携帯電話の法人契約での必要書類は?手続きの流れや法人契約のメリットも解説
業務の中で携帯電話を使用する会社は多いですが、従業員個人の携帯電話を業務で使用している場合が少なくありません。しかし個人用携帯を業務で使用することは、セキュリティ対策や端末管理・運用のしづらさ、費用面での適切な切り分けが難しいといった課題があります。
個人の携帯電話に業務利用を依存する状況を打破するために、企業で法人契約した携帯電話に切り替えることを検討している経営者や担当者は多いのではないでしょうか。
この記事では、携帯電話の法人契約と契約に必要な書類、契約の切り替え方法などについて解説します。ぜひ、法人契約の携帯電話を導入する際の参考にしてください。
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1. 携帯電話の法人契約について

携帯電話を法人契約に切り替えるには、法人契約の概要を知り、個人契約との違いを認識する必要があります。
1-1. 携帯電話の法人契約とは
携帯電話の法人契約とは、株式会社や合同会社、有限会社や各種団体などが、法人名義で携帯電話を契約することです。法人とは法律によって「人(自然人)」と同じように権利や義務を持つことが認められた組織を指します。
携帯電話のキャリアによって異なりますが、法人契約にはコスト面や管理の面でさまざまなメリットがあります。原則として、個人事業主やフリーランスは「法人」ではありません。しかし、キャリアによっては確定申告書や開業届などを提出し、事業の実態が確認できれば、法人向けの契約を利用できるケースが多くあります。必要書類や条件はキャリアごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
1-2. 個人契約との違い
携帯電話の個人契約と法人契約で異なるのは携帯電話自体ではなく、契約形態や料金プランです。法人契約では複数の回線をまとめて契約するため、基本料金や通話料金が割安、または定額になる法人専用プランが用意されており、個人契約よりもコストダウンを図れる可能性が高いです。
また、この法人契約は、契約回線数によって最終的な料金が変動する仕組みですが、数千の回線契約の大規模契約に限らず、数回線からの契約でも適用されるため、会社規模を問わずメリットを享受しやすいのが特徴です。
法人契約の場合は、一斉連絡などに使える法人向けSMS配信サービスを利用できたり、セキュリティ管理機能(MDM)と組み合わせることで、会社専用ドメインのメールを安全に利用できたりする点も大きなメリットです※1。
※1 会社ドメインの専用アドレスを利用する場合、別途グループウェア導入やレンタルサーバーの契約などが必要になります。
2. 携帯の法人契約の必要書類

携帯電話を法人契約する際に必要な書類は、法人と個人事業主(みなし法人)で異なる点に注意が必要です。
なお、KDDIでは個人事業主が屋号で契約する場合は「みなし法人」として取り扱われ、法人向けの回線プランが利用できます。個人事業主は登記書類が不要で、本人確認書類と補助書類(屋号・代表者名が記載された公共料金領収書など)に加え、支払方法に応じてクレジットカードまたはキャッシュカード・金融機関届出印などが必要です。
以下では、いずれのキャリアで法人契約する場合も必要になる主な書類を紹介します。
2-1. 法人確認書類
法人確認書類とは契約書の内容どおりに法人が実在することを証明するため、提出する書類です。有効期限が切れていない下記書類の原本は、法人確認書類として使用できます。なお、契約時には、法人確認書類とは別に「法人の印鑑(実印・角印など)」そのものが必要です。印鑑に関する詳細は後述の別段落で解説しています。
| 登記事項証明書 (履歴事項全部証明書・ 現在事項全部証明書) |
法人の商号・所在地・役員情報など、法務局に登記されている最新の会社情報を証明する書類です。会社の基本情報や登記事項の変更履歴が確認できるため、法人の実在性や経営体制を確認する重要資料とされています。 |
|---|---|
| 印鑑登録証明書 | 法人の代表者印(会社の実印)が正しく登録されていることを証明する書類で、押印された印鑑が正式であることを確認するために利用されます。 |
