現場で使える最新技術を体感できる1日―「Re:Work EXPO in Osaka」イベントレポート
2025年9月5日、大阪・梅田サウスホールにて「Re:Work EXPO in Osaka」が開催された。生成AIやセキュリティ、オフィスファシリティなど、これからの働き方を支える幅広いテーマの最新ソリューションが一堂に集結。セミナーと展示を通じて、業務改善の最前線を体感できる1日となった。本記事では、開催されたイベントの当日の様子と見どころを紹介する。
※ 記事内の部署名、役職は取材当時のものです。
目次
未来の働き方を体験できる「Re:Work EXPO in Osaka」が開催
「Re:Work EXPO in Osaka」は、2025年7月に東京・大手町プレイスで開催された「Re:Work EXPO」に引き続き、KDDI まとめてオフィス株式会社が主催した関西エリアでの総合展示会だ。「〜これからの仕事・働き方について考える総合イベント~」と題された今回のイベントには、生成AIの実務活用やセキュリティ対策、最新デバイスの導入、さらにはオフィス環境の改善ツールまで幅広いテーマの最新ソリューションが集結。会場の梅田サウスホールには42の出展ブースと多彩なセミナーが並び、来場者は商品やサービスを実際に体感することで、導入後の具体的な未来像を描いていた。
セミナー|最新ソリューションの導入事例を紹介
「Re:Work EXPO in Osaka」のセミナープログラムでは、各企業が最新の事例を交えながら、現場でよく直面する課題をどう解決できるのかをわかりやすく紹介していた。単なる技術紹介にとどまらず、事業成長につながる実践的な知見が共有されていたのが印象的だった。セミナーでは各企業から生成AI・クラウド、セキュリティ、管理系ソリューション・業務効率化ツールなどさまざまな最新ソリューションが紹介されていた。
セッションを真剣に聞き入る様子
生成AI・クラウド活用の最前線を学ぶ
生成AIやクラウドは業務自動化による効率化や生産性向上、データ分析による意思決定の高度化、さらには顧客満足度の向上や人件費の削減など、事業成長を後押しする基盤となるツールだ。膨大なデータ処理や迅速な意思決定が求められている今、これらのテクノロジーをどう活用するかが企業の競争力を左右しつつある。
セミナーにトップバッターで登壇した「アイレット株式会社」は、クラウド移行のメリットや実際の導入事例を紹介したうえで、「なぜ企業のクラウド移行が進まないのか」という現場の課題を指摘。その課題を解決するために、中小企業でも取り組める現実的なクラウド移行手法を示しながら、俊敏性の向上やコスト削減といったクラウド導入による具体的な成果をわかりやすく解説していた。
「LINE WORKS株式会社」は、日常業務ですぐに役立つAIツールを実演。トランシーバーアプリ「ラジャー」では、迅速なリアルタイムでの音声連絡、そして文字起こし時にはAIが文脈を判断し自動的に文章を整える機能を実際に披露した。さらに議事録作成を支援する「AiNote」では、高精度な音声認識に加え、話者分離や言い淀みの除去などの機能を紹介。業務効率を飛躍的に高める実用的なツールとして注目を集めていた。
さらに、「JAPAN AI株式会社」は、AIエージェントによる働き方の変化をテーマに、人とAIが共に働く時代の到来を強調した。AIエージェントは人間が指示を出すだけで、ツールやデータを活用しながらタスクを処理できる点が特徴だ。営業支援やデザイン作成などの具体的な業務の効率化事例を示しながら、AIを社員のように取り入れる「AIトランスフォーメーション」という新たな働き方を提示。従来の業務のやり方を大きく変えられる可能性を示していた。
DX時代の必須投資、最新セキュリティ動向を探る
DXやAIの導入が加速する中で、企業が扱うデータ量は急増している。それに伴い、情報漏えいや不正アクセスのリスクも拡大しており、セキュリティは今や経営課題そのものとなった。もはやセキュリティは、事業を継続するための必須投資として位置づけられている。
