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ビジネスフォンの主装置とPBXとは?仕組みや種類・選び方を解説!

ビジネスフォンの主装置とPBXとは?仕組みや種類・選び方を解説!

2022年12月06日掲載(2023年12月19日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

ビジネスフォンの主装置とPBXとは?仕組みや種類・選び方を解説!

会社の1つの電話番号を複数の電話機で使用するには、主装置やPBXといった機器が必要です。しかし、主装置とPBXがどう違うのか、またどちらが社内に最適な機器であるか分からないという方もいるのではないでしょうか。

どちらも社内の電話環境を管理するシステムですが、仕組みやメリットが異なるため、違いを理解した上で利用するか検討するのがおすすめです。

当記事では、ビジネスフォンの主装置とPBXの仕組みや種類・選び方などを解説します。

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1. ビジネスフォンに必要な主装置とは?

主装置を介することによって、複数の外線と内線を共有することができる

ビジネスフォンとは、オフィスなどで使われる業務用電話機のことです。電話機と回線の間に「主装置」という機器を介し、外部からの電話を同じ代表番号で同時に受けることを可能にしています。またビジネスフォンには、内線通話や転送などの機能もあります。

一般的な家庭用電話機は、1つの電話機に対して1本の回線が必要です。電話機を複数使用したい場合は、その分通話するための回線を契約しなければなりません。しかし、ビジネスフォンでは1つの回線で複数の電話機を着信させられます。例えば、3つの回線で8つの電話機を着信させることも可能です。

収容できる回線は電話機だけではありません。複合機やドアホン、コードレス電話機などの製品も、主装置につないで制御することが可能です。

また、主装置の機能にはさまざまなものがあり、従業員と相手の通話をリアルタイムでモニターする機能があります。電話が混み合っている際に「時間を空けておかけ直しください」のような発信者に向けてのメッセージを流せたり、リモートコールバック機能という外出先から会社の番号で電話をかけられたりも可能です。通話料金は会社負担となるので、従業員が外出先から電話をした場合に自己負担する必要はありません。

1-1. 主装置とPBXの違い

PBXとは、Private Branch Exchangeの略で、電話交換機のことです。外線と内線、または内線同士の接続を管理するシステムです。スマートフォン(スマホ)や別拠点も内線化できるなど、連携させられる範囲が広いことが特徴です。

1つの電話番号を複数の電話機で使用するためにはPBXや主装置が必要ですが、それぞれどのような点が違うのでしょうか。違いを以下で解説します。

PBXは大規模オフィス向け

PBXは主装置と動きが似ているため混同されがちですが、PBXと主装置では制御できる規模数に違いがあります。PBXは、数千台まで電話機を接続でき、複数の電話回線を集約しながら、社内の内線同士の接続や外線と内線の接続をコントロールするため、主に大規模なオフィスに適したシステムです。

主装置との違いとして、パソコン(PC)と接続可能、スマホを内線として利用できる、複数の拠点を内線で接続できるといった特徴があります。

主装置は中小規模オフィス向け

主装置は前述のとおり、ビジネスフォンを使う際に必要となる機器のことで、数百台の接続が可能です。主装置はPBXと違い、PCとの接続やスマホを内線端末として利用できません。複数拠点を内線でつなぐことも不可のため、主に中小規模のオフィスに適したシステムです。

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2. ビジネスフォンの主装置とPBXの仕組み

主装置とPBXは外線と内線の通信を制御するという部分が同じですが、通信を制御する仕組みは異なります。以下では、主装置とPBXの仕組みの違いについてそれぞれ解説します。

2-1. 主装置の仕組み

主装置は単体で機能するものではなく、「ユニット」と呼ばれる基板を装着することで、ビジネスフォンとしての機能を発揮します。ユニットにはさまざまな種類があり、用途にあわせて、複数のユニットを組みあわせて使用します。代表的なユニットは以下のとおりです。

●外線ユニット

外線(公衆回線)を収容するユニットで、外部との受発信を制御します。外線ユニットの種類はアナログ回線ユニット、ISDN回線ユニット、光電話回線ユニットの3種類で、使用する電話回線にあわせて選びます。

●内線ユニット

会社内のビジネスフォン同士の通話を制御します。一度に制御できる内線の数が決まっており、上限を超えると内線を使用できません。内線ユニットはあらかじめ主装置に組み込まれていますが、その数を超える場合は、内線ユニットの増設が必要です。

