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ダイヤル回線とプッシュ回線とは?見分け方やアナログ回線以外の種類

ダイヤル回線とプッシュ回線とは?見分け方やアナログ回線以外の種類

2023年12月19日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

ダイヤル回線とプッシュ回線とは?見分け方やアナログ回線以外の種類

自宅や会社で使用している電話の回線が、どの回線を使用しているのか分からない方は少なくありません。電話回線は技術の進化とともに種類も増えており、また技術の進化に伴って2024年1月にはダイヤル回線とプッシュ回線は順次廃止になることが決定しています。

当記事では、ダイヤル回線やプッシュ回線など電話回線の種類や特徴、またダイヤル回線とプッシュ回線の見分け方についても解説します。現在の電話回線から新たな回線に切り替えを検討しており、現状どの電話回線を使用しているか分からないという方は、ぜひ見分ける際にお役立てください。

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1. アナログ回線の種類は「ダイヤル回線」と「プッシュ回線」の2種類

通信の安定性の高さがアナログ回線のメリット

「ダイヤル回線」と「プッシュ回線」は、アナログ回線に分類されます。アナログ回線とは、電話機に銅線をつなぎ、銅線を通じて音声を伝える通信方式のことです。糸電話の糸を銅線に置き換えた仕組みと考えると、理解しやすいでしょう。アナログ回線は、古くから一般家庭で利用されてきました。

アナログ回線は、2本の電話線によって接続する「2線式」が一般的です。この接続方法は、自分の音声を伝える電話線と通話相手の音声が伝わる電話線が同じなため、受話器からは相手だけでなく自分の声も聞こえます。また、相手との距離が離れると、その分ノイズが発生しやすくなるのがアナログ回線のデメリットです。

ノイズが発生しやすい山間部や、電話局からの距離が遠いエリアでは、4本の電話線で接続する「4線式」が用いられます。4線式では、音声を伝える電話線と受信する電話線が異なるため、2線式に比べクリアな音声通話が可能です。

アナログ回線のメリットは、通信の安定性が高いことです。モデムなどの周辺機器を必要としないため、周辺機器による不具合を避けられます。また、アナログ回線は、インターネットを介さないため、停電などの非常時でも利用可能です。そのため、現在でもアナログ回線を利用している企業や施設は多くあります。

1-1. ダイヤル回線

ダイヤル回線とは、主にダイヤル式電話機(黒電話など)に用いられている方法です。電話機のダイヤルを回すと、0~9の数字に応じた回数のダイヤルパルス信号が送出されます。

ダイヤル回線では、何回信号が出されたかによって番号を読み取るため、通信に時間がかかるのが特徴です。現在でもダイヤル回線を利用することは可能ですが、より近代的な仕組みであるプッシュ回線が主流になっています。

1-2. プッシュ回線

プッシュ回線は、0~9の数字に、異なる周波数の音が割り振られているのが特徴です。数字のボタンを押すことで、送出された音(トーン信号)を交換機が読み取り、番号が認識されます。

ダイヤル回線よりも番号を読み取るスピードが速いため、現代のアナログ回線では主にプッシュ回線が使われています。

2. ダイヤル回線とプッシュ回線以外の電話回線の種類

電話回線は、時代や技術の進歩によって変化してきました。現在では、アナログ回線(ダイヤル回線・プッシュ回線)と光回線、ISDN回線、直収回線の4種類があります。ここでは、ダイヤル回線とプッシュ回線以外の電話回線について解説します。

2-1. 光回線

光回線とは、光ファイバーを使った有線の通信回線です。光ファイバーとは、ガラスやプラスチックなどでできた、光を通す透明な繊維を指します。光回線でインターネットを利用するには、回線契約の他に回線をインターネットにつなぐプロバイダの契約が必要です。

光回線の特長は、通信が高速かつ安定していることです。さらに、光回線を利用すれば、インターネットと電話の両方を使えます。光電話は光回線のオプションであり、アナログ回線に比べ価格が割安です。

一方で、光回線は有線接続のため、引き込みに工事費用がかかる場合があります。また、光回線では、頻繁な配線工事を避けるために契約期間を設けています。契約期間内に解約すると、違約金が発生する場合もあるため注意が必要です。

光回線についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ下記ページもご覧ください。

2-2. ISDN回線

ISDN回線とは、銅線を使ったデジタル回線です。アナログ回線との違いは、音声をそのまま伝えるのではなく、音声データを0と1に変換して送受信する点です。

ISDN回線は、アナログ回線に比べ高音質で、盗聴されにくいメリットがあります。また、1つの電話番号で2回線を利用できるため、電話とインターネットの同時接続が可能です。

