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働く"場"の改善はオフィスの一角から

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働く"場"の改善はオフィスの一角から

2022年11月10日

働く

十数年前と比べるとオフィスのあり方が変化したと感じる方も多いのではないでしょうか。この変化には、モバイル機器やデジタルツールの発達も関わっています。例えば、2007年に最初のiPhoneが発売され、個人用業務用を問わずこの十数年でスマートフォンが行き渡りました。このモバイル機器の発達とあわせて、それまでスタンダードだった固定席に固定電話を設置した島型の席配置に代わり、スマートフォンやモバイルノートパソコンを持ち歩き、自由に席を選ぶフリーアドレスのスタイルも徐々に増えてきました。

さらに、2019年以降はコロナ禍への対応のためにオンライン会議ツールが一般化し、チャットツールが普及したことで、オフィスのあり方が変化する速度が目に見えて上がっています。

では今後のオフィスはどうあるべきなのでしょうか。少し先の未来、ここからの1~2年、現在取り組むべきことの順番で見ていきます。

10年単位で考えるとLBW(ライフベースドワーキング)が主流に?

少し先の未来。例えば10年後の働き方やオフィスを考えていくと、コクヨ社からはLBWというキーワードが挙がりました。詳細はこちらの記事で詳しく書いてあるため割愛しますが、LBWとは「自分の生き方そのものから働き方を考える」というものです。

自分の生き方に比重を置くことで、従来日本で主流だったメンバーシップ型の働き方に加え、職務やスキルを主眼においたジョブ型の働き方、さらには組織の枠を超えた働き方と、会社との関わり方の多様性が増していきます。

そんな状況が訪れたときに、"会社やオフィス"に求められるのはワーカーのキャリア形成のプラットフォームになること。どんな姿が求められる形に一番近いのかまだまだ試行錯誤が続きますが、オフィスという「場」を雇用関係のある社員だけでなく、その家族が利用できたり、業務以外の自己研鑽にも利用できたりする未来が訪れるかもしれません。

ここからの数年は「活動主体」がオフィスづくりのテーマになる

では、ここからの1〜2年などもっと近い未来でのオフィスはどうなっていくのでしょうか。イトーキ社からは、こちらの記事で「活動主体」がオフィスづくりのキーワードとして挙がりました。
未だに、約7割の日本企業では島型対向のオフィスレイアウトが採用されています。このレイアウトは、部署で固まって座ることでの効率性や周囲の人が何をやっているかがわかることによる教育効果などメリットもあり、長らく多くの企業で採用されていました。背景には、新卒一括採用の仕組みをはじめとした日本的経営スタイルがありました。しかし、このメリットを島型対向のデメリット、ほかの部署との関わりの少なさ・プライバシーのなさ・席が隣接することによる集中しづらさなどが上回って来たのが現代です。
そこで求められるのが、集中して作業をするのか、アイデアを創出するのか、情報を共有するのかと「活動」ごとにオフィスの空間をつくり、ワーカーが活動によって場所を移動しながら仕事をする活動主体のオフィスです。

活動主体のオフィスの特徴は、すべての企業でうまくいくレイアウトなど"正解"が存在しないこと。理由は、企業によって重要視される活動、言い換えれば成果につながる活動が異なるため、結果としてオフィス空間の作り方自体も個社ごとに変わるべきだからです。

オフィスの一角を変えることから始めて、トライアンドエラーで自社に合う形を探す

個社ごとにオフィス空間が異なるべきと前述しましたが、一足飛びに成果が出せるオフィス空間が作れるわけではありません。

オフィスづくりも事業づくりと近い部分があり、仮説を立て、トライアンドエラーを繰り返しながら改善し続け、最適な形を見つけていくのです。そのために有効なのが、オフィスの一部分だけを変更して仮説を検証していく進め方です。

具体的には、まずは成果が出せる人のモデル社員を決めヒアリングを実施、1週間でどんな活動をどれだけの時間行っているかの現状を把握します。そして、モデルケースになる人とすり合わせしながらどの活動がもっと増える(もしくは減る)と成果につながるのか仮説を立てます。

その仮説にあわせて、オフィスの一部分を成果につながる"活動"が行いやすいスペースに変更するのです。例えば、クリエイティブ職の人でアイデアを出す活動が一番成果につながっていると仮定したら、アイデアが出しやすくなる場所の設置が必要となります。それは、オフィスの一角に人工芝とホワイトボードを設置し、大きめのビーズクッションの上で靴を脱いでリラックスしつつ、メンバー同士で気軽に話せるようなスペースかもしれません。

各社が成果につながるオフィスを作り始めると、個社ごとにオフィスに個性が生まれ、それが結果的には採用力の向上や、離職率の低下にもつながっていくでしょう。採用側面なども見据え、経営の一部としてオフィスを見直すのはいかがでしょうか。

※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。