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エンゲージメントを高めるには?向上させる方法からテレワークへの応用まで解説

エンゲージメントを高めるには?向上させる方法からテレワークへの応用まで解説

2021年02月25日掲載(2023年11月06日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

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従業員のエンゲージメントはどのような手法で高めていくとよいのでしょうか。ここではテレワークを推進・導入する経営者・管理職・人事・総務の決裁者などに向け、エンゲージメントの基本から向上方法まで解説します。テレワーク時の対策まで紹介するため、ぜひ参考にしてください。

目次

エンゲージメントとは?

ビジネスで「エンゲージメント」というときには、マーケティング用語として使われる場合と、人事用語として使われる場合があります。今回は、人事用語としてのエンゲージメントについて解説します。

人事用語としてのエンゲージメント

エンゲージメントは「しっかりとした結びつき」をイメージさせる言葉で、「約束」あるいは「契約」などという意味で用いられます。人事で使う際は「従業員エンゲージメント」とも呼ばれ、「従業員の企業に対する思い入れ、または愛着」というニュアンスで使われます。

従業員エンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントとは、企業の考え方に賛同したうえで組織に貢献することを指します。企業理念や経営方針を理解し、納得しているかどうかがポイントです。現代社会において、従業員エンゲージメントは働きやすい環境を整えるために尊重されています。

モチベーションとの違い

モチベーションと従業員エンゲージメントの相違点は、企業に抱く思いや理解の強さにあるといえます。モチベーションとは、自分のやりがいや楽しみのために頑張ることです。したがって、モチベーションが高い従業員であったとしても、企業に対する思い入れや愛着があるとは限りません。

ロイヤリティとの違い

ロイヤリティと従業員エンゲージメントの相違点は、企業の考え方に納得しているかどうかです。ロイヤリティとは、組織そのものに対する忠誠心を示す言葉です。そのため、ロイヤリティが高い従業員であったとしても、企業理念・経営方針などへの理解が不十分である可能性があります。

従業員エンゲージメントが重視されるようになった背景

従業員エンゲージメントが重視される理由のひとつに人材不足が挙げられます。働き手が減少したことで、企業は人材確保に迫られるようになりました。転職などによる人材の流出をくい止めるには、エンゲージメントにもとづき働きやすい環境を築く必要があります。

また、エンゲージメントが高ければ従業員が企業貢献に励むと考えられるため、生産性向上の目的でも尊重されています。

従業員エンゲージメントを高めるメリットは?

従業員エンゲージメントを高めることで、具体的に企業が得られるメリットについて解説します。

業績が上がる

従業員エンゲージメントを高めると、業績の妨げとなる因子の抑制が可能です。エンゲージメントが低ければ、企業に貢献する気持ちが乏しく生産性が停滞するとともに、建設的なアイデアが生まれにくくなります。加えて、人材育成にも影響しかねません。

対して、エンゲージメントを高めると活発に働く従業員が増えます。また、積極的に人材を育成する雰囲気が芽生えると、さらに業績向上が見込めます。

離職を防ぐ

従業員エンゲージメントの向上は、離職率の低下に効果的です。働きがいや愛着などで、従業員を企業につなぎとめられるためです。一方、待遇改善に絞って対策をするのでは、優秀な人材が他の企業に流出しかねません。「この企業だからこそ働きたい」と従業員に意識させるように、エンゲージメントを向上させる必要があります。

従業員エンゲージメントが低下する原因とは?

企業の制度や風土、人間関係などが従業員エンゲージメントを低下させます。エンゲージメントに影響をもたらす原因を紹介します。

公正性を欠く人事制度

従業員が不満を抱く人事制度は、エンゲージメントを低下させます。たとえば、年功序列で評価される制度では、若い従業員が不利です。企業に貢献しても報われないと認識されると、企業から気持ちが離れてしまう恐れがあります。また、評価体制が不明瞭なのも働く意欲を削ぐ可能性が高いです。公平な人事制度であるか、今一度見直しましょう。

将来性の欠如

企業に人材育成の仕組みがなければ、従業員が他の企業に関心を寄せる可能性があります。また、キャリアに対する希望を叶えられない企業も、従業員を失望させる傾向があります。エンゲージメントの低下を防ぐには、従業員が将来を託せる企業であることが重要です。

職場環境の問題

エンゲージメントの低下をもたらすもうひとつの原因は、職場環境への不満です。たとえば、ネットがつながりにくいなど設備に問題がある、職場の風通しが悪くコミュニケーションを取りにくいなどの理由が挙げられます。また、実情にあわないルールで業務を進めにくいという理由もあります。

さらに、働き方にも注目してみましょう。テレワーク制度がないなど、ワークライフバランスが悪い環境もエンゲージメントを引き下げます。従業員が働きやすい職場を作り、エンゲージメントを高めましょう。

従業員エンゲージメントの調査方法は?

