電話業務を効率化するコツとは?生産性を上げるツールについても解説
 
電話による業務連絡は多くの企業にとって欠かせない手段ですが、一方で非効率な取り次ぎや情報の伝達ミス、集中力の分断といった問題がつきものです。特にリモートワークなどの柔軟な働き方を導入している企業や、外出する従業員が多い企業は、オフィス内での電話対応に課題を感じる傾向にあります。
この記事では、電話取り次ぎによるデメリットを整理し、業務効率化につながる取り組みや便利なツールについて解説します。さらに、実際に電話対応の改善に成功した企業事例も紹介しているので、自社に合った改善策を検討する際の参考としてご活用ください。
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1. 電話対応は誰がするべき?取り次ぎで起こるデメリットが問題に
 
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、リモートワークを導入する企業が急増しました。2025年現在は、2023年以降に感染症の分類が5類に移行したこともあり、オフィス回帰やハイブリッドワークを採用する企業が増加傾向にあります。
しかし、そのような状況下でも、自分の業務をこなしながら電話の取り次ぎを行うことに対して、課題感や苦手意識を抱いている人は少なくありません。電話対応を専門とする担当者がいない企業では、誰が電話対応をするかで議論になるケースもみられます。「電話は新人が取るべき」「業務に余裕のある人が取るべき」など、立場によって意見もさまざまです。
2. 法人に固定電話が必要な理由
電話対応や取り次ぎに関するさまざまな問題を考えると、本当に固定電話は必要なのか?という疑問が浮かぶかもしれません。しかし、企業にとって固定電話は、ビジネスにおける重要なツールの1つです。
以下の理由から、固定電話を完全に廃止するのは現実的には難しいと言えるでしょう。
2-1. 社会的な信頼性が上がる
社会的な信頼性を得やすい点が、企業が固定電話を設置する代表的なメリットの1つです。電話番号が携帯電話のみの場合、顧客や取引先から「実在する企業なのか」「すぐに連絡が取れなくなってしまうのではないか」といった不安を抱かれる可能性があります。
一方で、固定電話番号をホームページや名刺、契約書などに明記すると、事務所が存在している裏付けとなり、企業の存在感や信頼度を高めることができます。
2-2. 法人向けの各種手続きをスムーズにできる
固定電話を保有していることで、法人向けの各種手続きが円滑に進むケースが多くあります。金融機関での法人名義の口座開設や融資の申し込み、各種契約書の作成など、電話番号の登録や記載を求められる場面は少なくありません。
携帯電話番号のみを連絡先として提出した場合、審査担当者に対して企業の実在性を説明する必要が生じたり、追加の書類提出を求められたりするなど、手続きに時間を要することがあります。
対して、固定電話があればスムーズに書類が受理される可能性が高まり、企業運営における事務処理の手間を軽減することができます。
2-3. セキュリティリスクをある程度減らせる
固定電話を導入することで、セキュリティ上のリスクを一定程度回避することが可能です。個人の携帯電話を業務用としても使用している場合、不要な情報漏えいのリスクが付きまといます。
たとえば、業務で受信した情報をプライベートのやり取りと誤って送信してしまう、あるいは業務上の連絡先が誤って流出するなどのトラブルが起こる可能性が高まります。また、企業のWebサイトなどに個人の携帯番号を記載すると、その番号を使って迷惑電話やスパムSMSが届いたり、サイバー攻撃の標的にされたりするリスクもあります。
業務上の情報のやり取りを専用の回線に限定することで、リスク管理をしやすくする点も固定電話のメリットです。
2-4. プライベートと仕事の切り分けができる
固定電話を導入すれば、業務連絡がオフィスの営業時間内に限定されるようになり、私生活との切り分けをしやすくなる点もメリットの1つです。
個人の携帯電話を代表番号として使用していると、勤務時間外や休日にも顧客からの連絡が入ることがあります。業務時間外であっても対応せざるを得ない場面が増え、プライベートの時間を確保しにくくなる可能性があります。結果、ライフワークバランスが崩れ、従業員のストレスや業務効率の低下につながるリスクが高まるでしょう。
従業員の働き方を整える上でも、固定電話の導入は検討すべき施策です。
3. 電話の取り次ぎで起こるデメリット
 
