【生徒講演編】「まなびのミライ~学校交流会2025~」開催レポート
2025年8月1日、「まなびのミライ~学校交流会2025~」を開催した。第4回目の開催となる今年度は「未来をつなぐICTと学校づくり」をテーマに実施。全国から70校86名の教職員の皆さまにご参加いただき、大変盛況な会となった。
当日のコンテンツ内容から「特別講演」「生徒講演」「パネルディスカッション」を抜粋してお届けする。
~特別講演編はこちら~
~パネルディスカッション編はこちら~
生徒講演編では、主体性について「未来につながる学校生活とICT」をテーマに、瀧野川女子学園中学高等学校、横浜女学院中学校 高等学校の生徒さまの講演内容を紹介する。
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生徒講演①:瀧野川女子学園中学高等学校
東京都北区にある瀧野川女子学園中学高等学校からは、横山さん、江端さん、遠藤さんの3名が登壇。同校が授業や部活など学校生活全般でiPad®を活用していること、その中でも特にiPadの特性が生かされる「創造性教育」について説明した。
卒業後の未来につながる学校生活とICT
当日使用されたスライド(全ての活動でiPadを使用)の抜粋
はじめに、横山さんがiPadを使った授業について紹介。どの授業もiPadに教科書・ノート・プリント・授業スライドなどの教材が入っているため、以前に比べ持ち物が少なくなって身軽になったという。
また、同校では「MetaMoJi Share for Business 6」というアプリを使用しており、シェア機能を活用しその場で先生に添削してもらったり、生徒同士の考えを教え合ったりしている。
「数学は個人で学習するものだと思っていたが、友達と教え合うことでより理解が深まった」と横山さんは話す。
ほかにも、iPad活用による大きなメリットの一つとして、授業のデータが残る点に言及。
一般的な授業では板書をノートに書き写すことに精一杯で、先生の話に集中できないこともあったが、同校では、板書の代わりに用いられる授業スライドがiPadに送られてくるため、先生の話をしっかり聞くことができるようになったという。
続いて、話は「創造性教育」へと移る。高校2年生で行う「事業化実習」では、実際に会社を立ち上げたと仮定し、アイデアを出し合い商品を製作、学園祭で商品を販売し、売上の利益分配までを体験する。
また、修学旅行先で訪れるハワイ大学でチャリティーバザーを主催して、全9社で$2,133(約32万円)を寄付した。実際に江端さんが社長を務めた「P-make」という会社の活動について紹介された。
当日使用されたスライド(創造性教育)の抜粋
「P-make」のコンセプトは「Pretty(可愛い)」「Personality(個性)」「Prink(着飾る)」で、「物に個性をつけたい!」というインサイトを基に、ペットボトルホルダー「ペトファー」を製作。
「ペトファー」はストラップとチャームを組み合わせた製品で、色やタイプなどもさまざまなバリエーションを用意した。製品製作では、試作段階から試行錯誤を重ねた。
さらに、販売促進のためのCM(動画)もiPadを使って制作した。
製品は学園祭での販売、修学旅行で訪れたハワイ大学でのチャリティーバザーを経て、損益計算書やIR資料なども作成した。この経験を通して、「社会に出て役立つ力を、楽しみながら身につけることができた」と江端さんは話す。
最後に、「事業化実習」を通して感じたことを3人がそれぞれ発表。
「将来、ネイリストになって自分の店を持ちたいと考えていて、そこでこの経験が生きると思った」「経営に興味を持ち、大学では経営学を学びたい」「ハワイ大学での経験から、海外留学を決意した」と話し、改めて「事業化実習」が素晴らしい経験になったと締めくくった。
生徒講演②:横浜女学院中学校 高等学校
神奈川県横浜市にある横浜女学院高等学校のCさん、Kさんは、2025年5月に同校として初開催となったブータンスタディツアーに参加。そのときの体験や感想について発表した。
ブータンでの学び
当日使用されたスライド(ICTの活用)の抜粋
はじめに、Kさんがブータンの概要について説明。中国とインドの間に位置し、チベット仏教が国教として定められていること、王政国家であることなどを伝えた。
ブータンでは首都のティンプー、プナカ、パロ、ポブジカの4都市を訪問。9日間で体験したことを次のように綴った。
初日:ブータンの家庭で飲まれている「バター茶」を飲み、伝統衣装「キラ」の着用を体験。
2日目:ナーランダ僧院を訪問。伝統料理作りを体験。
3〜5日目: 2泊3日のホームステイを経験。言葉が通じないなかでも工夫して意思疎通を図る。
6日目:現地のスクールを訪れ、お互いの国や学校についてプレゼン。その後、スクールの生徒と一緒に昼食をとり授業を体験。
7日目:富士山よりも高い標高に位置するチェレラ峠を訪れ、ブータンの国花である「ブルー・ポピー」に出会う。
8日目:往復8時間ほどかけて断崖絶壁に建つタクツァン僧院を訪問。
最終日:パロゾン博物館を見学しブータンを後に。
当日使用されたスライド(感想・学んだこと)の抜粋
2人がブータンスタディツアーに参加した理由は、家族旅行では行く機会の少ない国で、「幸せの国」と呼ばれている理由を知りたかったから。
スタディツアーを通して、Cさんは「幸せとは何かを考えさせられた」と気づきを述べ、幸せの基準は人によって異なり、貧しいことが必ずしも不幸にはつながらないと話した。
また、ブータンでは伝統を守る取り組みが日常的に行われていることにも触れた。例えば、学校では普段は英語で授業が行われているが、ブータンの公用語であるゾンカ語のみを使う日が設定されていたり、仕事や学校の制服には民族衣装が採用されていたりする。「こうしたブータンの言語や伝統を守る姿勢に感銘を受けた」とCさんは語った。
ほかにも、ブータンを訪れたことで興味の幅が広がったと述べ、Cさんは大学で観光学を学びたいと考えていると続けた。さらに、開発途上国のリアルとして、自分たちが思っていた以上にスマホやSNSが普及していて驚いたと話した。
最後に、スタディツアーでのICTの活用例を紹介。現地の学校で行ったプレゼンや、帰国後に行った全校集会での発表にもiPadを活用した。
また、写真の共有や連絡手段としても役立てた。2人はゾンカ語で「ありがとう」を意味する「カディンチェラ」の言葉をもってまとめとした。
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最後に
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