●電源ユニット

電源からの電力を、主装置に供給します。電源ユニットが故障すると、ビジネスフォンが機能しなくなるため交換が必要です。交換部品がない場合、電話システム一式を換えなければならないこともあります。

主装置はボックス型になっており、装着できるユニットの数が決まっています。収容可能な上限を超える場合は、主装置を増設するか買い替えが必要です。なお、主装置と専用電話機は、同じメーカーのものでなければなりません。ビジネスフォン専用の多機能電話機は、家庭用電話機に比べてボタンの数が多いことが特徴です。

2-2. PBXの仕組み

PBXは社内に独自の通話網を構築します。PBXそのものは、筐体(きょうたい)とパッケージに分類でき、大規模なPBXは複数の筐体が組み合わさってできています。パッケージとは、筐体の機能に必要な基盤です。内線系パッケージや外線系パッケージなど複数の種類があり、環境に応じて選べます。

パッケージを筐体に入れると、PBXとして内線や外線の発着信ができます。パソコンへの接続やスマホを内線端末として接続する際にもPBXは利用可能です。別拠点のPBXと相互接続すると、複数拠点での内線通話もできます。

3. ビジネスフォンの主装置とPBXのメリット

ビジネスフォンの主装置とPBXのメリット

主装置とPBXどちらを利用するか迷った場合は、それぞれのメリットを知った上で検討するのがおすすめです。会社の規模や予算とも照らし合わせながら、検討するとよいでしょう。

以下では、主装置のPBXのメリットを紹介します。

3-1. 主装置のメリット

PBXは機能や利用可能な台数が充実していますが、費用もかさむ傾向にあります。その点、接続台数が少ない主装置なら比較的安価にシステムの導入が可能です。

したがって、自社が必要とする電話機数やビジネスの規模などの条件によっては、PBXよりも主装置を利用するほうがコストを削減できる可能性があります。

3-2. PBXのメリット

PBXが接続できる電話機の台数はプランによって異なります。しかし、一般的にPBXで接続できる電話機の台数は数千台と大規模です。

PBXの中でも、クラウドPBXは初期費用が比較的安いため、コストを抑えながら大規模な環境で使用できます。内線のみの利用ならビジネスフォンと同様に通話料が発生しない点もメリットです。

4. ビジネスフォンの主装置の種類

ビジネスフォンの主装置は、3種類に分かれています。それぞれ接続できる電話機の台数や、収容できる回線数、チャネル数などが異なります。チャネル数とは、同時に通話可能な数のことです。チャネル数は主装置のクラスだけでなく、回線の種類によっても変わります。

設置できるユニットの数は機種によっても異なりますが、主装置のクラスが大きいほど多くのユニットを装着できます。また、主装置の価格もクラスに応じて高額になるため、自社に適切な種類を選ぶことが大切です。

ここでは、主装置の各種類について紹介します。

4-1. Sクラス

Sクラスの主装置は、10台の電話機と接続できます。同時に通話できる数は4台(4チャネル)です。アナログ回線を利用する場合は4回線まで、またISDN回線では1つの回線で2チャネル利用できるため、2回線まで収容可能です。なお、Sクラスでは主装置の増設はできません。

Sクラスよりも小さいモデルとして、SSクラスもあります。SSクラスは一般に「ホームテレフォン」と呼ばれ、家庭用電話機とビジネスフォンの中間に該当します。最大で2チャネルに対応しており、5台程度の電話機と接続可能です。

4-2. Mクラス

Mクラスでは30台まで電話機を設置でき、12チャネルまで稼働します。アナログ回線の場合は12回線、ISDN回線では6回線まで収容可能です。Mクラスも、Sクラス同様に主装置を増設はできません。

Mクラスは、ボックスの大きさがSクラスとそれほど変わりません。しかし、接続可能な電話機の数やチャネル数は、SクラスとMクラスで大きく異なります。電話機の数やチャネル数を拡張する可能性がある場合は、あらかじめMクラスを選んでおくと安心です。

4-3. Lクラス

Lクラスに接続可能な電話機の台数は80台です。アナログ回線では24回線、ISDN回線では12回線まで主装置に収容でき、24チャネルまで同時に稼働できます。

また、Lクラスでは主装置を増設することが可能です。電話機80台、24チャネル以上を使用したい場合であっても、Lクラスであれば設置できます。

5. ビジネスフォンのPBXの種類

従来、使用頻度が多かったPBXの種類はレガシーPBXです。レガシーPBXは、社内の電話機を電話線でつなげるタイプのPBXで、物理的な装置の設置を必要とします。近年では、IP-PBXやクラウドPBXが主流で、レガシーPBXの使用は減少傾向にあります。