登記簿謄本や印鑑登録証明書はインターネットを使用して、オンライン請求するとスムーズです。発行された書類の受け取り方法は、郵送もしくは窓口を選択できます。
オンライン請求以外ではいずれの書類も、法務局の窓口もしくは郵送での請求が可能です。郵送請求する場合は法務局のWebサイトにアクセスして交付申請書をダウンロードし、必要事項を記入して、郵送で提出しましょう。また、登記簿謄本と印鑑登録証明書を提出する際は、原本であり、なおかつ有効期限内(期限のない書類は発行から3カ月以内)のものを用意する点に注意が必要です。
出典:法務局「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」
2-2. 手続き者の本人確認書類
携帯電話を法人契約する際には携帯電話不正利用防止法の規定により、手続き者の本人確認書類も必要です。下記は、本人確認書類として使用できるものの例を示します。原本かつ、有効期限内のものを提出しましょう。
- 運転免許証
- パスポート※2
- マイナンバーカード
また、本人確認書類以外には、手続き者の在籍確認書類が必要です。在籍確認書類とは、手続きを行う人が契約先企業に所属していることを証明するための書類で、会社名・氏名が明記されている必要があります。名刺や社員証のほか、勤務先情報が記載された健康保険証、会社が発行した在籍証明書、給与明細(会社名入り)などもキャリアによって有効です。これらの書類により、なりすまし契約や不正契約を防ぎ、安全な法人契約手続きが可能になります。
※2 2020年2月4日以降に発行されたパスポートには現住所の記載がないため、別途、住民票などの補助書類が必要になります。
2-3. 法人の印鑑
法人印鑑には、代表者印・角印・ゴム印・金融機関届出印などの種類があります。
| 代表者印 | 法人を設立する際、法務局に登録した印鑑 |
|---|---|
| 角印 | 日常業務で使用する、法人名のみが記載された印鑑 |
| ゴム印 | 日常業務で手書きの手間を省略するために使用する、法人名・住所・電話番号などが記載された印鑑 |
| 金融機関届出印 | 法人口座を開設する際、金融機関に届出した印鑑 |
ゴム印では携帯電話を契約できないため、代表者印もしくは角印を準備しましょう。
代表者印は、円印や法人実印などと呼ばれるケースもあります。法人の印鑑登録証明書は、押印した印鑑が代表者印であることを証明する書類です。
2-4. 支払いに必要な書類
料金の支払い方法は通常、「クレジットカード」もしくは指定口座から毎月自動的に引き落とされる「口座振替」を選択できます。いずれを選択するかによって必要なものが異なります。
クレジットカード支払いの場合は「法人名義」または「代表者名義」のカードを準備します。社員個人のカードでは登録できないケースがほとんどなので注意してください。口座振替の場合は、金融機関届出印と口座番号や支店名の分かるもの(キャッシュカードや通帳)が必要です。こちらも原則として、法人名義または代表者名義の口座に限られます。
キャリアによっては口座振替に使用できる金融機関が制限されていることもあるため、不安を感じる場合は、事前に希望の支払い方法で登録が可能か確認しましょう。
2-5. 委任状(申込者が代表者以外の場合)
申込担当者が代表者以外の場合、契約手続きの権限を委任するために委任状が必要です。委任状には、代表者が申込担当者に手続きを認める旨を明記し、代表者の署名と捺印を添えます。記載項目は氏名・役職・委任内容などが一般的です。
多くのキャリアでは専用フォーマットをWebサイトで公開しているため、自社で作成する前に入手できるテンプレートを確認するとスムーズです。委任状とともに、担当者本人の確認書類も準備しておきましょう。
3. 携帯電話の法人契約における審査の内容

携帯電話の法人契約では、法人の信用度を確認するために審査が行われます。主な審査は「契約審査」「分割審査」「与信審査」の3種類です。ここでは、それぞれの内容を解説します。
3-1. 契約審査
