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スマホを会社支給するメリットとデメリット・ルールのポイントを解説

スマホを会社支給するメリットとデメリット・ルールのポイントを解説

2021年01月14日掲載(2023年12月19日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

スマホを会社支給するメリットとデメリット・ルールのポイントを解説

2023年5月以降5類に位置づけられてもなお、コロナウイルスは働き方に大きな変化を与えています。コロナ禍で急速に広まったテレワークは、8割以上の従業員が継続したいと感じるなど従業員の満足度に強く関連しており、人材採用にも影響しています。優秀な人材を採用するために、自社でもテレワークを行いたいと考える企業は一定数存在するでしょう。しかし、テレワークの導入がうまくいかない企業が存在するのも事実です。

この記事では、テレワーク導入で困っている企業の担当者さまに向けて、「スマートフォンの活用」でテレワークを成功させるポイントを解説します。

1.テレワーク導入により必要となる会社支給のスマホ

コロナ禍で以前から推進されていた「テレワーク」に注目が集まり、結果として通勤やオフィスでの感染リスクが減少しました。2022年度に国土交通省が行った調査では、テレワークを行っている方の約87%がテレワークを継続したいという意向を示しています。

出典:国土交通省「令和4年度テレワーク人口実態調査」

また、東京都の調査では、2022年10月の時点で、東京都の企業のうちおよそ75%は今後ともテレワークを継続し、およそ12%は規模を縮小しつつテレワークを継続すると回答しています。

出典:東京都「テレワークの導入状況調査結果の概要」

その一方で、中々テレワーク導入に踏み切れない企業があるのも事実です。テレワーク導入に踏み切れない主な理由には、以下のようなものが挙げられます。

  • 現場での作業が必要な業務のため
  • 対面での業務のため
  • 文書の電子化が進んでいないから
  • 社内のコミュニケーションに支障があるから
  • 情報漏洩が心配だから

出典:東京都「テレワークの導入状況調査結果の概要」

これらの理由のうち、業務上困難なものを除いては、課題を解決すればテレワークに踏み切れるだけでなく、業務の効率化も可能です。例えば、社内文書の電子化については、電子化を進めれば検索性や紛失リスクが減少し、業務効率も改善します。コミュニケーションに支障がある場合はオンライン会議ツールやチャットツールの活用、情報漏洩が心配であればクラウドサービスの利用やセキュリティサービスの導入で解決できます。

中でも、特に注目したいのが、スマートフォンの活用です。「パソコンがあれば十分ではないのか」という声も聞こえてきそうですが、コミュニケーションの活性化、家庭内での仕事の効率化には、スマホの有効活用が欠かせません。

 

2.スマホを会社支給するメリット

スマホを会社支給することは、会社にとって多くのメリットがあります。スマホは単に通話機能が搭載されているだけでなく、業務効率化に役立つさまざまなソリューションを利用できるツールです。スマホの有効活用は、『テレワークの第一歩』とも言えるでしょう。スマホを会社支給する代表的なメリットは、以下のとおりです。

 

2-1.業務の効率化につながる

スマホを会社支給すれば、高度なセキュリティを保ちながら、社外から社内の情報にアクセスでき、業務効率化につながります。

情報管理の重要性が高まっている現代では、社内サーバーや自社の機密情報へ社外からアクセスできないようセキュリティ対策を講じている企業が多いでしょう。セキュリティ制限を設けることは、情報漏洩のリスクを低減するために必要な措置です。一方で、「テレワークや営業活動など社外にいる従業員がアクセスできず困る」という事態も発生しています。こうした問題を解決できるのが、スマートフォンを使った2要素認証です。

2要素認証とは、IDやパスワードなどの記憶認証(知識認証)にくわえて、指紋などの生体認証あるいはスマホなどの物質認証のうち2つを使い、個人を認証するセキュリティ対策です。社用スマホを物質要素として2要素認証に活用すれば、社外からでも社内のサーバーや機密書類にアクセスできるよう設定を行いながら、セキュリティを保てます。どこからでもスムーズに業務を進められ、業務を効率化できるでしょう。