「Sky株式会社」は、実際のサイバー攻撃事例をもとに情報漏えいスクとデータの守り方について解説。攻撃を未然に防ぐための対策、ランサムウェア侵入時に被害拡大を抑える方法、さらに被害後の対応まで、企業が取るべき具体的なアクションを提示していた。
「クラウドストライク合同会社」は、現場で発生している最新のセキュリティリスクを紹介。ランサムウェアや情報漏えい、フィッシング詐欺やサプライチェーン攻撃など、多様化している脅威を取り上げたうえで、セキュリティ対策を常にアップデートする必要性を強調。高度化するサイバー攻撃に対抗するための最新の手順をわかりやすく解説していた。
最新の管理系ソリューション・業務効率化ツールを紹介
人手不足や働き方改革の影響で、現場では「業務の効率化」や「属人化の解消」などが課題となっている。DX推進の声が高まる一方で、実際の現場では"DXに関するツールを使いこなせない"というギャップも課題となっており、より実務に即したソリューションが求められている。
「ジョーシス株式会社」は、SaaS資産管理の必要性について講演。SaaSの利用数が急増する中で管理が複雑化し、ガバナンスが効きにくくなることで、セキュリティやコストリスクが高まっている現状を解説した。セミナーでは、ジョーシスが提供するSaaS管理サービスの実際の操作画面を示しながら、SaaSやデバイスの統合管理で得られる「業務効率化」や「ITコスト最適化」「セキュリティ強化」といった具体的なメリットを紹介。ジョーシスのSaaS管理サービスを使うことで、分散しがちな管理情報を従業員単位で一括して可視化・更新できる仕組みについても提示していた。
「株式会社サイエンスアーツ」は、音声コミュニケーションツール「Buddycom」を紹介。外国籍スタッフともスムーズな意思疎通が可能になる「リアルタイム翻訳機能」や、地図上で指定した範囲で音声共有ができる「マップ通話」など、現場で役立つ機能を提示した。セミナー会場ではスマートフォンで実際にサービスを活用するデモンストレーションも行われ、導入後の具体的な効果をイメージできる内容となっていた。
「KDDI株式会社」は、通信基盤を強みにした業務効率化の事例を紹介。「KDDI Retail Data Consulting」は、既存データと行動ビッグデータを組み合わせることで、データの統合・分析・可視化を実現する。例えば、施設来訪者の流入元・流入先や、特定地域の興味関心データを時系列で分析することで、テナントの計画や店舗開発にも活用できる。さらに生成AIを活用することで、出店や広告掲示の候補地をチャット形式で質問できるなど、根拠となるデータを基にしてマーケティングを支援する最新ソリューションも披露した。
「Tebiki株式会社」は現場教育の課題を解決できるツールを紹介。従来の紙マニュアルは、配布や回収の手間がかかるほか、動きやニュアンスが伝わらず、外国人スタッフが増える現場では利用しにくいといった課題があった。こうした問題を解決するため、誰でも簡単に動画編集・管理ができるツールを紹介。自動翻訳やレポート機能を備えた実用的なツールは、来場者の大きな関心を集めていた。
展示|働き方の進化を実際に体験
各ブースで熱心な交流が行われている様子
会場の展示ブースでは、来場者が実際に製品やサービスに触れつつ、担当者と直接対話しながら、自社の課題解決を探る来場者の姿が印象的だった。働き方を支えるツールは、導入後の使用感も業務の成果に直結するため、体験型の展示は理解を深める絶好の機会となっていた。
生産性を高めるオフィスファシリティの進化とは
企業の生産性を高めるうえで、快適で柔軟なオフィス環境は欠かせない。近年はコロナ禍の収束もあり、オフィスにも従業員のコミュニケーションを活発化させるスペースの提供の価値も再認識されており、オフィスファシリティの進化が注目されている。
「株式会社イトーキ」は、社内で課題となりがちな会議室不足を解決する会議予約システム「Reserve Any」を紹介。シンプルかつ効率的に会議室を予約できるツールに加え、オフィスデータを活用した働きやすい環境づくりについても提示した。展示ブースではモニターに実際のサービス画面を映し出し、利用シーンを具体的にイメージできるようになっていた。