IP-PBXは、電話回線を使わずにIP電話機を社内ネットワークにLANでつなぐタイプのPBXで、クラウドPBXはPBX本体を設置する必要なく、PBX機能をクラウド上のサーバーが担います。IP-PBXやクラウドPBXは、レガシーPBXと違い専用機器を設置する場所が不要です。電話線によって物理的な空間を占有することもないため、オフィスのレイアウト変更時に内線番号を変える必要もありません。

6. ビジネスフォンの主装置の選び方

フィスの大きさや用途、価格などを総合的に判断して、適切な主装置を選びましょう

ビジネスフォンを導入する際は、オフィスの大きさや用途、価格などを総合的に判断して、適切な主装置を選ぶことが重要です。

また、主装置の種類や機種だけでなく、設置場所や電話回線の種類も導入前に検討しておきましょう。主装置の設置場所はオフィス内のほか、インターネットのクラウド上に置く方法もあります。クラウド型のビジネスフォンは、機器の購入や電話回線の契約がいらない一方、回線数に対して月額料金がかかるのが特徴です。電話回線には、アナログ回線(ダイヤル回線・プッシュ回線)のほか、ISDN回線、光回線、IP電話があります。

以下では、主装置の選び方をいくつか紹介します。

6-1. 接続端末台数

主装置の種類によって、接続できる端末の台数は決まっています。Sクラスは10台、Mクラスは30台、Lクラスは80台以上を目安に、事業規模に合わせた主装置を選びましょう。

主装置を選ぶときは、今後オフィスに常駐するスタッフが増える可能性も加味して、数に余裕を持たせておくと安心です。特にSクラスとMクラスは主装置を増設できないため、台数の上限を超えると買い替えが必要になってしまいます。ただし、クラスが大きくなるとその分導入コストは高くなります。

6-2. 外線数

一度に通話できる外線の数も、主装置の種類によって異なります。Sクラスは4チャネル、Mクラスは12チャネル、Lクラスは24チャネル以上です。外線数もLクラス以外は増設できないため、事業の将来性を見据えたクラスにしておくことをおすすめします。電話業務における最適なチャネル数の目安は、スタッフの数の3分の1と言われています。

6-3. 必要な機能

ビジネスフォンに搭載されている機能は、種類や機種によります。主装置だけでは対応できない機能もあるため、導入前に必要な機能をピックアップしておくと安心です。主装置の種類によっても、実装できるユニットの数が異なります。

内線や保留・転送といった基本機能も、機種によって種類はさまざまです。外出するスタッフが多い場合は、携帯電話とビジネスフォンを連携する機能があると便利に活用できます。顧客からの問い合わせが多いオフィスでは、音声自動応答の機能があると顧客満足につながりやすいかもしれません。

6-4. 価格

主装置の価格は種類や機種によって変わります。一般的に新品の主装置は20万円以上と高額です。そのため、新品を購入するだけでなく、中古品やリース、レンタルなどの導入方法も検討するとよいでしょう。

中古の主装置は、4万〜7万円程度が相場です。中古を購入すると初期費用を抑えられますが、新品よりも保証期間が短く故障しやすいデメリットもあります。また、新品よりも機能の選択肢が限られます。

リースは、契約期間を定めて月額料金を支払う方式です。中古に比較すると機能の選択肢が多く、初期コストがかからないメリットがあります。しかし、新品を一括払いで購入するよりもトータルコストは割高です。契約期間中は、途中解約できない点にも注意しましょう。

レンタルとリースの違いは、途中解約できるかどうかです。レンタルの場合は初期費用が不要で途中解約も可能なため、気軽にビジネスフォンを導入できるでしょう。ただし、レンタルは一般的に肩落ちの機種が多く、長く契約すればするほどコストが割高になります。

まとめ

ビジネスフォンの主装置とは、外部からの電話を代表番号で同時に受けられるようにする機器です。外線と内線の通人を制御する機器には主装置のほかにPBXという電話交換機もあり、それぞれ通信制御の仕組みや制御可能な規模数などに違いがあります。社内に快適な電話環境を構築するには、主装置とPBXの違いを理解した上で導入目的を明確にすることが必要です。

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