電話の取り次ぎにはさまざまなデメリットがあります。固定電話を残して業務改善を進めるためには、取り次ぎのデメリットをしっかり把握しておくことが大切です。以下では、電話の取り次ぎで起こる具体的なデメリットについて解説します。
3-1. タイムロスが生じやすい
電話の取り次ぎは、発信者の用件に対応できる担当者が電話に出られなかった場合に発生します。電話を受けた人がその内容に対応できないと判断した場合、別の担当者や窓口へ取り次ぐ必要があります。しかし、中には担当者が不在であったり、用件の複雑さで即時回答が難しかったりと、時間を要するケースも見られ、結果として、相手を待たせたにもかかわらず適切な対応ができずに終話することもあります。こうした状況では、自社側と相手側の双方にとってタイムロスが生じます。
また、担当者が折り返しの電話をしたところ、今度は相手が応答できず、連絡がつかないままやり取りが長引いてしまうこともあります。このようなすれ違いが続くと、業務効率が低下し、顧客満足度にも影響を及ぼす可能性があります。
3-2. 集中力が途切れる
電話対応では、「3コール以内に電話に出るべき」というマナーが浸透しており、電話が鳴ったら、真っ先に受話器を取る習慣が身についている人も多いです。しかし、電話対応のためにそれまで取り組んでいた業務を中断することで、集中力が途切れてしまう方もいます。電話対応の頻度が多いと、業務の効率が下がる恐れがあります。
また、電話はいつ鳴るか分かりません。常に電話を気にかけなければならない環境も、業務への集中力を欠く原因になります。
3-3. 聞き取り・伝わり間違いが起こりやすい
電話の取り次ぎをする際は、担当者へ問い合わせ内容を正確に伝言する必要があります。しかし担当者以外が電話を受けた場合、状況を十分に把握できておらず、聞き間違いや伝え間違いが生じるリスクがあります。
また、電話対応をした社員が多忙で、担当者への伝言を後回しにするケースもあるでしょう。時間が空くことで相手の名前や問い合わせの用件を忘れてしまう、情報の抜け漏れがでる、といったトラブルが発生することもあります。
3-4. 営業のチャンスを失ってしまう可能性がある
固定電話は顧客からの問い合わせや新規の相談を受ける重要なツールです。しかし、対応がスムーズでない場合は逆効果になる恐れもあるため注意が必要です。たとえば、担当者が外出中で顧客からの問い合わせに即時に回答できず、取り次ぎにも時間を要した場合、顧客が不信感やマイナスの印象を抱くこともあります。せっかくの営業機会を失う原因になるかもしれません。
3-5. リモートワークとの相性が悪い
固定電話を中心とした電話業務は、リモートワークとの相性が良くない点もデメリットです。従業員がテレワークを実施している場合、オフィスにかかってくる電話を直接受けることができません。
たとえ交代制で出社している場合でも、在宅勤務中の従業員宛てに電話があった際は、すぐに取り次げず、相手に不便をかけてしまうケースが少なくありません。電話対応のために出社を求められる従業員にとっては、通勤の負担や業務の非効率といった問題も生じます。
さらに、社用携帯が支給されていない場合、取り次ぎを受けた側は個人のスマートフォンを使わざるを得ず、顧客や取引先への折り返しの通話費の負担や、個人情報漏えいのリスクも高まります。
4. 電話の取り次ぎ方法を改善するメリット
 
電話の取り次ぎ方法を見直すことで、従業員の作業時間を確保しつつ、顧客対応の質も向上させることが可能です。ここでは、電話取り次ぎの改善によって得られるメリットについて解説します。
4-1. 業務の生産性が上がる
電話の取り次ぎ方法を改善することは、業務全体の生産性向上に直結します。
取り次ぎにかかる手間や待ち時間を減らせば、1つの作業に集中する時間が増えるため、業務の精度とスピードの両立が可能です。また、内容を正確に共有するための確認作業が減ると、情報共有にかかる時間も短縮されます。
さらに、折り返しの電話をする手間が不要になれば、従業員のストレスが軽減され、結果として業務全体の流れがスムーズになります。
4-2. 電話対応の品質が上がる
電話の取り次ぎを見直すことで、顧客や取引先への対応品質も高まります。従来の電話対応では、目的の担当者にスムーズにつながらなかったり、伝言の内容に誤解が生じたりして、たらい回しや対応の遅れが起こることがありました。
しかし、取り次ぎフローを整備すれば、誰がどのように対応するかが明確になり、非効率なやり取りや確認作業を減らせます。また、情報伝達が正確になると、二重対応や伝達ミスのリスクも下がります。