 

2-2.情報漏洩を防止できる

業務用スマホの導入により、会社が社内情報にアクセスできるスマホの存在を把握・統制でき、情報漏洩を防止しやすくなります。

企業がスマホを導入しない場合、社員が利便性を優先して個人所有のスマホを利用する「シャドーIT」問題が起こるケースがあります。シャドーITとは、企業が把握できない状態で、従業員がIT機器・サービスを独自に導入してしまうことです。どれほど企業が情報セキュリティに気を遣ったとしても、シャドーITが残っていれば、情報漏洩やサイバー攻撃によるウイルス感染などの危険度が高まります。また、もしも個人のスマホから顧客の情報にアクセスを行った場合、コンプライアンス違反により取引停止などの処分を下される可能性はゼロではありません。

業務用のスマホを導入することにより、従業員は自身の労力をかけずに、セキュリティ対策を十分に施したスマホで、どこでも安心して業務を遂行できます。企業側もセキュリティ面で統制しやすくなるため、情報漏洩やデータの紛失といった事態を防ぎやすくなるでしょう。

 

2-3.顧客とのやり取りが効率化される

業務用のスマホ導入により、顧客と安全にどこでも効率よくやり取りできます。

スパムメールやフィッシングメールをはじめとした、電子メールによるサイバー攻撃は年々活発化し、その手口もますます巧妙化しています。そのため、メールから脱却し、情報のやり取りをチャットツールやクラウドサービスへ移行する企業も増えてきました。新しいソリューションはガラケーに対応していないものも多く、ガラケーのままでは顧客とのやり取りに支障をきたす恐れもあるでしょう。

また、改正電子帳簿保存法の施行により、2024年以降は企業間の取引を電子データとして保存することになります。今後、企業間のやり取りがすべてオンラインで完結するように変化していく可能性は高く、ガラケーのママでは業務に支障が出る恐れがあります。

ほかにも、顧客がたとえ多忙であっても、チャットツールを活用してやり取りを行えば、相手が手の空いたタイミングで返答できるため、顧客と密なやり取りが可能です。さらに、利用者がチャットグループ内に限られるチャットツールの場合、不特定多数に情報を誤送信する可能性を下げられます。電話のように不要な行き違いを起こし、お互いに何度もかけ直すということもありません。

今後、顧客とやり取りする上で、業務用スマホとチャットツールを掛け合わせて活用する方法が主流になる日も近いかもしれません。

 

2-4.仕事とプライベートを分けられる

従業員の私用スマホを業務でも使う場合、休日や業務時間外にも仕事に関する連絡が入ったり、顧客や取引先から対応を求められたりする恐れがあります。休日に連絡を受け取ると、社員は疲弊するだけでなく会社への満足度が低下し、結果としてメンタルヘルスに問題を抱えたり、離職したりするケースもあるでしょう。

業務用のスマホ導入により、私用スマホと用途を明確に分けられるようになり、業務時間外は社用スマホの電源をオフにできるようになります。プライベートの時間に仕事の連絡が入ることがなくなるため、仕事とプライベートをしっかり区別でき、社員のワーク・ライフ・バランスを向上できます。

もちろん、会社として「業務時間外に業務用スマホには出ない」とルールを設け徹底する、業務時間外の着信は専用のアナウンスに転送するなど、制度面や環境面で従業員の行動をサポートする必要もあります。

 

3.スマホを会社支給するデメリット

従業員に社用スマホを支給すると多くのメリットがありますが、デメリットもいくつかあることに注意が必要です。メリットとデメリットの両方をふまえた上で、社用スマホの導入を検討しましょう。スマホを会社支給するデメリットを4つ紹介します。

 