契約審査は、申込みを行う企業が法的に実在しているか、手続きを行う担当者が正当な権限を持っているかを確認するための審査です。提出された登記簿謄本や代表者情報をもとに、法人情報の真正性をチェックします。
あわせて、過去の携帯電話利用における料金滞納や未払いの有無も重要な確認項目です。通信会社は、TCA(電気通信事業者協会)やTELESA(テレコムサービス協議会)を通じて未払い情報を共有しているため、過去に滞納があると新規契約やMNP契約が拒否される可能性があります。
携帯電話契約は、利用後に料金を支払う後払い方式を前提としているため、通信会社は契約者の支払い能力を重視します。契約審査はこうしたリスクを判断し、適正にサービスを提供するために行われる重要なプロセスです。
3-2. 分割審査
分割審査は、端末代金を分割払いで購入する際に、申込み企業の支払い能力に問題がないかを確認するための審査です。契約審査が「月額料金の支払い能力」を判断するのに対し、分割審査は端末代金そのものを継続して支払えるかを評価します。そのため、端末を一括払いで購入する場合やSIMのみ契約する場合には実施されません。
審査では、携帯料金の支払い履歴だけでなく、クレジットカードや帝國データバンクなどの企業信用情報、また設立年数、資本金、決済内容などが確認されます。信用情報は完済後も約5年間保存されるため、過去に滞納や遅延がある場合は審査に影響が出る可能性があります。特に高額端末を分割購入する場合は、キャリアの規定により審査が厳しくなる傾向があり、支払能力が慎重に確認されます。
3-3. 与信審査
与信審査は、法人として継続的に支払い能力があるか、また契約先として信用できる企業かを総合的に評価するための審査です。特に端末の大量購入を希望する場合や、高額契約を結ぶ際に実施されることが多く、企業規模・事業内容・財務状況・利益水準・借入状況など、信用力を示す幅広い情報が確認されます。
また、反社会的勢力との関係や不正利用の可能性を排除するため、企業の適法性や事業の健全性もチェックされます。与信審査の基準や詳細は非公開ですが、過去の支払遅延、財務基盤の弱さ、信用情報の不足などは審査に影響を与える可能性があります。評価結果に応じて、契約可否や契約可能な台数の上限、支払い条件が決まるため、キャリア乗り換え(MNP)や新規購入を検討する企業にとって重要な審査プロセスと言えます。
4. 携帯電話の法人契約で必要書類に不備があると審査に通らないケースも
携帯電話の法人契約は、「携帯電話不正利用防止法」という法律に基づき厳格な本人確認が求められるため、提出書類の内容が正確であることが審査通過の絶対条件となります。
法人名・所在地・代表者情報などにわずかでも記載漏れや不一致があると、実在性の確認ができず、審査がストップします。最悪、不正利用の可能性を疑われて契約を拒否される場合もあるので慎重に進めましょう。また、代理人が手続きを行う場合は「委任状」や「社員証(在籍確認書類)」が不足しているケースも典型的な書類不備に該当します。
書類不備の中でも特に多いのが、「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」や「印鑑登録証明書」の有効期限(発行から3カ月以内)が切れているケースです。これらが1つでも欠けていると、手続きは即座に差し戻され、導入計画に大幅な遅れをきたす要因となります。
5. 携帯電話の法人契約で必要書類の不備を防ぐポイント
法人携帯の契約を滞りなく進めるためには、必要書類に不備がないか事前に入念なチェックを行うことが大切です。以下が主なチェックポイントです。
| チェックポイント | 説明 | |
|---|---|---|
| 1 | 住所の表記 | 登記簿謄本と申込書の住所は完全に一致しているか(例:「1丁目2番3号」を「1-2-3」と略して書いていないか) |
| 2 | 法人名 | 「株式会社」などを勝手に「(株)」と省略していないか |
| 3 | 有効期限 | 公的書類は発行日から3カ月以内のものか |
| 4 | 代表者情報 | 生年月日は本人確認書類(免許証など)と一致しているか |
| 5 | 契約手続き担当者情報 | 本人確認書類の住所は現住所と完全に一致しているか |
