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災害時、企業にとって重要なデータを守る有効な方法とは? どう守る?事業継続・早期復旧に不可欠な重要データの管理方法

災害時、企業にとって重要なデータを守る有効な方法とは? どう守る?事業継続・早期復旧に不可欠な重要データの管理方法

2017年02月21日掲載(2024年04月09日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

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災害が起きた時、企業にとって避けたい事態のひとつが業務データの消失です。実際に東日本大震災では、市町村の庁舎に設置されたサーバが津波被害に遭い、多くの住民情報が失われ、業務に困難を来したケースも生じました。
津波に限らず、設備の損壊など、物理的な力が加わることによってデータが失われる可能性もあります。そこで今回は、災害時の事業継続に有効な"データの守り方"についてご紹介します。

目次

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地方公共団体でも79%が『導入検討』。いざという時のクラウドサービス

ご存じの通り、会社で使うパソコンには、日常的に利用するデータから顧客に関する個人情報などの重要な情報まで、さまざまなデータが入っています。災害が起こった場合、パソコンに棚が倒れてきたり、床に落ちるといった物理的な力が加わることで、データが失われる可能性があります。

そこで、データを守る方法として注目を集めているのがクラウドサービスです。通常、データはパソコン内部に保存されていますが、クラウドサービスはインターネット上にデータが保存され、サービス提供者が管理を行います。そのため、パソコンが壊れたり紛失したとしても、インターネットにつながるほかの端末からデータにアクセスでき、以前と変わらず業務で使っていたスマートフォンやタブレットなど、データを利用(閲覧・編集・保存)することができるようになります。

ビジネス向けのクラウドサービスでは、遠隔地にある複数の設備を利用した保存データのバックアップや、専門的なノウハウに基づいたウイルスやサイバー攻撃への対策が取られています。また、データを保存する設備そのものを守るために厳密な入退室管理が行われていたり、停電など万一に備えた電力設備などが整っているケースも多くあります。これらの対策を自社で整えることはなかなか難しいため、自社設備で保存するより安全といっても過言ではありません。また、自社で設備を持たないため、設備投資や運用のコストも抑制できます。

現在は、Googleの『G Suite Business ™』『Office 365 with KDDI』をはじめ、多くのクラウドサービスが提供されています。それらや日本マイクロソフトが提供するサービスはデータを守るだけでなく、災害時の事業継続においても有効です。交通手段が断たれてしまい、通勤が困難な従業員がいたとしても、自宅のパソコンからデータやソフトウエアにアクセスすれば共同作業を行うことができます。上記クラウドサービスでは、メールやチャット機能も利用可能なので、出社している時と同じように社員同士でコミュニケーションを取ることも可能です。

データの保全と、事業継続を促すクラウドサービス。企業防災の一環として導入してみてはいかがでしょう。
★「G Suite」は「Google Workspace」にリブランドされました。

災害に備えたデータセンターの活用もカギに

クラウドの中には『IaaS(Infrastructure as a Service)』と呼ばれるものがあり、これは『G Suite Business ™』のようにメールやスケジュールなど完成されたサービスが提供されるわけではなく、システムを構築する為の基盤を提供するものです。 企業によってはシステムを動かす為のサーバがオフィス内にあるという方もいらっしゃるかもしれません。サーバルームを設け、厳重に管理していたとしても、地震によって建物が損壊・倒壊した場合、データが消失してしまう可能性があることも拭いきれません。加えて、新たなサーバの設置には時間もコストもかかり、事業復旧までの道のりは遠くなります。また、倒壊を避けられたとしても、停電によって利用できなくなることも想定すべきでしょう。

では、どうするとよいのか?ひとつの手段としては、データセンターを活用することです。データセンターとは、コンピュータ設備や通信設備を設置するための施設のこと。安定した電源の供給や、広帯域のバックボーン回線との接続、24時間365日の運用保守などにより、顧客の大切な情報を預かっています。クラウドサービスの場合、ネットワークに障害が生じるとサービスを利用できなくなります。一方で、データセンターはネットワークそのものを保守する目的のものといえます。

一般的にデータセンターとして使われる建物は、地震をはじめ水害や火災など、さまざまな緊急事態を想定して建てられています。また、停電に備えて大型の無停電電源装置(UPS)や自家発電装置を備えているケースが少なくありません。

現在、多くの企業がデータセンター事業を展開しています。その中から選ぶ際には、データセンター事業者の業界団体、日本データセンター協会の会員かどうかをチェックすることも有効です。災害などの事態に対応した一定水準の機能を備えているかどうか、見極めるひとつの目安となります。

例えば、本社が東京にある場合、データセンターは大阪に置くなどしてリスクを分散させることも可能です。

大切なデータの保全に有効な、クラウドサービスとデータセンターの活用。ぜひ事業継続計画に盛り込み、導入検討を進めてみてはいかがでしょう。
★「G Suite」は「Google Workspace 」にリブランドされました。

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