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林業土木業界からの熱視線に応えて、Starlinkの導入から使い方まで徹底解説。

林業土木業界からの熱視線に応えて、
Starlinkの導入から使い方まで徹底解説。

2025年08月26日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。
林業土木業界からの熱視線に応えて、Starlinkの導入から使い方まで徹底解説。

林業土木業界から高い関心が寄せられている「Starlink Business」。KDDI まとめてオフィスでは、一般社団法人・名古屋林業土木協会様の要請を受け、同協会主催の「令和7年度 林業土木技術講習会」(岐阜県高山市)において、Starlinkの導入から使い方まで、約2時間にわたって詳しく紹介。長年、携帯電話の電波の届かない山間地で連絡や情報共有に苦労されてきた林業土木関係者様にとってStarlinkに対する期待は大変大きく、熱気の溢れる講習会となった。

「令和7年度 林業土木技術講習会」開催概要

名古屋林業土木協会様は、愛知県、岐阜県、富山県における国有林野の林業土木事業に関わる59社(正規会員)で構成され、会員の技術向上、経営基盤の強化などに関する事業を行うとともに、国土と地球環境の保全、地域振興への寄与を目的として多様な活動を行っている。

同会では、毎年、会員企業に対して労働災害の防止や最先端技術を用いた業務効率化などの講習会を行っており、2025年5月27日・28日に開催された本年の大会では、KDDI まとめてオフィスが「未開の地をつなぐ-Starlinkが拓く林業土木の未来」と題した講習を担当。会場となった岐阜県の高山市民文化会館にStarlinkアンテナなどを持ち込み、衛星通信のデモンストレーションを行うとともに、Starlinkの基本から応用まで幅広く解説した。

未開の地をつなぐ- Starlink が拓く林業土木の未来

山岳地帯でも大容量低遅延のインターネット利用が可能

講習会では、169名の会員企業の皆さまを前に、KDDI まとめてオフィス(株) 取締役 中部統括本部長・田中得傑が挨拶を行い、続いて、KDDI まとめてオフィス(株) 法人営業2部 衛星通信担当の松下鑑がStarlinkの仕組みや特長、導入メリットについて説明した。

「今や、携帯電話はつながるのが当たり前の時代になり、auの携帯電波網も人口カバー率が99.9%を超えています。しかし、国土の7割が山地の日本では、面積カバー率で計算すると約60%にとどまっており、林業土木の現場では電波が届かないことも珍しくありません。通信を用いたさまざまなサービスを利用して、多くの業界がDXを推進するなか、林業土木業界はまだまだご苦労されているとのお声を多くいただきます。そこでKDDIでは、日本中どこでもつながる通信環境を目指し、他社に先駆けてStarlinkの普及に力を注いでいます。

以前から、衛星携帯電話というサービスがあり、我々もご提供していましたが、Starlinkが素晴らしいのは、通話だけでなくインターネットなどのデータ通信を快適に利用できることです。しかも、40〜220Mbps(下り最大)という高速かつ低遅延のデータ通信ができるため、オンライン会議も容易に行うことができ、発注者様による遠隔臨場のツールとしても活用が広がっています。

Starlinkがあれば、もう携帯電話の電波が通じる場所を探し回る必要はありません。災害や事故の発生時も、素早く連絡ができます。建設機械が故障した場合には、状況を写真や動画で送信することで早期の解決を図ることができるでしょう。
さらに、従業員が休憩時間に家族・友人とチャットができたり、動画視聴を楽しんだりすることができるようになるなど福利厚生面での効果もあり、人手不足の解消も期待できます」(松下)。

所組様・導入効果「従業員の業務負担軽減と、安全性向上につながった」

また、講習会の途中で、名古屋林業土木協会の会員であり、すでにStarlinkを活用している株式会社所組の取締役・後藤千夏様から、導入の経緯とメリットについてお話しいただいた。

「導入のきっかけは、公共工事の発注者様によるStarlinkの見学会に参加したことでした。当社でも、電波の通じない現場での連絡や、CAD図面・書類の共有に時間がかかり、従業員の大きな負担になっていました。そして、何よりも事故や災害が発生した際に緊急連絡ができないことを一番心配していたことから、見学会の後、すぐに導入を決めました。

当初は、費用面の問題で個人用プラン(レジデンシャルプラン)のStarlinkを購入したのですが、通信が切れたり、複数のスマートフォンやパソコンを接続するとつながらなくなってしまうことがあり、やはり業務で使うには身近でサポートしてくれる人が必要だと痛感し、KDDI まとめてオフィスから改めて導入する形になりました。

現在は、KDDI まとめてオフィスのサポートによって快適に活用できており、導入台数も4台に増えました。現場での連絡はもちろん、建設関係の情報共有システムへのアクセスも可能になり、移動時間やコストを削減でき、大幅な業務効率化を実現できています。また、山は天候の変化が激しいので、雨雲レーダーなどのアプリで状況を確認することで災害防止に役立てています。労働環境の安全性が高まったことは大きな効果だと感じています」(後藤様)。

