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事例から学ぶタブレット定着のコツ

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タブレット利用術

事例から学ぶタブレット定着のコツ

2019年11月19日

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タブレットの先進性や話題性から、自社にとっても大きなプラスとなるだろうと導入したものの、利用が進まずに導入が失敗に至った企業も少なくありません。ここではそんな企業の導入失敗の理由と、その後の対策の事例を紹介します。

目次

A社の成功事例-1 トップの独断で導入

中堅食品メーカーが経営主導でタブレット導入

高い品質と手堅い経営で知られている、社員数400名の老舗食品メーカーA社。経営層が世代交代する際に、課題であった営業活動に活気を与えたいとタブレットを導入し、営業担当者全員に持たせることにしました。営業担当者は50名在籍し、販売代理店、小売り、飲食店を忙しく回っています。そんな営業担当者がタブレットを持って得意先を回ったら、業界で注目されるだろうと期待しました。

塩漬けにされたタブレット...

191118_04_img2.jpgところがその半年後、社内で「営業部門はタブレットをキャビネットにしまい込んでいる」という噂を耳にした経営層はさっそく実態を聞くために営業部長と情報システム担当を呼び出しました。経営者もタブレットを配布以来、多忙のあまりフォローできていませんでしたので、「タブレットを最大限に活用して営業スタイルを変革しなさい。期間は1年間」。と指示を出しました。営業部長は頭を抱えてしまいました。本人もタブレットは全く使っていませんし、必要性も感じていません。

リーダーを専任して育成

営業部長と情報システム担当者が見たところ、営業担当者それぞれにタブレットを使う必然性を感じてしませんし、利用する目的もわからないようです。そこで、二人は相談し、利用の促進と定着、活用を進めるまでの計画を練り上げました。それは次のような手順です。

1)タブレットの「目的」を明確化

タブレットを導入し、営業担当者が利用する目的を『営業スタイル革新』と宣言しました。複雑な目標を掲げずシンプルに『営業スタイル革新』と打ち出しました。

2)ユーザーガイドを作成し、ガイダンスを開催

『営業スタイル革新』を宣言したユーザーガイドを作成し、タブレットの初期設定から、メール操作の手順、報告書作成の操作、プレゼンテーションの方法などを詳細に解説しました。このガイドを営業担当者全員に配布しました。 さらに、ユーザーガイドを用いたガイダンスを開催しました。新しい営業スタイルの中で、タブレットはどのように使われるのかなどを実際に営業部長が話すとともに、タブレットの設定などを情報システム担当者が、各営業担当者とともに行いました。

3)職場のリーダーを任命する

50人全員のリテラシーを一気に上げるのは困難です。そこで、5人に1人のタブレットリーダーを任命し、この10人を徹底的に教育し、リーダーが職場に戻って社員に操作方法を教えることにしました。

4)タブレットで営業報告書を作成することを義務づける

タブレットで営業報告書を作成することにしました。営業担当者は出先からでも営業報告書を作成して提出できるようになったことで、直行や直帰などが増えることで効率的に営業が行えるようになるとともに、管理者は部下の帰りを待って遅くまで残る必要がなくなりました。
ここまでを営業部長は1年ほどで完成することができました。
しかし、これでゴールと営業部長は考えていません。もう1年をかけて『タブレットを活用した商談』を目指しています。今まで紙資料に頼っていたプレゼンテーションをデジタル化が新しい展開のひとつです。お客さまには電子カタログや動画で商品を紹介し、在庫をオンラインで確認し納品日も確約できます。こうしたA社の挑戦は、やがてタブレット導入成功例として業界で注目されるようになりました。

B社の失敗事例-2 管理者不在で社員が暴走

伸び盛りの広告代理店、従業員に自由に使える環境を提供

191118_04_img3.jpgウェブ分野で急成長をしている広告代理店の失敗事例とその対策です。 見た目のシャープなデザインが社員に好評で、経営企画部門の主導のもと、クリエイティブ部門や営業部門から導入が始まり、社員200人の大半がタブレットユーザーになりました。若い従業員が多い会社のため、浸透も早く、それなりに活用しているように見えました。 しかし、紛失や置き忘れなどが発生するとともに私的な利用が相次ぎました。例えば私用のメールアドレスで社内にメール送信してしまったり、顧客に私的メールを送信しそうになったりするケースもあり、あわや情報漏えいといった事態にもなりかねないことが明るみに出たのです。これに危機感を覚えたのは経営トップです。経営企画部門の企画課長を呼び出し、即刻解決を命じました。

MDMで全タブレットを管理

課長はMDM(モバイル端末管理ツール)を導入し、全端末の使用状況を確認しました。すると、個人が勝手に業務に無関係のアプリケーションをインストールしたり、危険なサイトを訪れたりしていることが判明。そこで、使用ルールをドキュメント化して全社員に配布し、違反者を取り締まるとともに、不認可のアプリケーションは一方的に削除しました。今までタブレットを「おもちゃ」のように扱っていた社員もおり、多くが驚きました。 MDMを利用することで管理の徹底とウイルスの感染、情報漏えい防止は可能となりました。しかし、タブレットの活用場面が少なくなり、これには企画課長も課題を感じました。

タブレットでペーパーレス化に挑戦

そこで企画課長の考えたのが『ペーパーレス化』でした。タブレットをほぼ全員が持っていることから、仕事をタブレットでデジタル化し、紙資料をなくしていくのです。この最終的なゴールはオフィススペースの創造にありました。分散していた都内のオフィスを2年前に集約して新ビルのワンフロアーに引っ越してきたのですが、ここも狭くなってきました。この様子では3年も持ちそうにありません。そこで、紙資料を保存しているキャビネットや引き出しを一掃し、オフィススペースを増やそうという計画です。
さっそく企画課長はタブレットの使用目的を『ペーパーレス化』と打ち出して、次の3つのステップで改革を進めていきました。

1 会議のペーパーレス化

すべての会議で紙資料を禁止し、タブレットを必携としました。

2 不要ドキュメントの撤廃

郊外に倉庫を借りて、緊急性のあるドキュメント以外はすべて転送しました。

既存ドキュメントのデジタル化

日々使用するドキュメントはスキャンしデジタル化。同時に新しい紙資料の作成も禁止しました。

キャビネットがなくなったことで、3割ほどオフィススペースが増加し、タブレット活用は大成功を収めています。 さらに企画課長は『在宅勤務の許可』『フリーアドレス制』を構想しており、これによりオフィススペースを現在の半分にできると考えています。生み出されたスペースは会議室や社員のくつろぎスペースにする予定です。

(タブレットに吸い込まれるドキュメント)

失敗の多くは無目的に導入されたことが起因となっています。このため、まず目的を明確化すること。そしてその目的達成のために、手順を踏んで改革をしていくことをおすすめします。

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