しかし近年では、通信速度の速い光回線が主流となり、ISDN回線の利用は減少しています。現在でも企業などではISDN回線が使われていますが、設備の老朽化などの理由から2024年に廃止が決定しました。ISDN回線終了後も、電話回線はそのまま利用できますが、インターネット接続をしている場合は、サービス終了までに対応が必要です。

2-3. 直収回線

NTT以外の会社が提供する固定電話、料金の安さが特徴

直収回線は、NTT東日本と西日本を除く通信事業者が提供する固定電話サービスです。通常の固定電話は、NTT東日本および西日本の通信網が使われています。直収回線は、NTTが使っていない電話回線を通信事業者が借りて、独自のサービスを展開します。

直収回線のメリットは、NTTの回線と比べ利用料金が安価であることです。また、通常必要な電話加入権が、直収回線では不要です。

ただし、直収回線は、ADSLを使えなくなるデメリットがあります。ADSLとは、NTTのアナログ回線を使ったインターネット接続です。また、NTTが提供するフリーダイヤルなどの一部サービスが使えなくなることがあります。

3. ダイヤル回線かプッシュ回線か見分ける方法

現在契約している電話回線が、ダイヤル回線かプッシュ回線か分からない方もいるのではないでしょうか。プッシュボタン式電話機はすべてプッシュ回線だと思いがちですが、ダイヤル回線の場合もあります。通話機器がどちらの回線かを見分けたい場合は、電話を使用する時の音を聞いて判断しましょう。

以下では、ダイヤル回線とプッシュ回線の見分け方を紹介します。

3-1. 電話発信時の音で判断する

受話器を取ったら「ツー」という音が出るかを確認し、0~9のいずれかの番号を押します。「ツー」という音が鳴らない時は、電話がつながっていないため配線を確認しましょう。

番号を押して「プ」という音が鳴った場合は、「ツー」という音が鳴り続けているかを確認します。「プ」という音の後に「ツー」が聞こえない場合、電話機はプッシュ回線に該当します。「ツー」という音が鳴り続けていたら、ダイヤル回線です。

番号を押す時に「プ」ではなく「ブツブツ」という音が鳴ることもあります。この場合は上記と逆で、「ブツブツ」の後に「ツー」が聞こえなくなったらダイヤル回線です。「ツー」が鳴り続けていれば、プッシュ回線だと判断できます。

3-2. 電話番号入力時の音で判断する

電話番号を入力する時に「ピッポッパ」と音が鳴れば、プッシュ回線です。この音は、番号に割り振られた周波数の音によるプッシュ信号を表しています。番号を入力しても信号音が鳴らない場合は、ダイヤル回線です。

ダイヤル式の電話機は、ダイヤル回線しか選択できませんが、プッシュ式の電話機は契約時にプッシュ回線かダイヤル回線かを選んで設定することが可能です。なお、電話の機種によっては、ダイヤル回線を「パルス」、プッシュ回線は「トーン」と表記されています。

4. ダイヤル回線とプッシュ回線は2024年1月に廃止される?

アナログ回線とISDN回線は廃止され、IP回線に統一される

近年では、スマートフォンの普及に伴い、固定電話の契約件数が減少しています。さらに、固定電話の電話網に必要な中継交換機の老朽化も進んでいるため、NTTはアナログ回線とISDN回線を廃止し、2024年1月にIP網へ移行することを決定しました。

IP網に移行するといっても、ダイヤル回線やプッシュ回線、ISDN回線の電話が使えなくなるわけではありません。移行後はケーブルはそのままに、交換機の代わりにルーターでIP網へ接続し音声データを送受信する仕組みになります。そのため、移行に伴う個人の手続きや工事は一切不要です。通話音質も、固定回線と大きく変化しないとされています。

IP電話は距離が遠いほど通話料金が高くなる従来の回線とは異なり、全国・全時間帯で一律の料金となります。そのため、電話料金を大幅に削減できる企業が増えるでしょう。

IP網への移行に伴い、ビル電話や着信用電話、短縮ダイヤルといった固定電話の一部サービスは終了となります。公衆電話や110番、119番といった主要サービスは、今後も継続して利用可能です。

まとめ

電話の回線にはアナログ回線や光回線・ISDN回線・直収回線などさまざまな回線があり、ダイヤル回線はアナログ回線の1つになります。アナログ回線はダイヤル回線とプッシュ回線に分けられ、ダイヤル回線は主に黒電話のようなダイヤル式電話機に用いられている方法です。

ダイヤル回線とプッシュ回線は2024年1月に廃止し、IP網へ移行することが決まっています。ビル電話や着信用電話・短縮用電話といった一部の固定電話のサービスが利用できなくなりますが、移行に伴う個人の手続きや工事は不要です。終了するサービスの利用がないかを確認し、この機会に最適な通話手段はなにかを改めて考え直すのもよいでしょう。

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