電話対応の品質が向上すると、顧客の満足度も上がり、企業の対外的な印象も良好になるでしょう。
5. 電話の取り次ぎ業務を改善するコツ
「電話の取り次ぎ業務を改善する」と一口に言っても、さまざまな方法があります。どのような方法が自分の職場に合っているのか検討した上で導入するとよいでしょう。
ここでは、電話の取り次ぎ業務を改善する方法について解説します。
5-1. 【電話を使う方法】電話対応マニュアルを作成する
電話の取り次ぎ業務を改善する際の定番と言える方法が、電話対応マニュアルとトークスクリプトの整備です。
マニュアルを作成する際は、経験の浅い従業員でも一定の対応ができるよう、誰にとっても使いやすいものが求められます。まずは、よくある問い合わせ内容をリスト化し、それぞれに対する基本的な対応方法をまとめましょう。電話対応中でもすぐに参照できるよう、FAQ形式にしたり、検索機能を設けたりと、デジタル化された構成が望ましいです。
トークスクリプトは会話の流れを想定して、フレーズの選び方や言い回しも含めて記載しましょう。複数のシナリオを用意し、状況に応じた分岐や困ったときの一言を組み込むことがポイントです。また、対応が難しい場面でのエスカレーション先として上司や各部署の担当者を明記しておくと、判断に迷うことなく対応できます。
さらに、マニュアルやトークスクリプトの整備と並行して、電話業務に必要なスキルを体系的に学ぶ従業員向けトレーニングの実施も不可欠です。電話応対の基本マナー、敬語、クレーム対応などを含めた教育を行うことで、現場の対応力を底上げできます。業務効率化のツール導入と両輪で取り組むことで、人と技術をシームレスに融合させ、電話取り次ぎ業務全体の効率化を実現するための土台となります。
5-2. 【電話を使う方法】電話対応担当を決める
固定電話を使用する場合は、電話対応の担当者を決めることがおすすめです。電話対応の担当者以外は電話を気にせず自分の業務に集中して取り組みやすくなります。担当者がスムーズに電話を取り次げるよう、それぞれが対応している業務や進捗状況を朝礼などで報告しましょう。
また、情報を正しく伝えるためには、テキストで情報共有できるメールやチャットツールなどを使うと効果的です。なお、電話対応の担当者が不在の場合は、全体の情報を把握している人が取り次ぎをするとスムーズです。
5-3. 【電話を使う方法】内線の使用ルールを定める
電話の取り次ぎを効率化するためには、緊急事態を除いて内線の使用ルールを定めるのも有効です。たとえば、内線による問い合わせ可能な時間をあらかじめ設定し、それ以外の時間はメールやチャットツールによる問い合わせのみに限定して対応するという方法があります。
あらかじめ対応の手段を時間で区切ることで、他の時間はストレスなく自分の業務に取り組めます。問い合わせをした人も、質問を受け付ける時間帯が分かることで、「今電話しても問題ないだろうか?」と悩む必要がなくなり、問い合わせの心理的ハードルが下がるため、双方にとってスムーズなやり取りが可能です。
5-4. 【電話を使う方法】社用携帯を使う
固定電話だけではなく、社用携帯電話を導入すれば取り次ぎを介さずに電話対応ができるようになります。従業員は、支給された社用携帯電話を常に携行するようにしましょう。担当者に直通で連絡が取れるため、電話をかける相手にとっての利便性が高まります。
なお、本人がどうしても電話に出られないときは、SMSや留守番電話、着信転送機能などを臨機応変に活用することが大切です。
5-5. 【電話を使わない方法】メールやチャットでの対応に切り替える
電話取り次ぎの課題を解消するために、電話ではなくメールやチャットでの問い合わせを受け付けるという方法もあります。メールやチャットなら、伝えたいことを要約して簡潔に伝えられます。
また、やり取りの履歴がすべて残るので、双方がどのような内容をやり取りしたのかいつでも確認可能になり、情報の伝達ミスが生じる可能性を低減できます。
また、メールやチャットは自分の都合にあわせて送受信ができて、連絡を入れたときに相手が不在でも、後から確認してもらえます。電話のように相手の状況を考慮する必要がないため、連絡をする側の心理的なハードルも低く、タイムロスも減らせます。
5-6. 【電話を使わない方法】問い合わせ窓口を別に設置する
電話以外の問い合わせ手段を設けて、問い合わせ先を分散するのも効率化の方法としておすすめです。Webサイトに問い合わせフォームを設置することで、顧客は自分のペースで質問できるようになります。