ここまで違う! 個人向けプランと、法人向け「Starlink Business」

Starlinkを導入する際、所組様のように、個人向けプランを契約したものの、後に法人向けプランである「Starlink Business」に切り替えるお客さまが多い。そこで、両者の違いについても詳しく解説した。

「個人向けプランは費用面で魅力的なことから、導入を検討する企業さまも多いと思いますが、両者の間には大きな違いがあります。一番の違いは通信品質です。個人向けプランの場合は、通信速度が20〜100Mbps(期待される下り速度)であるのに対して、法人向けプランは40〜220Mbpsと約2倍の速さです。また、通信が混雑した際には個人向け(レジデンシャル)よりも法人向けを優先する仕組みになっています。

さらに、提供する機器にも違いがあり、法人向けプランのStarlinkアンテナは、個人向けプランに比べ約1.5倍の横幅がある高性能(HP)タイプです。耐環境性能にも優れており、大雨でも通信が可能なプロ仕様になっています。

また、所組様からもお話があったように、サポート面でも大きな違いがあります。KDDI まとめてオフィスの「Starlink Business」なら、有償にはなりますが、スタッフが導入や設置のサポートを行い、トラブルにも24時間365日対応いたします」(松下)。

実機の展示とデモンストレーション

また、講習会の休憩時間には、Starlinkのデモンストレーションも実施。高山市民文化会館の2階屋根にStarlinkアンテナを設置し、ケーブルを会場内に引き込むことでWi-Fi環境を構築。皆さまにSSIDとパスワードをご案内して、スマートフォンで接続体験をしてもらった。Starlinkの標準(Wi-Fi)ルーターは、128台の端末から同時接続が可能なので、一斉に接続しても快適なインターネットアクセスができ、「事務所のWi-Fiより速い」との声もあがった。

さらに、ロビーに設けた展示・商談コーナーにも次々と参加者が訪れ、屋根に設置されたアンテナを見学したり、KDDI まとめてオフィスのスタッフにさまざまな質問を投げかけたりしていた。
とくに、多く寄せられたのは「林道など、木々に囲まれた現場でも使うことができるのか」という質問。これに対して、木は電波を遮るので、なるべく開けた場所にアンテナを設置することをお伝えするとともに、Starlinkが使えるかを調べられるStarlinkアプリも紹介。「誰でも自由にダウンロードでき、Starlinkの電波状況を確認しながら最適な設置場所を探すことができますので、ぜひお試しください」と案内し、早速ダウンロードをする人も見られた。

また、岐阜県や富山県内では、積雪のために冬季は山での仕事ができないことから、その間のStarlinkの費用も大きな関心事となっていた。これに対してKDDI まとめてオフィスから、「本当は継続してご利用いただきたいですが、Starlinkを使用しない期間は、一時的に解約していただいて結構です。Starlinkキット(アンテナ、電源モジュール、標準ルーター、ケーブルなど)は買取ですので、そのままお客さまの方で保管していただいて、春に再開する際に、改めて利用申込をしてください。その際、変更契約料(13,200円)が発生しますが、使わない期間の月額利用料はかかりません。実際、林業土木業界のお客さまは、こうしたご利用方法が多いようです」と説明し、多くの皆さまが納得の表情を見せていた。
※2025年6月現在

スマートフォンが衛星と直接つながる「au Starlink Direct」スタート

講習会の最後には、この春からサービスを開始した「au Starlink Direct」についても紹介。専用の衛星を使った新しいサービスで、専用アンテナなしでauスマートフォンから直接衛星通信ができる。

「auスマートフォンの対象機種(約50機種)をお使いであれば、誰でも、当面無料でご利用いただけます。現時点では、まだ音声通話はできませんが、テキストメッセージ(SMS/RCS/iMessage)のやり取りや、自分の位置情報の共有、緊急速報メールの受信、知りたいことを調べることができるAIチャット(Gemini in Google メッセージ/Android、シンプルAIチャット/iPhone)の利用が可能です。アンテナなどが持ち込めない険しい山中や、現場巡回時の連絡、緊急時などの頼れる通信手段としてご利用いただけます。山間地でも、海洋でも、"空が見えれば、どこでもつながる"KDDIの通信サービスを。ぜひ皆さまのお仕事にご活用ください」(松下)

Starlinkの基本から、使い方まで、約2時間に及んだ講習会は、大きな拍手とともに閉幕。かねてよりStarlinkへの関心が高かったこともあり、Starlinkの出張デモンストレーションを希望する声も多く寄せられた。
KDDI まとめてオフィスでは、「Starlink Business」をはじめとした多様な通信サービスで、これからも林業土木業界の業務効率化と安全性の向上に貢献し続けていきます。
※2025年6月現在

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