3-1.情報漏洩のリスクがある

社用スマホの導入には、従業員の私用スマホを業務利用するより情報漏洩のリスクを抑えられるというメリットがありますが、リスクを完全にゼロにはできません。スマホは社外の情報を容易に社外へと持ち出せるツールです。外出先に置き忘れた場合は、社内情報や顧客情報が流出してしまう恐れがあることに注意しましょう。

社用スマホを導入する際には、情報漏洩を事前に防ぐセキュリティ対策が必須となります。社内情報へのアクセスに追加で顔認証・指紋認証などの生態認証を設定したり、遠隔でロックや端末の初期化ができるよう整備したりするなど、セキュリティリスクを抑えるための対策を講じておきましょう。

 

3-2.導入と運用のコストがかかる

社用スマホを導入する際には、導入する台数分の端末購入費用や契約料が必要となります。社用スマホを使用する従業員(利用者)の数が多い企業ほど、導入コストが高くなることに注意しましょう。また、基本使用料や通話料・通信料といったランニングコストもかかる点を押さえておく必要があります。

社用スマホの導入・運用におけるコスト削減を実現するためには、端末の機能・スペックや契約プランを十分に比較・検討することが大切です。想定する使い方や予算に合わせて適切な機種・料金プラン、支給する対象の範囲を選択しましょう。

 

3-3.私用で利用するおそれがある

社用スマホは会社の所有物ですが、従業員のコンプライアンスが低い場合はプライベートでも動画の視聴やインターネットの閲覧などに利用されるおそれがあります。私用スマホをプライベート利用する従業員がいた場合、利用したアプリやサイトなどから社用スマホに入っている情報が流出するリスクが高まります。

従業員による社用スマホの私的利用を防ぐためには、社用スマホの運用ルールを定めた上で従業員に周知することが大切です。業務時間外は社内で一括管理するなど、プライベートに持ち込ませない工夫も必要となるでしょう。また、あらかじめインストールできるアプリを管理者側で制限する、ログを確認するなどの方法で、不正に社用スマホを利用しないようにコントロールできます。

 

3-4.2台持ちの負担や紛失の危険性がある

日本におけるスマホの普及率は高く、従業員の多くはプライベート用のスマホを所持しています。社内スマホを支給した場合、従業員は仕事用と個人所有の2台のスマホを所持するため、持ち歩きや管理に関する負担が増大すると考えられます。適切に管理されていないと、盗難や紛失のリスクが高まる点にも注意が必要です。

社用スマホを導入する際には、2台持ちの負担や手間を考慮した上で、プライベート用と混用しないような工夫やセキュリティ対策を講じることが大切です。従業員の意見も広く取り入れた上で、持ち運びやすい端末・ケースを選ぶのもよいでしょう。

 

4.社用スマホのルールを決める際のポイント

社用スマホを導入する際には、使用・管理に関するルールを明確に定めておくことが重要です。使用ルールを定めずに運用した場合、従業員の私的利用によるコストの増大やウイルス感染による情報漏洩などのリスクが高まるおそれがあります。下記のようなポイントをふまえた上で、自社の状況に適したルールを設定しましょう。

◆社用スマホのルールを策定する際のポイント

・私用目的での利用を禁止する

情報漏洩や通信費などのコスト増大といったトラブルを防ぐためにも、従業員の私的目的での利用を禁止することを社内規定やマニュアルに明記します。「設定を無断で変更しない」「他人に貸さない」など、具体的な例も忘れずに併記しましょう。

・定期的に利用状況を確認する

社用スマホを適切に運用できているかどうか、従業員の利用状況を定期的に確認することも大切です。従業員にも周知した上で通話記録・通信記録やアプリの利用状況を調査し、「私的に利用されていないか」「ルールを守れているか」をチェックしましょう。

