電話と比較して音声が安定しており、品質が高いです。従来の電話回線を用いる電話とも遜色ないので、ビジネスシーンにおいても問題なく利用できるでしょう。
光電話のデメリット
光電話を利用することには、少なからずデメリットも内在しています。ここでは、光回線のデメリットを紹介します。
光回線が必要
光電話には、まず光回線を導入しておく必要があります。企業が、ADSL回線を導入している場合は、それを解約し新たに光回線を開通させなければ利用できません。
電話できない番号もある
光電話は、IP電話の一種であるため、コレクトコールや伝言ダイヤルといった一部の電話番号には発信できません。ただ、緊急通報は可能なので、万が一の事態にも安心して導入できます。
IP電話と光電話の併用にもメリットがある
企業内にて、IP電話と光電話をどちらも導入することは、一見煩雑になりコストもかさむと思われがちですが、メリットがある方法です。
まず、相手先がIP電話である場合は、こちらもIP電話で通話することで通話料金がかからなくなります。この切り替えは自動で行われるため、運用にも支障は起きづらいでしょう。
一方で、光電話は電話番号をそのまま引き継げるのが大きなメリットです。さらに、光回線による高品質な通話や、緊急通報にも利用できることは利用者にとっても安心でしょう。
まとめ
IP電話と光電話には、インターネットを用いるという共通点がある一方で、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらか一方を導入する方法でも問題はありませんが、どちらのメリットも得たいという人もいるでしょう。
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さらに、「KDDI ビジネスコールダイレクト」や「au 子機」などといった豊富なオプションサービスもあるので、企業の抱えている通信インフラの課題を解消できます。
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