問い合わせフォームのメリットは、24時間対応が可能である点と、必要な情報を確実に収集できる点です。氏名や連絡先、問い合わせ内容をあらかじめ入力してもらうことで、対応担当者が適切な判断をしやすくなります。内容が記録に残るので、対応履歴の管理や分析にも役立ちます。
5-7. 【電話を使わない方法】外部サービスに業務委託する
電話の取り次ぎや初期対応を外部の専門業者に委託するのも、社内リソースの有効活用に効果的です。たとえば、電話代行サービスを利用すれば、社外のオペレーターが電話を受け、相手の氏名・連絡先・用件などをヒアリングして、必要に応じて社内に転送したり、記録を残して報告したりしてくれます。
また、休憩中や繁忙期など、社内での対応が難しい時間帯でも電話の取りこぼしを防げるため、機会損失を低減できます。不要な営業電話も遮断してくれるため、特に、入電件数の多い企業や少人数で運営する企業では、一定の成果が期待できます。
さらに、近年では単なる電話応対にとどまらず、問い合わせ内容のデータ入力、CRMへの登録、クレーム対応、アウトバウンド業務、オペレーターの品質管理など、電話業務に関連する一連のビジネスプロセス全体を外部に委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の活用も進んでいます。自社の人的リソースを収益に直結するコア業務に集中させるためには有効な手段と言えるでしょう。
ただし、社外の人間が応対することで、柔軟な判断や社内事情に基づく対応が難しいケースもあるので、委託先の対応品質や対応できる範囲を事前に十分確認しておく必要があります。
6. 電話の取り次ぎ業務の改善に使えるツール
現在、電話の取り次ぎ業務を改善するためのさまざまなツールが販売されています。それぞれどのような特徴があるのか知った上で、業務改善のために導入するとよいでしょう。
以下では、代表的なツールを紹介します。
6-1. クラウドPBX
クラウドPBXは、インターネット回線を使って従来の電話交換機の機能をクラウド上で提供するサービスです。内線または外線をパソコン(PC)やスマートフォン、専用のIP電話機など多様なデバイスに接続できます。PCやスマートフォンをインターネット回線に接続している場合、いつでもどこでも内線または外線に応答できます。
クラウドPBXは単に各種デバイスを固定電話のように利用できるだけでなく、柔軟なシステム拡張や、コストの最適化、事業継続性の強化という面でも有効なツールです。
クラウドPBXのメリット
- BCP対策とテレワークの実現:災害時や緊急時でもオフィス外から電話対応が可能となり、事業継続性を確保します。
- コスト削減:物理的なPBX機器の購入・メンテナンス費用が不要となり、拠点間の内線通話が無料になるため、大幅なコスト削減が期待できます。
- 取り次ぎ業務の削減:オフィスにかかってきた電話を直接担当者のスマホに内線転送できるため、手動での取り次ぎが不要となり、従業員の負担が軽減されます。
また、一部のクラウドPBXは通話の録音や応対履歴のデータ分析機能を備えていることもあります。導入して応対時間、着信件数、放棄呼率などを分析することで、どの業務に非効率が生じているのかを正確に把握でき、応対品質の標準化にもつながります。
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6-2. チャットツール
社内や外部の協力企業とともにプロジェクトを進める場合は、連絡手段としてチャットツールを採用すると効率的です。短いテキストでやり取りできるため、メール以上にテンポよく会話できます。業務上で疑問が生じても、チャットツールなら気軽な問い合わせが可能です。
メールと同様、チャットを送っておけば、相手が不在でも後から確認してもらえます。また、やり取りした内容が残るため、後から振り返って確認できます。
チャットツールでは画像やファイルの共有も可能です。必要なデータをスムーズにやり取りできるため、業務効率化にもつながります。
また、電話の伝言をメールやチャットツールに自動で連携するシステムを導入すれば、文字情報として伝言内容が残るため、聞き間違いや伝達漏れのリスクがなくなります。さらに、外出中や会議中でも着信内容を確認できるため、必要な場合にのみ折り返し連絡が可能です。
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6-3. IVR(音声自動応答システム)