・セキュリティ対策を行う

社用スマホの紛失や盗難、ウイルス感染による情報漏洩といったトラブルを防ぐためには、会社側だけでなく従業員のセキュリティ意識も重要です。会社側が行えるセキュリティ対策を講じた上で、「不要なアプリを入れない」「送信元不明のメールは開封しない」「不特定多数のいる場ではショルダーハックを意識し、壁を背にした場所でのみ機密情報の閲覧を許可する」など、従業員が行える対策も明記しましょう。

 

5.2つの事例から見る!社用スマホの活用法

社用スマホを活用するには、具体的な他社事例を知り、自社に応用するのがおすすめです。営業部門と総務部門のコミュニケーションに課題があったA社と、機密情報へのアクセスや顧客とのやり取りに課題があったB社の例から、社用スマホの活用法を解説します。

 

5-1.製造業A社の場合

電子部品メーカーのA社では、以前から顧客を訪問して社外にいることが多い営業担当には会社用のスマートフォンを支給して、総務部門とのやりとり、工場との納期確認、カタログや技術情報の閲覧などを実施していました。しかし、感染症対策で総務部門は在宅勤務に変わり、新たなコミュニケーションの手法が求められました。

そこで、在宅勤務になった総務部門のスタッフにもスマートフォンを支給、チャットツール、社内用グループウェアで、営業担当とコミュニケーションを取るようにしました。また、工場で働くスタッフと総務部門のやり取りのために工場スタッフにもスマートフォンを支給し、全社に会社用スマートフォンが行き渡るようになりました。

総務部門は常に他部署との連携が求められており、在宅勤務を取り入れることで、これまでと同様に、他部署とうまくコミュニケーションが図れるか不安視されていました。しかし、スマートフォンの活用により大きなコミュニケーションミスを起こさずに出社回数を減らせました。

さらに、工場のスタッフにスマートフォンが行き渡ったことで思わぬ営業効果も上がるようになりました。営業担当が客先で故障の問い合わせを受けた際、スマートフォンで問題の箇所を動画で撮影し、リアルタイムで工場のスタッフに共有します。工場のスタッフは対処法をすぐに見極められ、これまで営業先で持ち帰っていた案件も即答できるようになりました。お客さまの満足度も向上し、業務効率もアップするなど、スマートフォンの活用は数多くのメリットをA社にもたらしています。

 

5-2.製薬会社B社の場合

中堅製薬会社のB社では、営業担当やMR(医薬情報担当者)のほとんどは直行直帰を行います。そのため、経費精算や日報の作成といった日常業務、社内でしか閲覧できない最新の医薬情報へのアクセスなどに課題を抱えていました。

そこで、営業、MRにスマートフォンを支給、経費精算や日報作成、日常の連絡などを社内グループウェアでできるように社内制度を変更しました。また、医薬情報などは電子化し社内サーバーに保管、特定のスマートフォンからしかアクセスできないように高いセキュリティを確保して、社外からの閲覧を実現しました。

コロナ禍では、営業先である病院に訪問することが困難になりましたが、医師や薬剤師と大事なやり取りはビデオ会議を使い、画面越しに相手の表情を読み取りながら打ち合わせを行い、関係性を維持できました。また、日々のやり取りはチャットツールでコミュニケーションをとるようにしていったところ、医師からもさまざまな情報を提供されるようになりました。電話の場合、忙しいときに出るのは困難ですが、チャットツールの場合、時間があるときに返信できるため、コミュニケーションが取りやすくなりました。

 

まとめ

テレワークの導入にあたっては、スマホの会社支給が多くのメリットをもたらします。情報漏洩などのセキュリティリスクを軽減しながら業務を効率化でき、顧客とのやり取りも効率化されるでしょう。また、従業員は仕事とプライベートを分けることが可能です。

ただし、社員のリテラシーが不足しているとリスクが大きくなります。リテラシー教育を行った上で、私用目的での利用禁止などのルールを定め、セキュリティ対策を行うのがおすすめです。

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