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地域と連携して防災!あなたの街でできること

地域と連携して防災!あなたの街でできること

2018年03月06日掲載(2023年11月02日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

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これまで『企業の防災対策』についてお伝えしてきましたが、最終回は地域との連携に注目しましょう。地域とともに防災対策を練る必要性や具体的な取り組みに迫ります。

目次

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地域との連携でより安心に

社内の災害対策だけで十分だと思っていませんか。しかし、それでは業務を復旧、継続していくうえでは限界があります。地震発生時、社内での応急処置ができない重傷者が出た場合、あらかじめ地域と連携し医療機能を確保することが求められますし、オフィスに被災者や帰宅困難者が避難先として殺到する可能性も考えられます。

また、地域のライフラインの復旧見込みなどの情報をいち早く得るためにも地域との連携は必要です。オフィスがある地域と連携を取ることで災害対策はより強固なものになります。

平時の活動としては、定期的な会合を開き、災害時の行動についてルールを定めます。地域の防災マップの作成はもちろん、共同備蓄に関しての協議、合同訓練も定期的に実施するとよいでしょう。必要に応じて防災計画の情報を共有することも大切です。

こうした地域連携の取り組みは全国各地に広がっています。その中でも先進的に取り組む東京都内の2つの地域をご紹介します。

【東京都新宿区】

(地域での課題)

高層ビル内での停電によるエレベーターの閉じ込めや新宿駅周辺の滞留者への対応が必要となった。

(対策例)

防災対策のために町会や自治会などを母体とした防災区民組織を区内に200以上設置。さらに企業やライフライン事業者、医療機関などが集まり防災対策協議会を設置し、災害対策ルールを作成しているほか、定期的に情報交換会や地域減災セミナーを開催している。エレベーターの閉じ込め対策としては、条件付きながら防災対策のための改修費用を区が一部助成している。帰宅困難者対策としては、新宿駅周辺の滞留者を想定とした訓練を実施している。

【東京都千代田区】

(地域での課題)

オフィスが多い地域なので従業員の安全確保や滞留者への対応が大きな課題となった。

(対策例)

地域独自で非常用の電源や災害用の通信網を準備し、安否の確認に役立てている。また、トイレの確保も地域で行っている。

現実的には、社内の災害対策に精一杯で地域まで手が回らないという企業が多いと思います。また、短期間・低コストで解決できない課題も発生するでしょう。まずは、少数の近隣地域の企業同士から始め、徐々に地域範囲を拡大していくというのが現実的かもしれません。巨大地震に備えるためには、会社という点だけでなく、地域全体という面で対応を取ることが大事です。できることから少しずつ改題解決を図ってみてはいかがでしょうか。

できることから始める防災対策

全5回に分けて『企業の防災対策』についてお伝えしてきました。今から始められる防災対策のポイントについて最後に確認してみましょう。

 ①従業員の安全の確保

企業の防災対策として最優先に考えたいのが従業員の安全の確保です。安否確認の方法や非常用品の備蓄、社内の危険個所の確認、救助のための道具の準備、防災マップの作成など従業員の生命に関わる対策は必要不可欠です。普段から必要な備品をリストアップして備蓄しておくことが大切です。

 ②通信手段の確保

従業員の安否をいち早く確認するためには、通信手段の確保が重要です。東日本大震災や熊本地震の際は、SNSが安否確認や情報公開の場として大いに役立ちました。その一方で多くの人が利用することでつながりにくくなったり、基地局のケーブルが遮断してしまったりという影響も見られました。そんなときに活躍するのが『衛星携帯電話』です。国内の地上インフラ設備を利用せずに、上空数百?3.6万kmの衛星通信を利用した通信サービスなので、いち早く安否確認することが可能になります。

 ③事業の継続

事業を素早く復旧し、継続するためにカギを握るのがデータの保全です。津波被害だけでなく、設備の損壊など物理的な力が加わることによってデータが失われる可能性もあります。そこで、データを守る方法として注目を集めているのがクラウドサービスです。インターネット上にデータを保存し、サービス提供者が管理します。パソコンの損壊や紛失にかかわらずインターネットにつながるほかの端末からデータにアクセスすることができます。また、コンピュータ設備や通信設備を設置するための施設である『データセンター』を活用してもよいでしょう。こうした対応策はBCP(事業継続計画)を策定し、まとめておくことが大切です。

 ④補償制度の確認

巨大地震が発生すると事業継続に向けての運転資金も巨額になる可能性があります。もしもの時に備えて、火災保険とともに企業が加入できる地震保険に加入することも事業再開・継続に向けて大きな力となることでしょう。

 ⑤地域との連携

地域ならではの課題を挙げ、近隣の企業と協力して地域全体で防災対策を行うことでより強固な防災につながります。

以上、5つのポイントを挙げましたが、すべてをすぐに実施するには、時間もコストもかかります。プロや専門業者にできる部分は任せてみるのも1つの方法です。

災害対策の最優先事項にしたい①?③については、KDDIまとめてオフィスでも取り扱っており、備蓄パッケージや地震発生後の必需品、避難時に役立つグッズをはじめ、スマートフォンの充電やクラウドサービスでのデータ管理など、あらゆる災害対策をサポートしています。『これから防災対策を始めたい』、『対策を強化したい』という企業のご要望やご相談にお応えしています。

いつおきてもおかしくない巨大地震ですが、『来てしまったら致し方ない』とあきらめるのではなく、従業員のため、会社のためにできることから少しずつ防災対策を始めてみてはいかがでしょうか。

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