IVR(Interactive Voice Response)とは、あらかじめ録音された自動音声により電話の一次対応を行い、問い合わせ内容に応じて適切な部署や担当者へ振り分けるシステムです。コールセンターで広く導入されている仕組みで、近年ではクラウド型サービスの普及により、中小企業でも利用しやすくなっています。
IVRを導入すれば、よくある質問に対しては自動音声での案内だけで対応可能なため、電話対応業務の負荷を大幅に軽減できます。また、顧客も電話のボタン操作でスムーズに目的の窓口へつながるため、たらい回しによる不満を防ぐことが可能です。
一方で、操作に不慣れなユーザーには使いにくい場合があり、また複雑な問い合わせには対応しきれない点がデメリットとなります。こうした課題を解決する手段として、近年注目されているのがボイスボットです。ボイスボットはAIを活用し、音声入力によってユーザーの意図をくみ取って回答を行います。より自然な対話が可能となるため、従来型のIVRよりも柔軟な対応が可能です。
ボイスボットのメリット
- 24時間365日対応:営業時間外や休日でも電話に対応できるため、顧客の利便性が向上し、機会損失を防止します。
- 人件費削減:定型的な電話業務をAIに任せることで、人件費を抑えつつ、人材不足を解消します。
- コア業務への集中:従業員はAIが対応できない複雑な案件に集中でき、本来の業務生産性が向上します。
さらに、生成AIを活用した自動応答システムであれば、AIが熟練オペレーターの応対を学習して自動応答・必要に応じて転送を行うため、経験の浅いスタッフでも高品質な対応が可能になります。加えて、通話内容を自動で要約・分析し、FAQやマニュアルの改善、さらには製品・サービス開発への貴重な示唆につながる情報をまとめてくれます。
6-4. FAQシステム
FAQシステムとは、よくある質問とその回答をデータベース化し、ユーザーが自分で検索して問題解決できるようにする仕組みです。特に電話での問い合わせが多い業種では、FAQシステムを活用することでユーザーの自己解決を促し、電話件数を削減する効果が期待できます。
基本的に電話問い合わせの内容は、多くのユーザーが普遍的に持つ疑問であるケースがほとんどです。したがって、ユーザーがすぐに疑問を解消できるようにするためにも、FAQシステムを導入するとよいでしょう。
FAQシステムの特徴は、情報の整理・検索・分析が簡単な点です。カテゴリ別に質問を分類できるほか、AIによる検索サジェスト機能や人気の質問ランキングなどにより、ユーザーがスムーズに目的の回答へたどり着ける機能が搭載されています。また、どの質問が多いか、どの回答が支持されているかといったデータをもとに改善を図ることで、より実用的で使いやすいFAQを構築可能です。
6-5. チャットボット
チャットボットは、ユーザーの質問に対してリアルタイムで自動的に回答を行うプログラムです。テキスト形式のチャットウィンドウを通じて対話形式で対応するため、ユーザーの疑問をすばやく解決できる点がメリットです。
最近では、AIを活用したチャットボットの導入が進んでいます。AIチャットボットは過去の問い合わせデータを学習し、問い合わせが繰り返されるごとに回答精度が高まるという特徴があります。
さらに、チャットボットの多くは、有人対応との切り替えにも対応しています。たとえば複雑な問い合わせの場合には、オペレーターに引き継いで対応を完了させるといった仕組みを構築できます。加えて、外部の予約システムや問い合わせ管理システムとの連携が可能な製品もあり、業務効率化とユーザー満足度の向上の両方を実現する手段として有効です。
6-6. 問い合わせ管理システム
問い合わせ管理システムとは、電話・メール・チャットなど複数のチャネルから寄せられる顧客の問い合わせを一元的に管理・対応するためのツールです。従来はExcelなどを用いて個別に管理していた情報も、問い合わせ管理システムを導入することで統合して処理できます。
問い合わせ管理システムには、主に以下のような機能があります。
- 問い合わせの受信と振り分け
- 対応状況のステータス管理
- 対応履歴の記録と共有
- 問い合わせ内容の分析とレポート出力
これらを活用することで対応の重複や抜け漏れを防ぎ、情報の共有もリアルタイムで行えるため、業務の正確性とスピードが向上します。
こうした問い合わせ管理の基盤に加えて、電話システム(CTI)と顧客管理システム(CRM)を連携させることで、顧客応対の質を一段と高めることが可能です。着信時に顧客情報や過去の応対履歴がPC画面に自動表示されることで、オペレーターは「誰からの電話か」を瞬時に把握し、パーソナライズされた応対をスムーズに開始できます。顧客側は「分かってくれている」「大切にされている」と好印象を抱き、満足度向上につながります。受け手側も、手動での作業が削減され、業務負荷の軽減と効率化が実現します。
