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これからの時代に活躍できる能力を育む~1人1台の先へ|北鎌倉女子学園

教育・ICT

これからの時代に活躍できる能力を育む~1人1台の先へ|北鎌倉女子学園

2020年12月15日

古都鎌倉で、創立80周年を迎えた、北鎌倉女子学園中学校高等学校。
2019年に、日本に現在10校あるApple Distinguished School(ADS)の認定校となった。
地域の人から、"伝統ある女子校"とイメージされてきた同校は、ICTを活用して独自の教育スタイルを確立しようとしている。

目次

これからの時代に活躍できる能力を育むために

社会の変化を受け、求められる学力や能力が様変わりする昨今。「のびやかな自立した女性を育む」との新たな教育理念を掲げた同校は、ICTを活用した授業スタイルの変革に取り組んでいる。

具体的には、暗記重視の評価や受験対策を意識した授業から、将来活躍できるための能力を育成する授業へと変革を進めている。21世紀型スキルのうちの4C(Communication、Collaboration、Critical Thinking、Creativity)を育むことを重視。「国語を学ぶ」から、「国語を題材に4Cを学ぶ」といったことにも取り組んでいる。これらの動きは、推薦入試やAO入試などの受験改革への対応にも繋がっているという。

そのために、生徒は一人一台のiPadをもち、教員にはiPadとノートPCが1台ずつ支給されている。各教室には、電子黒板機能付きのプロジェクターと、iPadの画面をプロジェクターに表示するためのApple TVが設置されている。情報の共有はクラウド上でなされ、教材や課題もクラウドで保存される。さらに、生徒と保護者には学校ドメインのメールアドレスが付与されている。

アクティブラーニングをベースとした授業

例えば高校3年生の授業では、ネットで公開されている「SDGsインデックス&ダッシュボード2020」を題材に、思考力や表現力の強化に取り組んでいた。

アクティブラーニングをベースとした授業

生徒たちは、各自でデータを読み込んで、気づいたことをタブレットから投稿する。投稿された内容は、リアルタイムでホワイトボードに表示され、クラス全員に共有される。教員は、生徒の投稿も踏まえながら、ネット上の記事や教材も使って、考えを広げ・深めるための解説をしていく。生徒たちはそれを受けてグループディスカッションで、他者の意見に接しながらさらに考えを深めていく。

アクティブラーニングをベースとした授業

その後、グループディスカッションも踏まえながら、最終的なまとめを自分の言葉で表現していく。ここでも、各自の考えが、ホワイトボードにリアルタイムで共有されることで、クラス全員の考えがより深まっていく。
さらに、その授業で取り組んだことや出来たことを4Cの観点で振返らせる「自己評価」の時間を確保している。

中学3年生は、社会科で死刑制度について発表する授業に取り組んでいた。

アクティブラーニングをベースとした授業

死刑制度について調べ、賛否を理由と共にKeynote(iPadにインストールされているスライドアプリ)のスライドにまとめて発表する。先生がそれに対して講評やコメントをして、発表をきく生徒からも質問を募ることで、クラス全員で考えさせていた。

この様に、単に知識をインプットするのでなく、調べて考えをまとめて発表させることが、各授業のベースとなっている。ICTの導入は、学びの本質を意識するキッカケとなり、その結果、全教科の授業内容が大きく変わったという。

紙では実現できない表現力が授業を変える

iPad活用の意義は、プレゼンテーションに留まらない。

紙では実現できない表現力が授業を変える

物理の授業では、ネット上で公開されているCGの動画教材を使いながら解説を行っていた。
言葉や紙での説明では伝わりづらいことでも、ビジュアル的に表現されていると、理解力が大きく高まるという。
この様な、授業で活用できる素材・教材はネット上で多く公開されている。後述のデジタル化による効率化で創出した時間を、こういった素材探しやそれを使った授業設計などに充てているそうだ。

紙では実現できない表現力が授業を変える

英語の授業では、解説した内容についての理解度をこまめにアプリ上から回答させていた。
全員の前で「理解できなかった」と手を上げるのはハードルがあるが、タブレット経由なら正直に理解度合いを答えることができる。教員は生徒の本当の理解度を踏まえながら、補足的な解説や説明をすることで、効率的に生徒の理解度をあげていくことができる。