また、必要書類の種類や提出形式はキャリアごとに細かい違いがあるため、契約前に通信キャリアのオフィシャルサイトから最新情報を確認する、問い合わせフォームやカスタマーサポートから質問するなどして、不明点を解消しておきましょう。
特に法人契約では提出書類が多く準備に時間がかかります。早めに必要書類を確認し、発行申請を行い、事前準備を徹底することで、審査遅延や契約見送りを防ぐことにつながります。
6. 携帯を法人契約する際の流れ

携帯電話の法人契約は、「問い合わせ、契約内容の相談、提案と見積もり、発送と納品」の流れで進めることが通常です。以下では、携帯電話の法人契約方法をステップ別により詳しく解説します。
6-1. 業者へ問い合わせる
携帯電話の法人契約は、キャリアショップの店頭、もしくはキャリアの法人営業担当者や提携する代理店を通じて行います。ショップでは対面で相談を行えるものの、混雑状況によっては、待ち時間が長くなる可能性は否めません。「まずは軽く話を聞きたい」「見積もりが欲しい」という場合は、Webサイトの専用フォームからの問い合わせや訪問予約を行うとスムーズかつスピーディです。
KDDI まとめてオフィスでは、法人オンライン相談デスクを設けており、法人スマホの導入やそれにあわせた最適な機種、プランをご提案します。無料で相談できるので、ぜひ気軽に以下フォームからお申し込みください。
6-2. 契約内容の相談
各キャリアでは法人向けに、通話頻度やデータ通信料にあわせた多彩なプランを用意しています。キャリアの営業担当者や代理店の担当者から詳細を聞き、自社に最適なプランを探しましょう。
たとえばKDDIでは、以下のような法人向けの料金プランや割引サービスをご用意しています。
- データ容量容量を気にせず使える:使い放題MAX+ 5G/4G
- 月々の基本料金を、お申し込み翌月から永年割引する:法人割プラス
- 国内の社員間通話料金を定額にする:ビジネス通話定額
- 対象のauスマートデバイスと固定通信とクラウドサービスをあわせて利用すると割引される:スマートバリュー for Business
初期導入コストを節約したい法人向けには、月額払いの端末レンタルサービスがおすすめです。多くのレンタルには、保守パックが含まれており、レンタル中の自然故障による修理や、一定期間利用後の電池交換が無料になる場合があります。さらに、条件や利用回数に制限はあるものの、紛失や盗難の時には、際代替機を無償で手配してもらえるケースもあります。
極力低コストで携帯電話を導入したい方は、基本料金プランなどの詳細とあわせて、端末レンタルサービスの説明を受けるのもよいでしょう。自社にとって最適なプランがどれか相談しながら決めたい方は、ご都合の良い時間に合わせて利用できる「法人オンライン相談デスク」をご利用ください。
6-3. 提案・見積もり
携帯電話を法人契約する際には、複数の業者に見積もりを取り、比較検討することができます。どのキャリアでも、多くの台数をまとめて契約する場合には、特別条件を提示される可能性があります。見積もりを比較することで相場を把握し、もっとも有利な提案を見極めてください。
また、費用面だけでなく、導入後のサポート体制がどの程度充実しているのかや、希望納期に間に合うように対応してくれそうかなども、重要な見極めのポイントになります。
6-4. 発送・納品
申し込み手続き完了後、審査を経て端末が発送されます。法人契約では、納品後のキッティング作業(初期設定)を代行サービスに任せるのが一般的です。キッティングとは、端末を業務で使える状態に整える、初期設定作業のことです。
代行サービスを利用すれば、以下の作業をプロにまかせられるため、担当者の負担を大幅に軽減できます。
- 端末の初期設定
- セキュリティ対策ソフトのインストール
- 業務アプリのインストール
- MDM(端末管理ツール)の設定
- 動作確認 など
近年では、電源を入れるだけで自動的に設定が適用されるゼロタッチ登録(自動キッティング)にも対応したサービスが普及しています。数百台規模の導入でも、スピーディに利用開始できるため、セキュリティを実現させるためにも活用を検討すると良いでしょう。
7. 携帯の法人契約にかかる費用は?