7. 電話の取り次ぎ業務の改善に成功した事例
KDDI まとめてオフィスは、さまざまな企業の電話の取り次ぎ業務を改善し、バックオフィス業務の効率化に成功しています。
以下では、弊社が電話の取り次ぎ業務改善に成功した事例を紹介します。
7-1. 羽後設備株式会社様
羽後設備様では、固定電話の取り次ぎ業務の効率を改善するため、電話システムのICT化に取り組んでいます。当初は従業員に貸与した携帯電話の通話料が課題となりましたが、「KDDI ビジネスコールダイレクト」を導入し、携帯電話を内線化することで、通話料を大幅に削減しました。
さらに、本社のPBXが更新時期を迎えた際には、「 Webex Calling 」を導入してPBXをクラウド化しました。支店で使っている「 KDDI ビジネスコールダイレクト 」と本社の「 Webex Calling 」を連携させることによって、本支店間の内線通話をこれまでどおり維持しつつ、固定電話の取り次ぎ業務にかかる手間やコストを削減しています。
また、クラウドPBX化によって電話回線やPBXの維持管理負担が軽くなり、災害時でも会社代表番号への着信を社外から対応できるようになりました。電話取り次ぎの効率化だけでなく、BCP対策としての安心感も向上しています。
| 関連ページ | : | 【導入事例】羽後設備株式会社 | 
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7-2. 小池産業株式会社様
小池産業様では、本社オフィスのリニューアルをきっかけに、電話業務の効率化に取り組んでいます。従業員数が増え、従来の固定電話中心の業務に限界を感じたことから、固定電話を廃止して「 Webex Calling 」を導入しました。
新システムの導入により、従業員はauスマートフォンやPCを使って場所を問わず会社代表番号での発着信が可能となりました。固定電話の取り次ぎ業務が不要になり、社内の連絡がスムーズに進むようになっています。また、電話の移設工事や内線番号管理などの手間も省け、業務効率が大きく改善しました。
さらに、オフィスのフリーアドレス化も実施したため、従業員がデスクに縛られずに働ける環境が整い、リモートワークの促進やワークライフバランスの向上にも貢献しています。
| 関連ページ | : | 【導入事例】小池産業株式会社 | 
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7-3. プロパティエージェント株式会社様
プロパティエージェント様では、電話業務の効率化とセキュリティ強化を目的に、モバイル対応の通話録音と発信番号規制が可能な環境を整備しました。これまでは、スマートフォンでの録音や発信制限が難しく導入を見送っていましたが、KDDI まとめてオフィスの提案により課題を解決し、即導入に踏み切りました。
導入後は、すべての通話がPBXを経由して管理される仕組みによって、営業品質の向上と宅建業法への対応を両立しつつ、従業員が固定電話に縛られずに働ける体制が整いました。さらに、「 KDDI ビジネスコールダイレクト 」によって、社外にいる従業員にも内線で直接つながるため、取り次ぎ業務の手間が減り、対応スピードが向上しています。
また、電話機のIP化によってレイアウト変更のたびに発生していた電話配線工事が不要となり、業務環境の柔軟性とコスト効率も大きく改善されました。
| 関連ページ | : | 【導入事例】プロパティエージェント株式会社 | 
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まとめ
非効率な電話の取り次ぎ業務を放置することによるデメリットはさまざまです。改善方法は複数あるので、自社の状況を考慮しながら最適な方法を選択し、業務効率化に向けて実践しましょう。
KDDI まとめてオフィスは、KDDIが長年培った高品質でセキュアな通信を軸に、電話をはじめとしたオフィス環境の改善に向けた豊富なサービス、ソリューションをワンストップで提供しています。電話業務の効率化やコストの最適化についてお悩みの方は、ぜひお気軽にKDDI まとめてオフィスまでご相談ください。
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