楽しい授業・生徒主体の授業を追求

楽しい授業・生徒主体の授業を追求

英語の授業では、無料のクイズアプリを活用して、クイズ形式で問題演習に取り組ませていた。
リアルタイムで回答状況が分かるクイズ形式を取り入れると、授業が大変盛り上がるという。他の生徒が正答した箇所で間違えると、次は間違えないようにしようとの意識が働くそうだ。教員にとっても、生徒たちの苦手箇所が即座にわかり、臨機応変に補足説明をしやすくなった。

楽しい授業・生徒主体の授業を追求

クイズのような参加型のパートを効果的に取り入れることで、生徒たちはより積極的に授業に臨むという。
楽しみながらも真剣に教員の解説に耳を傾けるさまは、授業見学をしていて、とても印象的だった。

まずは校務のデジタル化から

Apple社のADS認定校となるまでになった同校だが、最初は校務のICT化から着手したという。

ベースとして、無料のG Suite for Education(Google社の教育機関向けのクラウド式グループウェア)を採用した。
まずは、以下の2つに取り組んだ結果、教員間に「ICT活用は案外難しくなくて大変便利だ」との実感が広がっていった。

  • 職員会議の議事録や資料のオンライン共有(Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート)
  • 職員間の連絡のチャット活用(Google ミート)

さらに、教員専用のポータルサイトの作成や、保護者からの出欠連絡のデジタル化なども進めていった。
校務のデジタル化を重ねた結果、業務の効率化に加え、ペーパレス化で紙の使用量を1/6に抑制、印刷機2台の削減などの成果を創出した。
※「G Suite」は「Google Workspace 」にリブランドされました。

併せて、生徒への一人一台のiPadの展開、ロイロノートやすららなど教育系アプリやサービスの導入を進め、教務のICT化を推進。教員のICTリテラシーの担保のために、教員全員がApple社の提供する教員向けのオンライン学習プログラム「Apple Teacher」の認定を受けるまでになった。その後も継続的に、ICT教育の取り組みを重ね、2019年に、Apple Distinguished School(ADS)の認定校となった。認定を取得する過程で、ビジョンを整理してカリキュラムの検討に繋げていくことは、ICT教育のスピーディーなレベルアップに有益であったという。

取り組みのその先へ

これまで見てきたような授業スタイルの変革や、教育系アプリによる効率化、新型コロナでのオンライン授業へのスムースな移行など、ICT活用のメリットは多い。アクティブラーニング強化の取り組みが、大学受験の推薦入試にどう繋がっていくかも興味深い。
さらに受験生の親の一部から、ICT活用の取り組みを評価されつつあるなど、今後の生徒募集への効果も期待される。

取り組みのその先へ

※中学1年生も、イラストを入れた発表用のスライドを授業中にテキパキと作成している

ICT活用を推進してきたICT教育推進委員長の三室 哲哉教諭は、「デジタル化したことで、授業準備に割く時間が増やせ、授業において生徒の活動をいかに増やすかを考えることができるようになった。短期間でICT活用を進めることができたのは、生徒主体で考えて、先生たちが団結して取り組めたことが大きい。今後は地域の学校のICT化をリードし、サポートしていきたい」と語る。

KDDI まとめてオフィス:学校に寄り添った支援をしてくれ、今後の相談役として期待

Windows PC、Chromebook、iPad、とさまざまな導入パートナーと取引があった北鎌倉女子学園。パートナーとしてKDDI まとめてオフィスを選んだ理由は、担当営業の熱意と行動力に加え、自社の都合の押し付けでなく「学校に寄り添った提案と対応」だという。さまざまな相談ができ、他校の学校見学会の紹介などもしてくれるので、今後は、iPad導入に留まらず教育分野を共に盛り立てていくパートナーとなってくれることを期待したいと語ってくれた。


<取材協力>
学校プロフィール:北鎌倉女子学園中学校・高等学校 様
神奈川県鎌倉市私立/女子校/中高一貫教育/中学校92名・高等学校338名(2020年4月)
「のびやかな自立した女性を育む」を教育理念とし、専門教育に力を入れる音楽科でも定評がある。
2019年に、日本に現在10校あるApple Distinguished School(ADS)の認定校となった。

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