法人契約にかかる費用は、大きく「初期費用(イニシャルコスト)」と「月額費用(ランニングコスト)」に分けられます。たとえば、KDDI法人の場合、契約時の事務手数料として1回線あたり税込3,850円必要です。
また、ランニングコストは契約内容に応じて変動しますが、一般的に無料通話時間が長いプランや、定額で利用できるデータ容量が多いプランほど、基本料金が高くなります。加えて、一括購入でない場合、月々端末代金を支払っていきます。たとえば、KDDIの「スマホミニプラン+5G/4G」のようにデータ容量が段階制のプランを選択した場合、割引適用後の最低基本料金は税込2,618円です。一方、データ容量の制限がない「使い放題MAX+5G/4G」プランで契約する場合の最低基本料金は、税込5,258円に上がります。
さらに、KDDIの法人向け通信サービスを組み合わせることで、ランニングコストを抑える方法もあります。たとえばオフィスの固定電話「KDDI 光ダイレクト」とau携帯電話を、FMCサービスの「ビジネスコールダイレクト」で統合することで、社内外を問わず内線番号での発着信が可能になり、拠点間の通話を内線化により無料にできます。また、クラウド電話サービスの「Webex Calling」を導入すれば、固定電話番号をスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)で利用でき、電話交換機(オンプレPBXなど)が不要になるため、初期費用や運用コストを抑えつつ、テレワークなど柔軟な働き方への対応や、業務効率化を図れます。
出典:KDDI まとめてオフィス「Webex Calling」
これらはすベてKDDIの場合ですが、キャリアによって料金プランや提供サービスは異なります。基本料金の安さのみで即決せず、自社の利用状況に合わせた見積もりを取得し、トータルコストで比較検討することが費用を節約するポイントです。
★ 最新の情報の確認は、導入検討相談フォームよりお問い合わせください。
★ 表示の金額はすべて税込であり、2025年12月時点の情報です。
8. 携帯電話法人契約のメリット

携帯電話の法人契約には多くのメリットがあります。ここでは、コスト、管理、セキュリティ、従業員満足度の観点から具体的なメリットを解説します。
8-1. 通話料金のコスト削減
携帯電話を法人契約する大きなメリットは、通話料や通信料の削減です。
キャリアによって異なりますが、法人契約では自社の利用状況に合わせた柔軟なプラン選択が可能です。契約回線数に応じて、割引料金や割引率が変動するケースが存在します。さらに、「データシェア(パケットシェア)」が利用できるプランも有効です。これは社員間でデータ容量を分け合う機能で、「あまり使わなかった社員」の余ったデータを「たくさん使った社員」に回すことで、データ容量の無駄をなくしトータルコストを抑えられます。
ほかにも、同一法人名義の回線同士の通話が24時間無料になる定額サービスなどもあるので、複数の業者から見積もりを取り、これらの割引・効率化の仕組みを比較検討してから契約しましょう。
8-2. プランを一括管理できる
従業員個人の携帯電話を使用している場合、プラン変更は従業員本人しかできませんが、携帯電話を法人契約すると、管理者がWeb上の管理画面から一括で操作することができます。「誰が・いつ・どれくらい」使っているかを部署単位や個人単位で可視化できるため、無駄なオプションの解除や適切なプランへの切り替えを即在に行えます。
8-3. 経理がスムーズ
請求書が法人名義で一本化されるため、経理担当者の負担が劇的に削減されます。BYOD(私物利用)の場合、「業務利用分の通話料を計算して申請・精算する」という煩雑な作業が発生しますが、法人契約なら毎月の請求書処理だけで完了します。インボイス制度への対応も、法人契約であればスムーズです。
8-4. 情報漏洩防止になる
携帯電話を法人契約し従業員に貸与することで、情報漏洩リスクの低減につながります。MDM(端末管理ツール)の導入でセキュリティレベルを各段に高められます。万が一、従業員が端末を紛失しても、遠隔でロック(利用停止)や初期化(ワイプ)を行うことで、顧客情報や取引先情報などの機密情報の流出を防げます。