従業員エンゲージメントは調査可能です。ここでは、調査方法とエンゲージメントの3つの指標について解説します。

パルスサーベイ(意識調査)を実施する

パルスサーベイとは、従業員の価値観を測るためのアンケートです。アンケートの頻度は企業により異なりますが、従業員の負担とならないよう、数カ月や半年に一度を目安にします。質問数は多くとも10個までが無難です。

質問例は、以下のとおりです。

・企業について、友人や家族に紹介したいですか

・仕事にやりがいはありますか

・職場の人間関係は良好ですか

従業員エンゲージメントの3つの指標について評価する

従業員エンゲージメントは複数あります。それぞれの指標について解説します。

1.エンゲージメント総合指標

従業員の組織に対する気持ちを測る指標です。「他人に企業を紹介したいと感じるか」「組織に所属することに満足感があるか」「これからもこの企業で働きたいか」などの質問から評価できます。

2.エンゲージメントドライバー指標

従業員と職場環境や仕事詳細に対する相性を測る指標です。

以下の3つのエンゲージメントがあります。

・従業員と職場環境の相性をみる「組織ドライバー」

・従業員と仕事の相性をみる「個人ドライバー」

・従業員に対し、仕事の難易度が適しているかをみる「職務ドライバー」

3.エンゲージメントレベル指標

従業員の仕事に対する気持ちを測る指標です。「仕事にやりがいがあるか」「働いていて楽しく感じるか」「熱意をもって働けているか」などの質問から評価できます。

従業員エンゲージメントを高める3つの施策とは?

従業員エンゲージメントが低いときは、向上のための対策を取りましょう。ここでは、エンゲージメント向上に効果的な3つの施策を紹介します。

1.働き方の見直し

従業員が柔軟な働き方を自主的に選べるように、制度を整えましょう。たとえば、テレワークのように、ワークライフバランスを推進する施策は効果的です。また、従業員によって仕事に対する価値観・キャリアビジョン・企業に期待する内容は異なります。そのため、制度を見直す前にアンケートや面談などを介し、従業員の希望をヒアリングする必要があります。

2.人事評価制度の見直し

公正な人事評価制度を定めることも大切です。成果にもとづき納得できる見返りが得られると、エンゲージメントが高まります。評価を公正に行うためには、評価基準のルール化が求められます。

3.職場環境の改善

働きやすい環境を作るには、管理職の意識改革が必要です。マネジメント職を対象とした研修などを計画・実施し、従業員同士がコミュニケーションを取りやすく、雰囲気のよい職場を作りましょう。

従業員エンゲージメント向上に成功した企業例

従業員エンゲージメントの向上は、企業活動によい影響をもたらします。エンゲージメント向上に成功した企業を紹介します。

Google

Googleでは、風通しのよい職場環境のために「1on1ミーティング」を実施しています。上司と部下が2週間ごとにマンツーマンで面談を行い、業務の内容や課題、サポートや休暇の申請まで幅広い内容のやり取りが可能です。上司と部下の信頼関係が構築され、双方の成長が見込めます。

リクルートグループ

リクルートグループでは、場所にこだわらない働き方を実現すべく2015年からテレワークを推進しています。当初は、企業内に反対する雰囲気が見られたものの、役員が率先してテレワークに従事する姿勢を見せることで風向きを変えました。2020年時点では、4割の従業員がテレワークで勤務するようになりました。

テレワーク環境で従業員エンゲージメントを高めるには?

テレワークは柔軟な働き方ができる一方で、従業員エンゲージメントの低下が懸念されます。たとえば、対面ではすぐに伝えられる内容でも、ネット環境ではニュアンスが伝わりにくいかもしれません。チャットツールの使用を推進するなどして、従業員間のコミュニケーションを促すようにしましょう。

進捗が見えにくいという問題に対しては、業務進捗報告の義務化、スケジュールの見える化などが効果的です。他にも、部下のモチベーションを高めたいという上司がいる場合は、オンラインによる面談やミーティング、組織ビジョンの共有などを提案しましょう。

また、地方からテレワークに参加する従業員は、都心よりも福利厚生サービスを利用しにくい場合があります。福利厚生も、エンゲージメントに大いに影響を及ぼします。エンゲージメントを高めるには、KDDI まとめてオフィスの「まとめて福利厚生」のように、福利厚生のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。以下の企業事例を参考にしてください。

※参考:

アイミー株式会社|KDDI まとめてオフィス

※参考:

株式会社クアーズ|KDDI まとめてオフィス

まとめ

エンゲージメントとは、従業員が企業の方針に納得した上で、組織に貢献することを指します。エンゲージメントが向上すると企業の業績が上がります。働き方や人事制度、職場環境を見直してエンゲージメントを高めましょう。

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※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。