「株式会社ナイキ」はワークデスクやワークチェア、セミクローズブースを展示。充実した配線、大容量収納可能など、オフィスワーカーに必要な機能を凝縮したデスクシステムを披露した。シンプルでスタイリッシュでありながらも、利用者の作業効率や快適性をサポートする工夫が詰まっている商品が並んでいた。
ハイブリッドワークを支援するデバイス・周辺機器・管理系ソリューション
リモートワークとオフィスワークが共存する今、デバイスには単なる「性能」だけでなく、セキュリティや接続性、サポート体制まで含めた総合力が求められている。場所を問わず快適に業務を遂行できる環境づくりにおいて、最新のデバイスや周辺機器、管理ソリューションの役割はますます重要になっている。
「ジェイズ・コミュニケーション株式会社」は、ハイブリッド会議をスムーズに実現する「Neat」を紹介。カメラ・スピーカー・マイク・環境センサー・Zoom Rooms機能を一体化した高性能デバイスで、既存のディスプレイと接続するだけで快適なWeb会議環境を整えられる。複数の機器を用意する必要がないため、シンプルな手順で導入が可能だ。さらに、あらゆる業種のデジタル化を支援する「Extreme Networks」の紹介もあり、クラウドによる一元管理やAI活用により、ネットワーク環境の運用をよりシンプルかつ効率的にする仕組みを提示していた。
「株式会社エスマット」は、在庫の重さを自動的に測定し、在庫管理をDX化できる「スマートマット」を展示。IoTを活用して在庫の流れを見える化し、クラウド上で棚卸・入出庫管理・発注を自動化できる仕組みを紹介。従来の手作業にかかる手間を大幅に削減できるソリューションとして注目を集めていた。
KDDI まとめてオフィス・KDDIの取り組み
「KDDI まとめてオフィス株式会社」と「KDDI株式会社」は福利厚生、通信、バックオフィス支援など複数分野のサービスが展示されていた。福利厚生の分野では電子決済を活用し従業員のランチ代を手軽に補助できる「まる得ランチ」、通信分野では山間部や災害現場でも安定した接続を可能にする次世代サービス「Starlink Business」が注目を集めていた。バックオフィス分野では、経理や労務を効率化する「デジコレ Bizサポート」や、法人向け通販サイト「デジコレ ITモール」を展開。さらに、オフィスの電話番号をそのまま利用し、スマートフォンやパソコンからどこでも発着信できる「Cloud Calling for Zoom Phone」なども紹介され、働き方に合わせて利用できる幅広い選択肢が示されていた。
まとめ|課題解決の具体的なイメージが掴める「Re:Work EXPO in Osaka」
今回の「Re:Work EXPO in Osaka」は、セミナーと展示の両面から、働き方の未来像を提示する場となった。セミナーでは、生成AIやセキュリティ、現場DXといった実務に直結する分野の知見が共有され、来場者は自社の課題と照らし合わせながら解決の糸口を見出していた。 展示ブースでは最新デバイスやオフィスファシリティに直接触れながら、担当者との対話で具体的な導入イメージを描く来場者の姿が印象的だった。
実際の体験を通じて「自社にとってどんな改善が可能か」を想像しやすいのは、展示会ならではの大きな魅力だといえる。 先に東京・大手町で開催された「Re:Work EXPO」に続き、関西エリアで開催された本イベントは、各社の現場での変革を後押しし、今後の業務改善に確かなヒントを与えるものとなっただろう。
最後に|KDDI まとめてオフィスが提供する総合支援
KDDI まとめてオフィスは、KDDIグループが長年にわたり培ってきた安心・高品質な通信を基盤に、企業の働き方改革や業務効率化を幅広く支援しています。バックオフィス業務の代行から、従業員のエンゲージメントを高める各種サービスまで、課題に応じた最適なプランをご提案。さらに、導入後の運用サポートや担当者向けの勉強会の実施など、現場での定着までも伴走いたします。業務改善の進め方に迷われている企業さまも、ぜひお気軽にご相談ください。
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