8-5. DXの推進につながる
法人携帯電話の中でも、特におすすめはスマートフォンです。これは単なる連絡手段ではありません。企業のDXを推進するための強力なツールと言えます。勤怠管理、経費精算、ビジネスチャット、Web会議、CRM(顧客管理)などのアプリを導入することで、場所を選ばず業務を遂行できます。
外出先での日報作成や承認作業など、「隙間時間」を有効活用することで、従業員一人ひとりの日々の生産性が向上します。また、複数の連絡ツールを導入しておくことで、シーンに合わせて適切な手段を選択できます。これにより、組織全体のコミュニケーションが活性化され、意思決定スピードの向上も期待できます。
9. 携帯電話法人契約のデメリット
携帯電話の法人契約は、メリットもあればデメリットも存在します。ここでは、2つのデメリットについて解説します。
9-1. イニシャルコストとランニングコストがかかる
携帯電話の法人契約における1つ目のデメリットはコストの発生です。イニシャルコストとして、法人契約の「事務手数料」や携帯電話やスマホの「端末購入費」がかかるほか、毎月の「基本使用料」「通話料・通信料」がかかります。
しかしこれらのコストは、「情報セキュリティ対策」や「ガバナンス強化」のための必要経費といえます。個人の携帯を業務利用させる場合、情報漏洩の損害が計り知れないためです。コストを適正化するには、自社に最適なプランの選定に加え、MDM(端末管理ツール)を活用して、業務に関係のないアプリ利用や、動画視聴を制限するなど、システマチックに管理を行うことが有効です。
9-2. 従業員のストレスが増える
2つ目のデメリットは、携帯電話を貸与することによる、従業員の精神的・物理的負担の増加です。精神面では、常時連絡がつく状態になることで、「オンオフの切り替えができない」というストレスが生じやすくなります。近年では、「つながらない権利」への配慮も重要視されており、休日・夜間といった業務時間外は、アプリの通知を自動オフにするなどの技術的対策をとり、従業員の健康や、ワークライフバランスを守ることが求められています。
また、物理面での負担も見逃せません。「社用と私用の2台持ちは重くて面倒」「充電管理の手間が2倍になる」といった不満は現場でよく聞かれます。こうした負担を軽減するためには、私用端末を業務利用する(BYOD)のか、会社支給にするのか、現場の声を聞くことも、検討時に忘れてはならないポイントです。
10. 携帯電話の切り替えに必要な書類
携帯電話の契約切り替えについて、法人から個人へ切り替えする場合と、個人から法人へ切り替えする場合に、それぞれ必要なものを解説します。通信業界では、契約者を変更することを「譲渡」または「名義変更」と呼びます。手続きの際は、この用語を使うと窓口の案内がスムーズです。また、近年各キャリアは携帯電話不正利用防止法の観点から、審査の厳格化が進んでおり、2026年には偽造身分証による不正契約の増加といった背景から、非対面契約による本人確認をさらに厳しくしていく予定です。切り替えの際は、慎重に検討する必要があります。
10-1. 個人から法人への切り替え(必要な書類と手順)
従業員が業務で使っていた個人の携帯電話番号を、そのまま法人契約として引き継ぎたい場合、契約中のキャリアによって、手続き方法が変わってきます。
A.他社へ乗り換えて法人契約する場合(MNP利用)
キャリアを乗り換えたうえで名義を個人から法人へ切り替える場合、MNP(ナンバーポータビリティ)を利用します。
MNPは原則、「転出元」と「転出先」の名義が同一でなければなりません。「個人名義」から「法人名義」へ直接MNPすることができないケースが多いため、2段階の手順を踏むのが一般的です。
手順1:MNP転入
まずは、「個人名義」のまま新しいキャリアへMNPで乗り換える。この時、一般的に必要な書類は以下のとおりです。
| 必要書類 | 詳細 | 注意事項 | |
|---|---|---|---|
| 1 | MNP予約番号 | 通常10桁の数字。有効期限は15日間。 | 転入手続き時点で、7日以上残っている必要がある場合もある。 |
| 2 | 個人契約のための、本人確認書類 | マイナンバーカード / 運転免許証 / パスポート |
|
| 3 | 支払い方法に関する書類 | クレジットカード / 通帳 / キャッシュカード |
|
手順2:名義変更 / 譲渡
個人名義の契約完了後、「個人」から「法人」へ切り替える手続きを行う。
必要書類については、2. 携帯の法人契約の必要書類をご参照ください。
個人名義から法人名義へ切り替える際の注意点として、新名義人は現名義人の債権債務を承継するということを理解しておきましょう。二度手間にならないよう、キャリアのコールセンターやWebサイトなどで必要書類を事前に確認しておくことが大切です。
B.同一キャリア内で法人契約する場合
同じキャリア内で切り替える場合は、「A.他社へ乗り換えて法人契約する場合(MNP利用)」の「手順2」のとおり、名義変更 / 譲渡の手続きを行います。
10-2. 法人から個人への切り替え(必要な書類と手順)
退職などの理由で、会社が貸与していた携帯電話(電話番号)を個人へ譲渡したい場合も、基本的には「10-1. 個人から法人への切り替え(必要な書類と手順)」と同様です。
しかし、法人契約を個人名義へ切り替えることは推奨されません。どうしても切り替えが必要な場合は、セキュリティやコンプライアンスの観点で、細心の注意をはらい、以下のような対応が必要です。
1.データ・デバイス制御(最重要)
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| MDM(モバイルデバイス管理)の解除・登録抹消 | 端末上のプロファイル削除だけでなく、管理コンソール側で「デバイス登録(DEP/Apple Business Managerなど)の解除」を行ったか確認する。 これを行わないと、初期化しても再セットアップ時に自動的に会社の管理下に戻ってしまう(「ゾンビ化」)。 |
| アカウント・認証情報の削除と「探す」機能のオフ | Googleアカウント(Android)やApple ID(iPhone)をサインアウトする。 【重要】 Androidの場合、Googleアカウントを削除せずに初期化すると「Device Protection(端末保護機能)」が働き、次の利用者が使えなくなるため、必ずサインアウトしてから初期化する。 |
| 端末の完全初期化(ファクトリーリセット) | 手動での削除ではなく、端末の設定メニューから「すべてのコンテンツと設定を消去」を実行し、工場出荷状態に戻す。 |
| 多要素認証(MFA/2FA)の解除 | Microsoft AuthenticatorやGoogle Authenticatorなどの認証アプリが個人のアカウントに紐づいている場合、移行または解除を行う。 |
2.通信・契約関連
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| SIMカード/eSIMの処理 | 【名義変更(同キャリア)の場合】 キャリアショップで手続き時にSIMカードの交換(再発行)が行われるか確認する。旧SIMは原則、法人が回収して破棄する。 【MNP(他社転出)の場合】 転出完了後、法人のSIMカードは無効になるため、回収してハサミを入れて破棄する。 |
| 契約オプションの整理 | 法人限定のオプション(イントラネット接続サービス、グループ通話定額など)が自動解約されるか、あるいは解除手続きが必要かを確認する。 |
| 費用の精算(違約金や端末代金の残債を一括清算するか個人へ引き継ぐか) | 解約金(違約金)や、端末代金の分割残債(残りのローン)を一括清算するか、個人へ引き継ぐかを明確に取り決める。 |
3.管理・コンプライアンス
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 資産管理台帳の更新 | 法人資産から除外し、「○年○月○日をもって個人(氏名)へ譲渡」などと記録を残すことで、将来的な紛失時の責任所在を明確にする。 |
| アプリケーション・ライセンスの確認 | 会社で購入した有償アプリやライセンスが端末に残っていないか確認(初期化で消えるが、アカウント紐づけに注意)。 参考:税務上の処理として、高額な最新端末を無償で譲渡する場合、税務上の「給与課税(現物給与)」とみなされるリスクがないか、経理・総務と相談する |
11. 携帯電話法人契約の導入事例
携帯電話の法人契約の導入事例を知れば、自社に導入する際の参考になるでしょう。ここでは2つの導入事例をご紹介します。
11-1. 株式会社オオバ様
株式会社オオバ様では、2018年頃から働き方改革を実現させるための手段として業務のIT化を進めました。そのさきがけとして、全従業員へ法人契約したスマホを貸与し固定電話からの脱却、音声通話環境の改革に着手しています。
重要なポイントは、複数回線の電話交換、固定電話と携帯電話の融合などを一括して任せられるかどうかでした。「KDDI まとめてオフィス」に任せたことで、現在はテレワーク中でも従業員間のコミュニケーションが取りやすい環境を構築しています。
11-2. 株式会社GRANDCITY様
株式会社GRANDCITY様では、社内のIT化を推進し、先端技術による業務環境の刷新を図りました。まず、着手を検討したのが業務のペーパーレス化です。あらゆる情報伝達が紙ベースで行われていたところをIT技術を導入し、スマホ・タブレットを従業員に貸与しました。
ペーパーレス化がすぐに導入できたため従業員の負担は大幅に軽減され、売上アップに貢献しています。スマホやタブレットは、社内コミュニケーションの円滑化にも役立っています。
KDDI まとめてオフィスでは他にも携帯電話法人契約により業務効率化やDX推進など、さまざまな課題解決を実現した事例があります。以下で紹介しているため、ぜひあわせて御覧ください。
12. 仕事で使う携帯電話は法人契約がおすすめ
業務で使用する携帯電話は、セキュリティやコスト、業務効率の観点で法人契約がおすすめです。その理由を3つのポイントに要約しました。
12-1. 従業員の端末を一元管理できる
法人契約であれば、従業員に貸与するすべての端末を一元管理できます。MDM(端末管理ツール)などを活用することでセキュリティとガバナンスを強化できます。従業員の入退社に伴う端末増減の管理も非常にスムーズになります。
12-2. 通信・クラウドサービスとまとめることでコストダウンを図れる
携帯電話単体ではなく、オフィスの固定電話やクラウドサービスなどもまとめて契約することで、スケールメリットによるコストダウンと最適化を図れます。請求書の一本化により経理処理の負担も軽減され、管理コストの削減にもつながります。
12-3. 電話番号を「会社の資産」として管理できる
法人契約であれば、電話番号の所有権は会社に帰属します。そのため、担当者が退職や異動をした場合も、同じ番号を後任者が引き継ぐことができます。これにより、顧客との連絡が途絶えるリスクを防げます。また、最新機種への変更手続きも会社側で一括で行えるため、従業員個人の負担を減らしつつ、常に高性能機種を業務利用できる環境を維持します。
まとめ
業務で使用する携帯電話やスマホを従業員個人名義の携帯電話で併用している企業は少なくありません。公私のケジメや生産性向上、セキュリティやガバナンスの観点を考慮すれば、法人契約の携帯電話を従業員に貸与することが望ましいと言えます。
携帯電話の法人契約を検討するなら、KDDI まとめてオフィスにおまかせください。KDDIが長年培った高品質でセキュアな通信を軸に、携帯電話やスマートフォンをはじめとした幅広いラインアップをワンストップでご提供し、自社の課題を解決します。法人契約での新規導入、MNPをご検討中なら、お気軽にKDDI まとめてオフィスへご相談ください。
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。








